CNNgo Asia 2010年9月17日
日本における電子廃棄物のリサイクル:
遅くても何もしないよりはよい

世界で最も家電/電子機器にどっぷり浸かった国のひとつが
リサイクルに真剣に取り組み始めている
ティム・ホーニャック

情報源:CNN GO Asia September 17, 2010
Recycling electronic waste in Japan: Better late than never
Finally one of the world's most gadget-obsessed nations is
starting to take its e-waste recycling seriously
By Tim Hornyak
http://www.cnngo.com/tokyo/shop/urban-mining-finding-value-amongst-old-electronics-464333

訳:安間 武 化学物質問題市民研究会
掲載日:2010年9月17日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/e_waste/100917_CNNgo_Recycling_in_Japan.html


 今年の初め、日本政府は仮想キャラクター初音ミク(はつねミク、HATSUNE MIKU)を携帯電話のリサイクル率を向上させるためのキャンペーンに採用した。

 かまとと風キーキー声のアニメ・シンガーは、人々にその役割を訴える甘ったるい歌を録音した。(訳注:使用済み携帯電話の回収促進事業-「たんすケータイ あつめタイ\(^o^)/」) 結局、日本人は携帯電話をしばしば新しいものい取り替えるので、東京では携帯電話リサイクル箱がコンビにで見つけることができる。
 昨日までのまでの家電/電子機器に何が起きたのか?

都市鉱山

 携帯電話、コンピュータ、その他のIT機器は、電子基板、電池、ブラウン管TVガラス等とともに様々な運命をたどる。多くは廃棄され、あるものは貴重な金属を取り出すためにリサイクルされ、あるものは海外に輸出される。

 政府の報告書によれば、初音ミク・キャンペーンでは、2月末までの100日間で、57万台の不要携帯電話が1,886の店からで収集された。このキャンペーンには賞金がついており、資源節約の動機や初音の魅力だけが成功の要因ではなかった。

 いわゆる”都市鉱山”リサイクル・プラントはガラクタを宝に変える。政府はこれらの携帯電話は、22kg の金、79kg の銀、2kg のパラジウム、5トン以上の銅を産出すると見積もっている。

 しかし、テレビやエアコンのような家電製品は家電リサイクル法の対象でありリサイクル率は一般的に高いが、携帯電話やコンピュータ、その他の電子機器の廃棄物、いわゆる電子廃棄物(e-waste)は話が別である。

 日本の国立環境研究所の調査によれば、2005年4月年度では、700万台以上のパーソナル・コンピュータが廃棄されたが、そのうち37%が廃棄又はリサイクルされ、37%が日本国内で再使用され、26%が輸出された。

 ”日本は、家電リサイクル法以外のリサイクルの効果的な制度を必要としている”と同研究所の循環型社会・廃棄物研究センターの森口祐一センター長は述べている。”特に、既存の法の下における使用済みパソコンと電池の収集、及び携帯電話と小型家庭用電気機器の収集のためのシステムである”。

東南アジアへの輸出

 実際に、数千トンの日本の電子廃棄物が開発途上国に輸出されている。毎年40万台以上のテレビがフィリピンに集まる。ある製品は製品として販売されるが、一方、その他のものは高騰する金属をもとめて資源回収される。

 海外の環境規制は緩い−NHKの取材班は以前に、廃棄され日本の電子回路基板から金を抽出するために青酸カリと硝酸を使用しているマニラ郊外の零細工場の労働者を撮影した。この有毒溶剤は住宅地域にある池に投棄された。

 マニラにはそのような零細工場が数十あるかもしれない。グリーンピース東南アジアは電子廃棄物自身が鉛、水銀、カドミウムなどの有毒な重金属や臭素化難燃剤等の有害化学物質を含んでいると述べている。

 日本からの有害廃棄物の輸出はバーゼル条約違反である。アメリカの有害物質貿易監視組織バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)は、日本が日比経済連携協定の下に有害な廃棄物を輸出しようとしているとして非難している。

ガラクタか中古品か?

 ”日本は、大量の過剰包装を生成し、電子廃棄物のような消費者製品廃棄物を生み出す世界の最大浪費社会のひとつである”とBANの代表ジム・パケット言う。

 バーゼル条約の画期的な規則によって求められる廃棄物管理における国内処理を求める代わりに、日本はこれらの規則を回避し逆行しようとしている”。

 もうひとつの問題は、どのようにしてガラクタを価値ある中古品と区別するかということである。マニラ行きの貨物コンテナーの中の壊れたコンピュータは修理できる商品なのか? あるいは海外での投棄のために長旅しているだけなのか?

 ”日本は、廃棄物という点においては法を遵守している”と東京を拠点とするNGO化学物質問題市民研究会の安間武は言う。”しかし、中古品と廃棄物を区別する基準がないので、基本的には廃棄物である消費者電子機器やコンピューターを中古品として輸出することができるという抜け穴がある”。

 日本における電子廃棄物の現実は、初音ミクよりはるかに複雑であるように見える。

どこに行けば不要電子機器から逃れられるか?

 不要電子機器を売りたい人やそれから逃れたい東京の人にはいくつかの選択肢がある。第一は、東京で有名な電子機器販売店が集まる秋葉原に行くことである。そこにはソフマップのような会社や多くの小さな中古品販売店が喜んで助けてくれる。

 また、GaijinPotのようなオンライン・フォーラムを試すこともできる。また、あなたの家までトラックで来てくれる様々な買取サービスもあり、あなたのガラクタを調べ処分費用を見積もってくれる。時にはスピーカで呼びかけながらトラックで近所を回ってくることもある。これらは、あるときはあなたに金を払い、時にはあなたの廃棄物を無料で引き取り、時には引き取り料金を請求してくる。

 携帯電話メーカーは、特にあなたがアップグレードする時には古いモデルを引きとってくれし、BICカメラのような家電量販店は、テレビやその他の家電をリサイクル法の下に引き取り、リサイクルするために家電メーカーに送っている。



化学物質問題市民研究会
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