TopPage  Back


「惑星」の副産物その1

I Vow To Thee, My Country

(98/8/4掲載)


 ダイアナ元妃が亡くなって間もなく1年を迎えようとしています。つい先日もダイアナさんのお墓のそばで行われた「トリビュート・コンサート」の模様がTVで放送されましたよね。
 ダイアナさんといえば、以前の「かいほうげん」にも書いたように、お葬式の時に歌われたホルスト作曲の聖歌
"I Vow To Thee, My Country"の強烈な印象は今でも忘れられません。この曲は、1916年に完成した組曲「惑星」の4曲目「木星」の中間部のメロディーに歌詞を付けて、1918年に聖歌として発表されたものです。その際に歌詞として選ばれたのは、セシル・スプリング=ライスという人の詩でした。

sound

楽譜

 この詩を書いたサー・セシル・アーサー・スプリング=ライスという方は、実は第1次世界大戦の頃に外交官として活躍していた人物で(日本に来たこともある!)、書簡集なども出版されているようですが、もちろん本職の詩人ではありません。彼自身は1918年には亡くなっていますので、この詩はもっと以前につくられたものなのでしょう。(その辺についてはあまりはっきりしていません。)
 さて、その詩ですが、今回じっくり読んでみたところ、どうも「お国のためにすべてを捧げましょう」みたいな低次元の愛国心がミエミエで、メロディーの壮大さとはちょっとちぐはぐな印象を受けてしまいました。しかし、それに反して「2番」の歌詞で「もう一つの国」として、ある種の理想郷を描いているのには、興味を惹かれます。おそらく、このあたりがホルストの心の琴線に触れたのでしょうし、自分の結婚式やお葬式にまで使わせるほど、ダイアナさんにも好まれた理由なのかもしれませんね。
05/5/29 後段の一部を書き直しました。Tempelhofさんの示唆に富むご指摘に感謝します)

 TopPage  Back

Enquete