Daily Star 2010年9月21日
バングラデシュ 2か所の船舶解体現場が告訴される 情報源:The Daily Star September 21, 2010 2 ship-breaking yards sued http://www.thedailystar.net/newDesign/news-details.php?nid=155357 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2010年9月28日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/shipbreaking/100921_2_ship-breaking_yards_sued.html バングラデシュ環境省(DoE)は、チッタゴンのシタクンダ(Sitakunda)地区の海岸地帯にある2か所の船舶解体現場を昨日、環境省(DoE)の認可なく環境を汚染して船舶を解体しているとして告訴した。 環境省(DoE)調査官サイフル・アシュラフは、Makインターナショナル社とMM船舶解体産業社をシタクンダ警察署及び環境裁判所に告訴した。 サイフル調査官は、これらの解体現場は環境認可がなく、要求される緩和措置を行とらわず、また船舶のクリーニング及び解体中に液体及び固体の有害廃棄物を除去するための設備を用意していないと主張した。 ”シタクンダの船舶解体現場はどこも環境省の認証を受けていない”と彼は述べた。Makインターナショナル社の所有者らは二隻の船舶、V Badri 号と MT Bow 号を9月16日に解体したが、そのうちの一隻はMM船舶解体産業社から借りた場所で解体を行なったと環境省高官ザハール・アラムに報告した。 ”MV Badri 号のある部分は解体された状態で発見されたが、訴訟の証拠とするために両船を確保する手続きを行なっている”と彼は付け加えた。 Makインターナショナル社で告訴された人々は、解体場所有者ジィナル・アベディン、ジャミル・アベディン、モハメッド・アラウディン、及びマネージャーのフィロッツ・アーメドである。 もうひとつのの事件で告訴された人々には、Makインターナショナル社の3人の所有者と、MM船舶解体産業社の所有者、モンワラ・ベガム、彼女の夫アブ・モシン、及びマネージャーのジャハンギル・アラムがいる。 シタクンダ海岸地帯の122の船舶解体現場のうち9現場が今年の4月21日以来、告訴されている。 訳注 ■バングラデシュの船舶解体施設に対する当局の措置は、今後、数年後に発効するIMOシップリサイクル条約への対応のようにも見えます。 しかし、毎年、バングラデシュのNGOとの交流のために同国を訪問し、船舶解体現場を見ている日本のNGOの方の話によれば、「廃船解体現場を訪ねたが、現場での作業は以前と変わりな く続いている。廃船解体会社は、YPSAなど廃船解体問題に取り組む団体や個人に対して警戒し排除を強めており、見学者はもちろん関係者もなかなか現場に近寄れなくなっている」とのことでした。 ■209年5月にIMOで採択されたシップリサイクル条約案の船舶リサイクル施設に関連する条項を参考までに抜粋して掲載します。重要なことは、
シップリサイクル条約 (抜粋) 第4条 船舶リサイクルに関する管理 2 締約国は、当該締約国の管轄下にある船舶リサイクル施設に対し、本条約で定める要件に適合することを要求し、かつ、当該船舶リサイクル施設がこれらに適合することを確保するための効果的措置を講じなければならない。 第6条 船舶リサイクル施設の認可 締約国は、当該締約国の管轄下で運営し、本条約が適用される船舶もしくは本条約第3条4に従い、それと同様に扱われる船舶をリサイクルする船舶リサイクル施設が附属書の規則に従って承認されることを確保しなければならない。 第10 条 違反 1 本条約の要件のいかなる違反も禁止される。 附属書 安全と環境上適正な船舶のリサイクルのための規則 第2章 船舶に対する要件 B部 シップリサイクルに対する準備 規則8 一般的要件 リサイクルされようとする船舶は、 1 本条約に従って承認された船舶リサイクル施設のみでリサイクルされなければならない。 2 貨物残留物、燃料残留油及び船内に残っている廃棄物の量を最小化するために、船舶リサイクル施設に入る前の期間の船舶運航を管理しなければならない。 3 規則9で求められる船舶リサイクル計画の作成のため、船舶に関する入手可能な全ての情報を船舶リサイクル施設に提供しなければならない。 4 規則5で求められる有害物質一覧表を完成させなければならない。 5 全てのリサイクル活動が行われる前に、主管庁または主管庁によって承認された組織によって、リサイクル準備完了を示す証明がされていなければならない。 |