BAN プレスリリース 2022年6月17日
バーゼル条約 COP15 代表者ら及び環境団体は
電子廃棄物取引の新たな世界的制限を祝う

しかしまだ電子廃棄物投棄の抜け穴がある
情報源:Basel Action Network (BAN)
Press Release June 17, 2022
Delegates and Environmentalists Celebrate
New Global Restrictions on e-Waste Trade
Still one electronics dumping loophole remains to be closed
https://myemail.constantcontact.com/e-Waste--New-Global-Trade-
Restrictions-Celebrated.html?soid=1114999858498&aid=FUdKkI9RM5U


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2019年6月23日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/BAN/COP15/Basel_COP15_Delegates_and_
Environmentalists_Celebrate_New_Global_Restrictions_on_e-Waste_Trade.html


【ジュネーブ、スイス】 ジュネーブで開催されたバーゼル条約第15回会合において、今週と先週の 8日間の詳細でストレスの多い交渉の後、締約国は、有害な及び無害な電子廃棄物の新しい定義を確立し、これら2つのカテゴリの電子廃棄物の両方が貿易を禁止されるか、少なくとも輸出国による通知と輸出前の輸入国による同意を必要とする”スイス-ガーナ修正案(Swiss-Ghana Amendments)”に同意した。

 ”特に開発途上国への電子廃棄物の輸出は、その物質が無害であると見なされた場合でも、通常、環境に害を及ぼす”と、2001年と 2005年の中国とアフリカでの世界的な廃棄物投棄の悪夢を最初に報告したバーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)のエグゼクティブ・ディレクターであるジム・パケットは述べている。”電子廃棄物が熱処理又は原始的な酸処理の作業では非常に有害な物質が排出されているので、この新しい修正は世界中の環境と人間の健康を保護するのに大いに役立つ。

 ただし、合法的なリサイクルを保護するために、BAN は、輸出国ですでにバーゼル条約非有害リスト(付属書 IX)記載されている金属またはプラスチックの安全で有害性のない濃縮物に前処理された電子廃棄物を新たな修正で免除する(対象としない)ことを保証するのに役立たった。これにより、より多くの電子機器を埋め立て地や焼却炉に投入するのではなく、商品グレードの二次資源にリサイクルすることができる。

 新しい規則は 2025年1月1日に発効し、数年後には混合及び汚染されたプラスチックに関する同様の合意が続く。明らかな環境と健康上の利点の他に、国境の税関と環境当局が有害性を判断するためにほとんどの場合高価なテストを行う必要がないため、世界中の電子廃棄物の貿易をはるかに容易にすることも期待されている。

 さらに、ほとんどの電子廃棄物取引には通知と同意(notification and consent)が必要であるが、米国は条約の締約国ではないため、バーゼル条約の締約国である輸入国は、同等の管理レベルを確立する特別な二国間又は多国間協定なしに米国の電子廃棄物を受け取ることが許可されないことに注意することが重要である。同様に、無害な電子廃棄物の新しいリストは条約の付属書 II にあり、欧州連合は開発途上国への輸出禁止にこの付属書 IIを含めているため、EU 諸国から開発途上国への電子廃棄物の輸出は禁止される。

 COP15 会合でこれらの新しい規制が可決されたにもかかわらず、電子機器製造業者によって強力に推進され、BAN と多くの発展途上国が塞ごうとしているひとつの大きな抜け穴が残っている。それは現在暫定的にのみ採択されている電子廃棄物の国境を越える動きに関するバーゼル条約のガイドラインに見られるいわゆる”修理可能な抜け穴”である。このガイドラインは現在、輸出業者が輸出品を修理するためであると主張すれば、条約の規則を完全に回避することを許している。 COP15 会合では、22の開発途上国が、電子廃棄物が廃棄物である場合とそうでない場合に関係して、ガイドラインのこの部分をもっとよく検討するよう要求する発言をした。多くの締約国は、機能性に基づいて定義を行うことを望んでいる。これが来年からの継続的な交渉の推進力となるであろう。

 ”修理が重要な役割を果たしていることは誰もが知っているが、不当な要求であらゆる種類の廃棄物を輸出し、それをバーゼル規則から逃れるための免罪符として使用することは許されない。これは、あらゆる種類の搾取的な廃棄物貿易ビジネスへの扉を開くことになる”と述べた。 ”BAN は、発展途上国とともに、再利用という名目の乱用を防ぐために、その最後の抜け穴を塞ぐことを目指している”。

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