Various Europian Countries

国毎,地域毎のページで紹介している以外のヨーロッパのプログレッシブ ロックのページ.

Adonis Mitzelos (Greece)

Beyond the light (2000:Mercury 542362 2)

ギリシャのギターリスト.録音は 1994 〜 1999 年に N.Y. で行なわれたようです. Spyro Gyra (Fusion の方) のメンバーが参加しているのが面白いです.

音楽的にはシンフォニック色の濃い美しい音楽とギリシャの民族色の強い曲と Fusion が混在している感じで,1 〜 7 曲目を占める組曲がその特徴をもっともよく現し ています.組曲は非常によく構成されていて,色々な雰囲気の音楽の混在も自然に流れて いきます.

面白いのは Fusion の Spyro Gyra のメンバーがシンフォニック色の濃い曲にも 参加している事です.いつもの Spyro Gyra とはまた違っていて面白いですね.でも,い つもながらの Spyro Gyra 的なモロ Fusion の曲も入っています.シンフォ的な曲を Spyro Gyra メンバーが Fusion 的な演奏をし,Adonis Mitzelos がロック調に演奏して いる所は特に面白いです.

女性ボーカルの入った曲は非常にギリシャ的な静かで美しい曲で,こちらもまたすばら しいです.

(August 3, 2000)


Alex Machacek (Austria)

[SIC] (2006: Abstract Logix ABLX-002)

(Sic)(Sic)
Alex Machacek Featuring Terry Bozzio

Abstract Logix 2006-08-15
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バンドMcHacek名義の "Featuring Ourselves" で驚愕の (?) デビューを果たした,オーストリア出身の ギターリスト Alex Machacek の初のソロ作品.

この作品は "Featuring Ourselves" のザッパ,ホールズワース路 線ではなく,最近,この作品にも参加している Terry Bozzio と共に 活動している bpm や Out Trio と言った活動の流れを汲むものです.

Terry Bozzio は三曲に参加ですが,アルバム全体的にギターとド ラムが曲の骨格を作っており,全曲参加しているんじゃないの? と誤 解してしまいそうです.

ギターとドラムによる語りかけるような音楽です.ただ,Alex Machacek の流れるようなギターも聴くことが出来,その同居が独特 の雰囲気を出しています.bpm や Out Trio は,この作品と同様に, ギターとドラムが骨格を作っているとは言え,やはり Terry Bozzio が前面に出ていましたが,この作品は当然ながらギターが前面に出て おり,若干雰囲気は違います.

ジャズとしては,かなり個性の強い,オリジナリティのある作品 に仕上がっているのではないでしょうか.その分,好みはわかれそう ですが.

(August 1, 2006)


Allan Holdsworth (UK)

Then! (2002: Universal UICE-1065)

cover

1990年のライブ盤ということですが, 非常に良い内容です. Holdsworth の流れるようなギタープレイを(久々に?) 思う存分堪能 できます. メンバー全員の演奏がすばらしく,その流れに乗るように Holdsworth が存分に弾きまくっているという感じです.ずっとリリー スの話があったというのも頷けます.

最初 Holdsworth を聞いたときって, 「速い」と言われて聴いた わけですが, 確かに速いけど, なんかトリッキーなフレーズのソロだ なあ, と思って正直あまりよく分かりませんでした. その後, 多少分 かるようになりましたけど, 久々に聴いてみると, それほどトリッキー と感じず, 自然に流れるようなソロに感じられました. 私が変った のもあるでしょうが, プレイが素晴らしいのもあるのでしょうね.

(January 31, 2004)


Amenophis (Germany)

Amenophis (1983? : Musea FGBG 4052.AR)

ホワッとしたギターが特徴的なドイツのシンフォニック系バンド. ほぼインストで,全体的にあまりアクの強くないさらっとした感じの音 楽ですね.

スケールの比較的大きなシンフォニックサウンドで,コテコテでは ないですが,比較的ドラマチックなフレーズをさらりと弾くギターが好 印象です.とてもトリオだとは思えない美しいシンフォニックサウンド は,キーボードのおかげでしょう.どちらかというと内省的な感じです が,暗くはありません.

時折顔を出すアコースティックギターもよいアクセントになってい ますね.4 曲目の 20 分を越す組曲が特に荘大で美しいです.

CD 後半はアンリリースドのボーナストラックですが,そちらは各メ ンバーのソロプレイを中心とした,静かな内省的な曲が中心です.

(December 3, 1999)


Circus (Switzerland)

Blue Motion

King Crimson のジャズ的な部分を抜き出したような感じですね.あ と,Soft Machine 初期の雰囲気もあるような気はします.全体的 に,重く荒い感じの音ですが,ボーカルは澄んだいい声をしていま す.あと,フルートがちょっと尺八みたいな音でいいです.ときお り,叙情的なフレーズも飛び出します.スピーディー(でないとこ ろもあるが)で,重いジャズロックって所ですか.とはいえ,簡単 にジャズロックという言葉ではくくれない音楽です.そこが良いと ころですね.


The Cinematic Orchestra [U.K.]

Every Day (2002: Ninja Tune Zen CD59)

cover

フューチャージャズ系の音楽との事で買ってみました.最初はと 盛り上がりのない地味な音楽のように感じましたが,何度も聴いてい るうちに不思議と引き込まれていってしまう,不思議な魅力がありま す.

単調なリズムに黒人系の分厚いエモーショナルなボーカルとエレ クトリックジャズ系の音が重なり,独特のノリと音空間を作り出して います.

エレクトリックなジャズファンにもおすすめ.

(October 28, 2002)


Eela Craig (Austria)

Symphonic Rock (Erdenklang 50832)

2nd(One Niter), 3rd(Hats of Glass) の 2in1 .

ギターを除いて,なかなかシンフォニック・ロックしていますね. ギターが結構笑ってしまいました.One Niterの方で すが,カルロス・サンタナが弾いているのではないかと思ってしまう ほど,似ています.とくにギターソロはそっくり.そこがおもしろい. シンフォニックロックとサンタナ風の音って,不釣り合いに感じます が,なぜかマッチしています.

Hats of Glassは専任のボーカルが 入った分,ギター は目立たなくなってますが,相変らず泣きのギターって感じです.と いうわけで,プログレを数多く聴いてはいないのですが,十分楽しめ, 気に入りました.


Er.J.Orchestra (Ukraine)

Gabrielius

出だしから Pat Metheny + Jan Garbarek と言った雰囲気ではじ まるウクライナのフュージョングループです.とは言っても,それだ けの言葉では語れない繊細で美しい音楽です.

ライナーのメンバー紹介が読めないので,どれだけのメンバーと 楽器が参加しているのか分からないのですが,結構たくさんの楽器が 演奏していると思います.しかし,参加楽器全部が一挙に演奏して重 厚さを出すと言う感じではなく,いくつかの楽器で繊細で美しい演奏 を聴かせた後に,コロッと楽器編成が代わってまた美しい演奏が続く という部分も多く見られました.

例えば,出だしが民族楽器 (?) ではじまるエキゾチックな感じの 演奏で,途中からピアノやリコーダーによる美しい演奏に移行すると いう曲がいくつかありました.そのエキゾチックさとその後の美しい 演奏の変化が,意外な感じをあまり与える事なく,しかし曲がだらだ らとした演奏になるのを防いでいるような感じもします.

ヴァイオリンは独特な演奏で,リコーダーが叙情的な雰囲気を良 く出しているが,ピアノの美しさとサックスの透明感ある美しい演奏 (Garbarek 的) が印象的です.

全体的に叙情的で非常に美しい曲が多く,それにエキゾチックな 雰囲気がオリジナリティを与えています.演奏レベルも文句なしで, 満足の一枚でした.

(June 9, 1999)


Hysteriofunk (Andorra)

random (2002: disconforme sl DISC 1980 CD)

スペインとフランスに挟まれた小国アンドラのフュージョンバン ド.

リズム重視のファンク的な音楽.ファンクをベースにジャズロッ ク,クラブ系,地中海音楽のミックスさせたような音楽です.基本的 に踊る音楽のような感じで,ノリのよいアンビエント的で重厚感のあ るリズムにキーボードやギターが乗っかります.

単調になるのを防いでいるのが,ちょっと泥臭い感じのするパー カッションです.これが非常に特徴的でアクセントになっており,音 楽にメリハリを付けているような気がします.

Soft Machine の曲もなぜかノリのよいダンスミュージックに….:-)

(May 28, 2002)


Iona (UK)

Journey into the Morn (ForeFront/EMD FFD5142)

ケルティックな味わいとポップなロックを融合したイギリスのバ ンドです.透き通るような美しい女性ボーカルがポップで乗りの良い ロックの上に乗っかるような感じです.

アイルランド的色彩を混ぜることにより,ヌケの良さが出ている ような感じで,ある種のふっきれたものを感じさせて,それが爽快な 軽快さにつながっていて,自然にさらっと聴けます.しかも心の中に は十分染み渡る感じですね.

Robert Fripp など意外な有名人も参加しています.そのせいか, 曲によっては長大重厚なプログレ的展開を見せる所もあります.

(June 11, 1999)

Woven Cord (Iona with The All Souls Orchestra) (1999 : Alliance Music 1901802)

1999 年 5 月に IONA 結成 10 周年を記念してロンドンの Royal Festival Hall で行なわれたとか言うオーケストラとの共演ライブを収録 したライブ盤です (というわけで,名義が Iona with The All Souls Orchestra になってます) .

基本的には IONA の代表曲 (?) をオーケストラ向けにアレンジしたも のですが,一部アルバム未収録曲も収録されています.IONA らしさを失 うことなく,オーケストラを導入して,更にスケールアップしたと言う感 じで,ケルト・ロックファンだけでなく,シンフォニック・ロックファン にも薦められるような好作品に仕上がっています.

Joanna Hogg のボーカルも堂々とオーケストラと渡り合っています. 強いて欠点を探すとすると,IONA 独特のスケールの大きいギターをオー ケストラに置き換えたような感じがする所でしょうか.IONA は気持ち良 いほどにギターを弾きまくっていて,聴いていても非常に気持ち良かった ので.でも,そういう部分も顔を出しますので,欠点という程でもないで すね.

今までの IONA ファンも安心してお聴き頂ける仕上がりですね.(^_^)

(December 10, 1999)

Open Sky (2000:Alliance Music 191772)

ライブ盤からあまり間を空けずにリリースされたアルバム.

1 曲目のライブ盤のタイトルとなった Woven Cord で幕開ける,壮大なケルトシンフォニック 作品です.

今までの作品は明るい伸びやかなロック+ケルト色という感じだったのですが,このアルバム ではケルト色がかなり強くなっており,ロック風味のケルトミュージックという感じになっていま す.

ケルト的な静かな演奏に Joanne Hogg の透明感のあるボーカルが絡み,音楽に深みを与える 曲や,インストでケルト色たっぷりに盛り上がる曲など,全体的に Lord of the DanceRiverdanceの音楽の中間のような 音楽です.楽器もアイリッシュトラッドで使われるような楽器が前面に出てきています.

今までのファンにも十分納得できるように仕上げながらも,新しい試みがなされているようで, 今までのファンもケルト系の音楽のファンも必聴のアルバムでしょう.

(June 1, 2000)


IQ [U.K.]

Official Page

The Seventh House (2000: GEP GEPCD 1028)

ストレートでキャッチーなロックサウンドにうまくシンフォニック風味を足したという 感じのシンフォニックロック.それほど重くならないのに,うまくドラマチックな味を出して すかっとヌケが良いのが聴いていて気持ち良いです.

(April 17, 2001)


Karnataka [U.K.]

Official Page

The Storm (2000: Immrama Records KTKCD002)

Iona ファンは必聴という売り文句で買ったので,最初 Iona と比べて聴いてしまって いたのですが,Iona と比べると ケルト風味無し,使われている楽器も特色がないので, Iona 的な見方からすると特色がなくて,どうしても聴き劣りしてしまうのですが,ふと気 づいたのですが,このバンドはそういう点で見るバンドではなさそうなんですよね.

どうしても比べてしまうのが,少し哀愁と漂わせたような泣きのギターを中心とした ロックに透き通るような女性ボーカルが乗る構成だからなのでしょうが,こちらのバンド は女性ボーカルを何度も重ねる事により重厚感と透明感とスケールの大きさを表現しよう としているように思えます.

雰囲気も Iona のようにヌケのよい気持ち良さというよりは,少し内向的な叙情的な 美しさを感じます.ジャケットの雰囲気ともあってます.頭の中に色々な美しいイメージ が浮かんでくるような素晴らしい音楽です.

(January 28, 2001)


Kaseke (Estonia)

Poletus/Sonum (1981,1983 boheme music CDBMR 008154)

エストニアのグループの 81 年の 4 曲入りの EP と 83 年のアル バムからの曲を収録した CD です.

全曲インストで,少しシンフォ色もあるフュージョンという感じ でしょうか.非常に機械的なリズムの上でギターが自在にソロを弾い ているのが印象的です.機械的な部分が,ある枠があって,その中で 精いっぱい演奏しているという印象を受けます.

もう少し枠を取り払うようなワイルドな演奏が欲しいなと思って いたら,5曲目あたりからドラムもぐっと人間らしくなり,ノリのよ いフュージョンという感じになってきます.

EP からの曲はラフですが,かちっとした感じがなく自然体という 感じでより良いですね.フルートが入り,演奏も LP よりは多少ジャ ズ的な要素が感じられるフュージョンになりますね.

一聴するとちょっと違うかも知れませんが,もしかしたら Kenso なんか好きな人に受けるのかも?

(September 19)


Kino (U.K.)

Picture (2005: InsideOut SPV 085-40820 CD+DVD)

  • John Beck (key)
  • John Mitchell (vo, g)
  • Chris Maitland (dr)
  • Pete Trawavas (b)

Marillion, Arena, It Bites 等の参加メンバーの作品.DVD 付です が,DVDはまだ見てません.

このメンバーから想像出来る期待通りのサウンドです.適度にポップ で,計算しつくしたという感じの繊細さとシンフォ的な壮大さのサウンド で非常に気楽に聴けます.

このメンバーだから,余計な凝ったことはせずに期待通りのサウンド をきかせてほしい,という期待を裏切らない作品.

(July 27, 2005)


Lost World (Russia)

Trajectories (2001: Boheme CDBMR 301258)

1996 年結成のモスクワのバンド.

ヴァイオリンやフルートによる室内楽風のダークで攻撃的な演奏 が印象的です.リズムやシンセなんかは制作年よりはもっと古い音の ようなちょっと時代を感じさせるようなチープな雰囲気がありますが, サウンド全体としては全然そういう印象は受けません.逆に曲全体を コンパクトにまとめて,パワーを凝縮しているような感じ.

先鋭的なチェンバーサウンドの合間に時折叙情的な面も覗かせま す.

(April 12, 2005)


Maryson (Netherlands)

On Goes the Quest (1998: WMMS WMMS 200)

Thijs van Leer がフルートで参加しているネオプログレ系シンフォ.確か同じタイトルで絵本だったか本があり,それに対応したコンセプト作だったと思います.

叙情的でポップなメロディと伸びやかなギターが特徴的で気持よく聴けます.Pendragon 辺りが好きな人にはおすすめ.

(April 27, 2004)


Mc Hacek (Austria)

Featuring Ourselves (1999: austro mechana NGE 001)

1997 〜 1998 年にかけて録音されたオーストリアのバンド.ホール ズワースっぽいギターとビブラフォン,パーカッションなどのリズムが 特徴的で Pierre Moerlen's Gong 的なノリがあるジャズロックです. パーカッション,ドラムやビブラフォンなどの打楽器の躍動感と流れる ようなギターが一体感溢れる軽快なジャズロックを演奏していて,かな り私好み.:-)

5 曲目の Donna Lee の演奏が面白くて反則.:-p

ホールズワースファンや Moerlen's Gong ファン,Tribal Tech ファ ンなんかによろしいのではないでしょうか.

(April 1, 2000)


Morpheus (Germany)

Rabenteuer (Garden of Delights CD024)

'76 年に自主製作リリースされた作品らしい.ソフトマシーン初 期のような雰囲気を漂わせる多少重苦しいサックスが特徴的.流れる ような軽快な所がなく,全体的に重く暗い感じがするのがドイツらし いということなのでしょうかね.音は少し古くさいような気もします が,独特の雰囲気があります.


Network (UK)

The Wenlock Record Label

The Bible Says (1989: Wenlock WEN002)

店でマハヴィシュヌ系と書いてあったので思わず買ってしまった イギリスのジャズロック.このアルバムが 1st らしいです.

疾走感のあるドラムと疾走感のあるちょっとマイルスっぽいトランペット にマクラフリン系のギターが絡む,確かにマハヴィシュヌっぽいゴリ押し なジャズロックです.一聴するとライブっぽい荒々しさと緻密さが同居した ような音楽で,勢いがあって良いですね.

多少,一本調子的な所があって,もうちょっとバラエティを出したら よいのに,と思う所もなくはないですが,その勢いで一気に聞けてしまい ます.ちょっと録音が悪いのが残念で,ベースが殆んど聞こえないし,あま り印象に残ってないので,聞こえていたらまたちょっと印象も変わるかも? ドラムはとにかくずっと暴れまくっていて,迫力満点です.

(March 9, 2000)

Corroded Path (1992: Wenlock WEN003)

Network の 2nd アルバム.1st のマイルス系トランペットとギターのイ ンプロヴィゼーションととにかく叩きまくるドラムが特徴で,荒々しく生々 しいセッション音源的なものから一変して,こちらはかなりまとまったフュー ジョン的味わいのある作品となっています.

とは言っても,ドラムは相変わらず叩きまくってますし,ギターは弾き まくっているのですが,録音が前より良いからかもしれませんが,音全体が まとまっているように聞こえます.それに曲も前作よりはメロディ重視とい う感じですね.一般的に受けるのはこちらかもしれませ んが,1st のとにかく激しいソロの応酬みたいなのがちょっと減退した所は ちょっと残念な気もします.あと,トランペットが前作ほど目立たなくなっ たかな.とはいえ,ジャズ的な熱いソロとフュージョン的まとまりが良い所 で釣合をとっているようで,おすすめです.

(March 25, 2000)

Refusal to Comply (1993: Wenlock WEN004)

Network の 3nd アルバム.ついにギタートリオになってしまいまし た.雰囲気としては 1st のセッション的な色がかなり濃いラフな感じ の仕上がりです.

ギター弾きまくりとドラム叩きまくりの勢いで押して行く感じ で,格好良い曲が多いです.その勢いもあって,音は分厚いですね. 1 曲 John McLaughlin (Mahavishnu) の曲をやったりしていて,前のめ りな感じで格好良いです.ギターシンセを使った曲も新たな展開ですね. でも,雰囲気は他の曲と同じ.:-p

数曲はちょっとアヴァンギャルドな雰囲気があって,次作へ繋がる のかなあ (4th はかなりフリーっぽいとか…) なんて思ったりもします.

よく聴いていると,粗さが目立つ部分もあるのですが,そこは Steve 君の叩きまくる迫力でカバーってことで… f(^_^;)

(June 21, 2000)

Precisely the Opposite of What We Know to Be True (1994: Wenlock WEN005)

4th アルバム.相変わらずセッション色の強い作品で,荒削りな がらも勢いで聴かせてくれます.音楽的には 3rd 路線の延長ですが, Hugh Hopper の参加があったからかどうかは知りませんが,更にぐちゃ ぐちゃしたフリーな演奏になっているような気がします.

しかし,相変わらずのドカドカ叩く Steve Clarke のドラムのお かげかそんなにグチャグチャにきこえないですね.ドラムス,トラン ペット中心でギターも一体となってのスピード感溢れる迫力あるジャ ズロックと言った所です.トランペットが特に印象的ですね.

(March 14, 2001)

L.N.C (1996: Wenlock WEN015)

(私の持っているのは WEN 011 ですが,今 Label のページを見るジャケットが変わって, WEN 015 として紹介されています)

Network の 5th アルバム.今までの作品は Tim Crowther と Steve Clarke を中心とした セッション作品という感じだったけど,この作品は Steve Clarke 個人の趣味のセッションと いう雰囲気が強くなっています.というのも Tim Crowther があまり目立たないからですね.

Jan Hammer, Keith More, Tom Coster などの凄腕を集めて作られたこの作品はなんとジャズ・ ロックベースのデスメタル.

そういうわけで,今までの作品を聴いた人に素直に勧める事は出来ないんですが,ジャズ・ ロックにデス声のボーカルが乗っかっているという感じなので,デス声さえ拒否反応がなければ オッケーじゃないでしょうかね.ま,この作品以外が気に入った人で「デス声大丈夫」って人 はかなり珍しいでしょうけどね (笑) .

(January 1, 2001)

Highly Committed Media Players (2001: Wenlock WEN016)

このアルバムの目玉は Larry Coryell と Jack Bruce の参加でしょ うか.Larry Coryell は全曲 (?) に参加しています.

出だしいきなり疾走感あり過ぎのジャズロックな曲で始まります. 格好の良いスピード感溢れるトランペットと他の楽器のすき間ととに かく埋めたいのか? ^^; と思わせるドラムが鳴りまくり,他の誰も曲 についてこれてないんじゃないか? なんて思ってしまいます (そんな ことはないですが) .全体的にこういう雰囲気なのかな,と思いまし たが,さすが Larry Coryell が参加することによって,疾走感の出 過ぎが抑えられ,少し暖かみも加わったような感じになります. Larry Coryell が全体を自分のペースに巻き込むような感じでしょう か.あまり Larry Coryell が目立たない曲では,ひたすら超高速ジャ ズロックが展開される感じですが... (^_^;)

Jack Bruce 参加の曲は 1 曲で,格好の良いボーカル入りのハード なジャズロック+ハードロックという感じで,これも格好の良い曲で した.

全体的にみると,やはりトランペットとドラムが印象に残る格好 の良いジャズロックで,時おり Larry Coryell が存在感を示すとい う感じですかね.

全体的にかなりセッション色の濃い荒削りの演奏なのですが,そ の割に曲はしっかりと骨格があるような気がして,セッション色の強 いジャズロック作品にありがちな,ソロばかり目だって,曲があまり メロディアスじゃない,ってこともない所が結構 Fusion ファン向き かなと思います.

(November 24, 2001)


Neuschwanstein (Germany)

Battlement (Musea FGBG 4063.AR)

ボーカルが一聴しただけで Peter Gabriel 風だと分かる Genesis フォロワーなバンド.他ももちろん Genesis 風ですが,アコースティ ックギターとフルートがオリジナリティを出していて良い雰囲気です. ボーカルとフルートが絡む 1 曲目は,叙情的な味わいと独特の軽快 感があって,Camel 風でもあり,Genesis 風でもあるようで,所々現 代的なポンプ的な所も顔を出したりして,なかなか多彩で,繊細な所 もある好作品です.カラフルなキーボードもいいですね.

(October 15, 1998)


Protocol (UK & USA)

Force Majeure (1993: EFA CD 89021-2)

熱い演奏の中にも落ち着いた雰囲気をも感じさせるライブ盤. Simon Phillips のソロ作品と同じ雰囲気の演奏です.各メンバーの 魅力を存分に楽しめるスリリングなジャズロック作品.

(December 12, 2003)


Rousseau (Germany)

At the Cinema (2002: Musea FGBG 4436.AR)

87年の再結成後 14 年振りの 4th .ほわーっとした感じのエッジ の取れた感じの心休まる曲が特徴的です.

この手の音楽は,曲自体はプログレとは言えなくて,どちらかと いうと曲の構成などによってプログレにカテゴライズされる事が多い ような気がしますが,このアルバムに関しても同様で曲によってはプ ログレかどうか怪しい曲もありますが,壮大なスケール感のあるギター ソロなんかを聴いていると,やっぱりプログレだな,と感じさせてく れます.

(February 12, 2003)


Squre One (U.K.)

Round One (2002: Freerange Records FRCD6)

この分野はよくわかりませんが,ハウス/テクノ方面のバンド(?) だと思います.

どうやら Freerange 系と呼べるサウンドがあるらしく,このサウ ンドはまさにその路線ストライクとの事.

非常に落ち着いた感じの「大人の音楽」という雰囲気を漂わせた ハウスサウンドで,しかしなぜかファンキーな雰囲気も同時にあわせ 持っています.フュージョン的なノリやフュージョン方面の影響も感 じられ,なぜか聴き入ってしまいます.

(September 29)


Tribu (Holland)

Tribu (Label Musivi MJB 009 CD)

オランダ拠点で活動しているバンドとのこと.CD 自体はフランスリリース.

分厚いブラスの音が特徴的ですが,それがこの少人数から生み出されていると いうのが驚きです.音楽的にはアヴァンギャルドな雰囲気と整然とした雰囲気 が同居しているジャズという感じで,変則的なリズムとギターのうにょうにょした プレイから来るうねりもあります.ティポグラフィカの音楽を渋さ知らズが演奏 したような雰囲気もちょっとあるかな (あくまで曲によってちょっとですが) .

(January 31, 2002)


Trigon (Russia)

Free Gone (boheme music CDBMR 912115)

ジャケットに“Art Jazz-folk Trio”とあるロシアのヴィオラ, ベース,パーカッションによるバカテクジャズトリオ.ヴィオラはク ラシック畑の人らしいです.

Art Jazz-folk という言葉がぴったりな音楽で,本人達は「ジャ ズ,フォーク,シンフォニック,ロックの要素をたしたような音楽」 と言っているようです.全てアコースティックな楽器で,驚くほど ( 一つまたは複数の) 楽器をよく操り,非常に多彩な音を出しています. 一つの楽器からも驚くほど色々な音色が飛び出して,とても 3 人か ら出てくる音とは思えないほどの迫力です.

音楽的にはアヴァンギャルドな香りのするオリエンタルなエキゾ チックさを持つジャズという感じでしょうか.フリーな雰囲気もあり ます.非常にカラフルで先の読めない音楽という感じでとても楽しめ ます.

(September 10, 2000)


ΣΕ ΑΛΛΟΥΣ ΚΟΣΜΟΥΣ (Greece)

ΣΕ ΑΛΛΟΥΣ ΚΟΣΜΟΥΣ (Minos EMI 7243 4 80821 2 1)

専門店でギリシャのシンフォと書いてあったので買ったアルバム ですが,ちょっと違って,非常に民族音楽的な味わいのある,ローカ ルなロックという感じでした.ただ,ギリシャの民族音楽がどんなも のか知らないので,全くはずしているかも知れません.(^^;

まず,全体的には,国内向けのラジオ放送を聞くと流れてきそう な感じの曲です.地中海音楽とアラブ世界音楽とブルガリア民謡を混 ぜたような感じがしたので,地理的に見ると,これがギリシャの民謡 風なのかな? と感じたのでした.はっきり言って,ギリシャの B 級 ロックというのがぴったりです.リゾートホテルに泊ったら,レスト ランで生演奏してないかしら? って感じですね.:-) プログレ色はあ まりないといっても良いと思います.

別にけなしているわけではなくて,バイオリンとかがなんともい えない味わいを出していて,いい感じです.あと男女混成のコーラス とかいいです.たまにアメリカのカントリーミュージック風じゃない か? というような曲があったり(Dregs 聴いているのかと思うような), ロックンロールみたいな曲があったり,いきなりボーカルが変な声で 歌っていたりして笑えたり.

というわけで,なかなか聴いていて楽しい,ギリシャの B 級ロッ クでした.強いて言うなら,ギリシャのフォーク系プログレかしら? (^^; 本人たちのプログレの自覚のない.

ジャケットその他,ほとんど全部ギリシャ語なんで,何人編成な のか,全然わかりません.(^^; どうも,人名と楽器の種類が書いて ある部分が2 箇所ありまして,全部あわせるとかなりの人数です.が, そんなにたくさんで演奏しているような曲でもないので,ゲストがた くさんなのかな?とか想像したり.2 箇所にわけて書いてある(ような 感じ)だし.


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