2001_8

初めて乗る船。最近は同じ舟ばっかりだったが、一度乗ってみたいと思っていた舟で、いつもところが珍しく満員だったのをいいことに予約を入れた。4時半に到着、釣り座は左舷の艫から2番目の船頭のすぐ後ろ。着いたとたんに「初めてか、中の瀬戸での釣り方は知っているか」との問いに、「だいたいは知っているが」と答えると「今は、掛け上がりの途中でしか食わん。オモリがこつんと底に触れたら、すぐに７から8回巻いてアタリを待つように」との指導があった。「こつんと触れたらすぐにやで」と念を押された。仕掛けも自作していることに気づき「仕掛けも作ってきてるで」と艫の人が船頭にいうと、「どんな長さで」と聞かれたので、エダスの間が50センチきざみで広くなるようにしていると答えると、「中の瀬戸は、これくらいや」と腕を広げて、20センチずつ広くして示してくれた。それで仕掛けを借りることに。今日は老船頭が若船頭の船を操るらしい。素人扱いされたのは久しぶりだが、明るい感じなので、ハイハイと聞いていた。5時に出船。

中の瀬戸で流し始める。根掛かりを気にして底に当たる前に巻き上げてしまう。ちょっと緊張気味なのが自分で判る。2流し目に周りで一斉にイサギがあがる。30センチくらいのがダブルの人もいる。僕にはなかなか釣れない。あせるなぁ。加太に通って2年4ヶ月、少しは腕は良くなっていると思っていたが、そうでもないのか。
周りが5匹くらい上げたところで、根掛かり覚悟で底取りを始めた。そろそろ掛け上がりというところでやっとアタリが出た。ちょっとブルブルする感じで、あまり突っ込みを見せずにあがったのは25センチのイサギ。船頭さんもわざわざすくってくれて、「良かったな、良かった」と喜んでくれた。生簀にまで運んでくれて、いい舟のようです。

この船と、すぐあとでオカマします。

その後、根掛かりで仕掛けを失った。船頭さんが「自分の仕掛けでやってみるか」というので、そうしようと付け替えていると、周りでタイが上がった。40センチクラスが艫にいる3人に上がる。前の方でもタイが上がっている。一番大きいのは50センチを超えていた。あせっても仕方がないので、次の流しを待つ。
ちょっと潮の流れが緩くなってきた。もうすぐ時合いは終わってしまう。ヤバイ。でもアタリが出て釣れるのはイサギばかり、アジも30センチ超が釣れた。オオアジか、と思うほどの引きで30センチを超えるイサギが釣れた。イサギが食べたかったので釣れるのはうれしいがそろそろタイが釣りたい。底取りをして、少し上に誘い上げたときにイサギとは違う力強いアタリが出た。引きからみてタイと思うが、あまり大きくなさそう。でも船頭が目ざとくそれに気づいて「チャリコやけど、タイやな。やっとこれで全員がタイの顔を見た」と喜んでくれた。
そうか、やっぱりタイが釣れていなかったのは僕だけだったのか。うーん。やっぱり舟で一番下手なのか。上がったチャリコは30センチのチャリコらしいチャリコ。7時半くらい。もう潮も終わりそうだなと思っていた8時に、今までにない強烈なアタリで、竿を持っていかれた。ドラグもうまくすべらない。あわてて手で引き出してラインを送る。
これは結構良い型。ゴン、ゴンと頭を振り、底に突っ込んでいく。50センチはあるかななどと思いながら、やり取り。ここでバラシたらやっぱりヘタだと思われるかもしれないから、絶対バラシたくない。何度かラインを送ってようやく取り込めたのは、46センチ。船頭さんがタモ入れしてくれた。「ええのが上がってよかったな」ととても喜ぶ。生簀に入れにいくと「いいタイやね」と声がかかる。初心者に優しいベテランたちって感じ。
そのあと、風が出てきて仕掛けが風にあおられオマツリになり、それをほどくいて、3回ほど流せなかった。周りはイサギを追加していた。8時半には潮を止まり、中の瀬戸をあとにし、「コマサキにでも行ってみよか」とのこと。コマサキではほとんどアタリもない。一匹だけイサギを上げた。釣れる気配はない。7人中、3人が仕掛けを上げてしまった。みんなタイを2枚とイサギを10枚以上釣っていたので、「もう帰ろう」という意見になり、10時に終了。

美しい魚体

ふと後ろを見ると、いつもの釣り舟で良く会う名人。
彼曰く「この舟は、ポイントごとの狙い方や仕掛けをちゃんと教えてくれる。若船頭は厳しいけど、釣り方をきちんと指導してくれる。この舟で釣れるようになったら、加太のどの船に乗っても大丈夫。僕は5年通った」とのこと。
いまさらこの舟に毎週通うわけには行かないけど、半々くらいで通ってみる価値はある舟です。でもいつも乗ってる舟が近くに来ると、帽子を目深にかぶり、顔を隠すのもいやなものですが、いつも会う彼もそうしているのだそうです。浮気している現場を見られたみたいな感じがします。変ですが。

イサギは９匹、タイ２枚