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00/8/25作成)

[ロッシーニの作品表]


 ジョアッキーノ・ロッシーニ(17921868)は、その生涯の前半の20年間に40曲ものオペラを作曲したあとは、オペラの世界からはきっぱり足を洗ってグルメ三昧に明け暮れたという、信じられないような人生を送った天才作曲家です。
 作品リストでご紹介するのが、その全作品。この中の何曲かは序曲だけが良く演奏されますが、オペラ全体となるとなかなか聴く機会は少ないのではないでしょうか。事実、ちょっと前までのオペラ業界では、ロッシーニといえば「セヴィリヤの理髪師」に代表されるようなオペラブッファの作曲家という、軽いイメージが主流を占めており、その他の作品は完璧に忘れ去られていたのです。

 ところが、最近になってその辺の事情が一変してきます。ロッシーニの生誕地ペーザロでは、1979年から「ロッシーニ・オペラ・フェスティバル」という音楽祭が開催されるようになり、楽譜の校訂も含めて、埋もれていた作品に光を当てる作業が体系的に行われた結果、今まであまり省みられることのなかったオペラセリアの分野での傑作が次々と紹介され、この作曲家の真の姿が明らかになったのです。
 録音の方でも、イタリアのBONGIOVANNIというレーベルからはロッシーニの全作品のCDがリリースされており、その気になれば何だって音を聴くことができるようになってしまいました。

 ここでは、作品表を見ながら(ここをクリックすると、新しいウィンドウが開きます)、ロッシーニのオペラのさまざまな様式についてお勉強してみましょう。

オペラセリア

もともとは、18世紀前半のイタリアで主流を占めていた様式です。「真面目なオペラ」という意味が指し示すとおり、主に古代ギリシャやローマの英雄劇が題材として用いられました。音楽的には、技巧を駆使したアリアと、物語を進行させるレシタティーヴォから成り立っています。レシタティーヴォにも、通奏低音だけの伴奏の「レシタティーヴォ・セッコ」と、特に感情を盛り上げる場面で使われる、オーケストラ伴奏のついた「レシタティーヴォ・アッコンパニャート」の2種類があります。ロッシーニの時代になるとレシタティーヴォ・セッコは殆どなくなり、レシタティーヴォ・アッコンパニャートから発展した「シェーナ」と呼ばれる部分が多くなってきます。

オペラブッファ

オペラの市民階級への普及に伴って、18世紀後半に盛んになった「こっけいなオペラ」。一般市民の生活が、面白おかしく、時には風刺を交えて描かれます。アリア、重唱、レシタティーヴォ・セッコで音楽が進行します。

セミセリア

オペラセリアとオペラブッファの中間的なもの。物語はブッファ的ですが、音楽はセリア的にレシタティーヴォ・アッコンパニャートが多用されます。

グランドオペラ

19世紀初頭のパリで確立された様式。バレエや合唱を多用し、さまざまな点で大掛かりなものになっています。


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