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00/7/20作成)

00/8/1掲載)

[ラ・ジョコンダのディスコグラフィー] [「ラ・ジョコンダ」のあらすじ]


 今度の定期演奏会の曲目に決定した「時の踊り」は、とても有名な曲。なんといってもこの曲のポピュラリティーを決定づけたのは、60年前に作られたディズニーアニメの「ファンタジア」でしょう。この中での象やカバのユーモラスなバレエや、ワニの不気味さは非常に印象的でした。
 さらに、最初に出てくるテーマはポップスにアレンジされ、"Like I Do"というタイトルでヒットしました。さらにこれを「レモンのキッス」という邦題でカバーしたのが、ザ・ピーナッツです。(知ってます?ザ・ピーナッツ。今で言えば、宇多田ヒカルと倉木麻衣というそっくりさんが組んで、ヒットを飛ばしつづけた二人組み…ちょっとちがうか。)
 ザ・ピーナッツがこういう事をやったのはこれが初めてではありません。デビュー直後には、ベートーヴェンの「エリーゼのために」が元ネタの「情熱の花」というのがはやりましたよねぇ。(と言われても、リアクションのしようがないか。)
 そんなわけで、この曲自体は非常に良く知られているのですが、正式なタイトルを見てみると、ただの「時の踊り」ではなく、「歌劇『ジョコンダ』より『時の踊り』」と、何か余計なものがくっついていますね。そう、この曲は、イタリアのオペラ作曲家アミルカーレ・ポンキエルリ(1834-1886)が1876年に発表した「ラ・ジョコンダ」というオペラの中のバレエ音楽なのです。
 ものの本には、このオペラは現在では忘れ去られて「時の踊り」だけが有名になっているなどと書いてありますが、それは大きな間違いです。こちらを見るとお分かりのように、ビデオも含めて15種類の音源が簡単に入手できるのですよ。ついでですから、あらすじもまとめてみました。もし機会があれば、この複雑にからみ合った人間模様から生まれる救いようのない悲劇を味わってみて下さい。そうすれば、今のテレビドラマの理不尽で無茶苦茶なプロットの設定は、実は昔からあったものだということが良く分かることでしょう。
 ちなみに、「時の踊り」は第3幕の第2場で演奏されますが、これは当時の習慣でバレエの場面が必要とされていたために作られたもので、物語の進行とはあまり関連性はありません。ただ、現代の演出家は、この無意味な場面に何とか必然性を持たせようと、いろいろと小細工をほどこしているようですがね。

[ラ・ジョコンダのディスコグラフィー] [「ラ・ジョコンダ」のあらすじ]



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