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〔045〕 珠海での集団買春事件をきっかけに広がる対日強硬論
【2003/10/02】

 「日本の買春団がこともあろうに、国辱の日に珠海へやって来た」(珠海:国辱日竟来了日本"買春団")

 中国共産党の青年組織・共産主義青年団の機関紙『中国青年報』が9月26日に報道した記事を発端に、日本人団体旅行客による集団買春行為が厳しい批判にさらされている。9月16日から18日にかけて、400人ほどの日本人が広東省珠海市のホテルに多数の女性を連れ込んだとされる事件だ。

 「中国女性と遊ぶために我々は来た!」("我們就是来玩中国姑娘的!")

 日本人の発言を引用する記事は各紙に転載され、『人民日報』も報道。同紙は珠海市や広東省政府が調査に乗り出したと報じ、中国外務省は「日本政府が日本国民への教育を強化する」ことを要望した。

 日本研究を専門とする中国人研究者は「報道が事実だとすれば、日本人の今回の行為は軽率すぎる。日本の中国東北部侵略のきっかけとなった柳条湖事件72周年、つまり国辱の日をはさんで事件が起きたために中国人が敏感に反応していると考えるのは的はずれで、根はもっと深い」と警告する。

 インターネットでは、日本人をののしるときに使われる「鬼子」や「小日本」という言葉が飛び交い、反日感情が渦巻いている。

 「日本のやつらは世界の癌」、「中国人ホステス無罪、くたばれ日本人」という罵倒に始まり、今年9月から日本人の中国への入国ビザが廃止されたことに言及し「ビザ免除で日本の侵略者どもが中国へ簡単に潜入してきた!」、「日本人への中国入国ビザ免除の取り消しを強く要求する」と、中国政府の方針に反対する意見も出た。

 中国人学生による福岡の一家殺人事件で日本の警察が中国入りしたことに触れ「日本人は中国人よりも上なのか? 日本の警察は中国にまで追求しに来たが、中国は国内での日本人の犯罪行為に対し何らなすべき術がない」と、日中間の動きも批判の対象となっている。

 中国を訪れる日本人は年間250万人、外国人入国者数の第1位を占める。第2位の韓国人の1・4倍に相当し、飛び抜けて多い。それだけに、中国で外国人といえばまずは日本人を意味するという中国人もいる。

 この中には、物価水準の違いからカネにあかして派手な振る舞いをする日本人もいて、日本人に反感を持つ中国人が少なからずいる。日本人と仕事上で付き合う人物の中にも、日本人は中国人女性を遊びの対象としか思っていない、日本の大学にも合格できない連中が留学生として中国へやって来ると、露骨に批判する。

 北京のテレビ局で報道番組に携わる一人は、「日本で問題を起こす中国人を通して日本人が中国人像をイメージするのと同じように、中国人も中国国内での日本人の振る舞いから日本人像を意識する」と、今回の問題による余波を懸念する。

 一般の中国人の情報入手手段は限られているだけに、口伝てで情報がとんでもない噂に変わって広がる危険性がある。すでに不確かな情報も多く流れ、集団買春をした会社だとして社名や住所、メールアドレスなどが北京や上海などでも語られている。

 10月1日、54回目の国慶節を迎え、愛国者を名乗ったり抗日を訴えるサイト、あるいは日本人を豚に見立てて対日強硬論を展開したり、尖閣諸島(中国名:釣魚島)を中国領土と唱えるホームページではとりわけ激しい日本批判が飛び交っている。


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