バーゼル条約
プラスチック廃棄物 FAQs 情報源:Basel Convention Questions and answers related to the Basel Convention Plastic Waste Amendments http://www.basel.int/Implementation/Plasticwaste/ PlasticWasteAmendments/FAQs/tabid/8427/Default.aspx 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2020年6月9日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/Plastic/Basel_Plastic_Waste_FAQs.html バーゼル条約に関する一般的な質問については、こちらの概要をどうぞ。 1. バーゼル条約のプラスチック廃棄物改正とは何か? この改正は、2019年5月に決定されたバーゼル条約の対象となるプラスチック廃棄物の範囲の変更に関するものであり、国際的な国境を越えるプラスチック廃棄物の移動を管理するルールに大きな影響を与える。バーゼル条約への変更は、その決議機関である締約国会議(COP)により BC-14/2(国連版 6言語の決議へのリンクがポップアップ)|(英語版)で採択された。BC-14/2条約の附属書に対する 3つの改正(訳注:BC-14/2のタイトルが示す Amendments to Annexes II, VIII and IX to the Basel Convention)を通じて、この決定は条約の対象となるプラスチック廃棄物の新しいカテゴリーを特定する。
決議 BC-14/ 12 を通じて、COP は条約の 3つの附属書に対する以下の変更を承認した。
2. 新しいエントリはいつ有効になるか? 新しいエントリは2021年1月1日から有効になる。 3. バーゼル条約のもとで、つまり、エントリが有効になる前に、現在どのプラスチック廃棄物が管理の対象になっているか? 2021年1月1日より前は、プラスチック廃棄物は次のいずれかに分類されていれば、バーゼル条約の適用範囲に含まれる。
2021年1月1日の時点で、新しいプラスチック廃棄物エントリは、他のタイプのプラスチック廃棄物及びプラスチック廃棄物の混合物に対するバーゼル条約の下での管理の範囲、及びプラスチック廃棄物が PIC 手順の対象となる特定の条件を明確にする。 エントリー B3011(下記参照)でカバーされる廃棄物を除く、すべてのプラスチック廃棄物及びプラスチック廃棄物の混合物は、PIC手順の対象となりる。 これは下記を含む。
エントリ B3011 で指定されているように、以下のプラスチック廃棄物は、環境に配慮した方法でリサイクルすることを目的としており、汚染やその他の種類の廃棄物がほとんどない場合、PIC 手順の対象にはならない。
エントリ B3011 及び Y48 の脚注は、ほとんどがもっぱらひとつの非ハロゲン化、ひとつの硬化樹脂またはエントリ B3011 でカバーされるフッ素化ポリマーからなるプラスチック廃棄物のリサイクルの場合に、リサイクルとは、溶剤として使用されない有機物質のリサイクル/再利用を指す(バーゼル条約の附属書IV、B表(訳注:資源回収、再生利用、回収利用、直接再利用又は代替的利用に結びつく作業)、R3(訳注:溶剤として使用しない有機物の再生利用又は回収利用)、又は、もしリサイクルの予定があり、それが契約書又は関連する公文書によって裏付けられるなら、必要に応じて、一回限りの一時保管を指す。エントリー B3011 の対象となるプラスチック廃棄物の混合物の場合、リサイクルの前に分別を行う必要がある。 プラスチック廃棄物の特定と環境に配慮した管理、及びそれらの処分に関する技術ガイドラインは、プラスチック廃棄物の環境に配慮したリサイクルと見なされるものに関するガイダンスを提供する。 2002年に締約国会議によって採択されたガイドラインのバージョンは、現在、プラスチック廃棄物に関する修正の実施を促進するためにバーゼル条約の下のワーキンググループによって改訂されている。ガイドラインとその改訂の詳細については、こちらから。 7. 新しいエントリにより、すべての締約国がバーゼル条約に拘束されるか? 改正とその新しいエントリは、2020年3月24日までに預託機関に書面で通知することにより受理できないことを宣言する当事者を除くすべての締約国を拘束する(つまり、改正の採択が行われた日付である 2019年9月24日から 6か月以内に 預託機関によって伝えられた締約国)。 詳細については、批准状況も参照のこと。 8. エントリが有効になった後、締約国はどのような措置を取るべきか? 必要に応じて、またその法制度に応じて、新しいエントリを国内法に置き換えるために必要な措置をとるのは各締約国次第である。 そのような措置は、2021年1月1日に、各締約国がエントリ A3210 及び Y48 にリストされているプラスチック廃棄物に関してバーゼル条約の規定を実施する立場にあることを確実にするために、適時に行われるべきである。 これには、そのような廃棄物の越境移動の場合に事前の情報に基づく同意の手続きを適用することや、廃棄物の発生を最小限に抑え、環境に配慮した管理を確保することに関する条約の規定を適用することも含まれる。 締約国がこれらの新しい取り組みを行なうのを支援するために、エントリが有効になったら、世界がプラスチック廃棄物問題を克服する準備ができていることを確実にするために、締約国会議は一連の追加手順を決定した。 まずはじめに、世界中の国々を結びつける地球規模の基盤を提供することを目的として、プラスチック廃棄物の環境的に健全な管理を促進し、その生成を最小にするために、市民社会や経済界の利害関係者と協力しつつ、プラスチック廃棄物パートナーシップが設立された。パートナーシップの詳細については、こちら。 ESMツールキットでは、より一般的には廃棄物の環境に配慮した管理、廃棄物の防止と最小化を確実にする方法に関する追加のガイダンスを利用できます。パートナーシップの詳細については、こちらをご覧ください。、より一般的に廃棄物の環境に配慮した管理、廃棄物の防止と最小化を確実にする方法に関する追加のガイダンスは、 ESMツールキットで入手できる。 同様に重要なのは、追加の技術的および法的作業の開始である。
9. ストックホルム条約は、残留性有機汚染物質(POPs)として知られる最も危険な化学物質の一部の生産と使用を禁止または制限し、POPsからなる、またはPOPsを含む廃棄物の環境的に適切な管理を求める。 これらの化学物質の一部、例えば ポリ臭化ジフェニルエーテルは、難燃性などの特定の特性を付与するためにプラスチックに添加されてきた。 POPを含むプラスチック廃棄物の適切な管理は、たとえばプラスチック廃棄物の管理されない燃焼やマイクロプラスチックから海洋環境への浸出などによって発生するこれらの化学物質への潜在的な人間及び環境への曝露を減らすために重要である。プラスチックでの POPs の使用と POPs のリサイクルを防止することにより、ストックホルム条約はプラスチック廃棄物の環境に配慮した管理を促進する。これにより、ライフサイクルのさまざまな段階で問題に対処する機会が提供される。 |