「レゴラス、わたしのエルフ」
呼べば振り返るわたしのエルフ。白金の髪を揺らせながら。常盤緑の瞳を、輝かせながら。
わたしだけのエルフではないけれど、あれは、たしかに、わたしのエルフ。わたしたちのエルフ。
どんなに旅がつらくても、ただひとり、朗らかに、彼は舞うように美しく歩く。遥か彼方を指差してみせ、人の子たちを、ホビットたちを、ドワーフを、そして時にはイスタリさえも、励ましてそして立たせてくれる。
わたしに流れるエダインの血が、わたしにそっと囁いてくれる。彼を放してはいけないよ、と。旅の先の泉のように、故郷に満ちる大気のように、彼をいつくしみ続けるが良いよ、と。
だからわたしは彼に言う。綺麗だ、好きだ、傍にいろ。わたしのエルフ。わたしたちのエルフ。
自分でも、時々、おかしいのではないかと思うほどに。彼をいとしく。彼を含めた、旅の仲間をいとしく思う。人間の尺度では、決して短いとは言えない生涯の中で、やっと見つけた、……「仲間」というものが。
この気持ちは彼に伝わっているだろうか? そう案じて彼を見て、そして、わたしは安心する。
あの常盤緑が、わたしを見つめている。
あなたたちを、見ているよと。あなたたちを、見届けるよと。あの常盤緑が、わたしに笑う。はれやかに。悲しみと喜びをないまぜにした、エルフ特有の星の瞳。
あれはわたしの緑の星。
あれはわたしの緑の家。
そう、出会ったその時から知っていた。
あの瞳に、わたしは永遠に還るのだと――