アレキサンドリアからのメッセージ

大家がアレキ滞在時に大学の研究室に送ったメール
1998年7月

 
みなさん、ごぶさたしてます。

こんにちは、かわまたです。どうにか元気にやっ

ております。9月の後半に京都に戻り、おいしい日本食、

文化的な環境にどっぷり浸かれるかと思うと、いやあ、お

かしなアラブのおやじ達も許せるというものです(すごい

不遜)。
 

先日は髪の毛が収拾がつかなくなったので床屋へ行って

きました。今まで行っていたセシルホテルの中にある床屋は、

親爺が糖尿病で長期入院していて、帰ってきたのはいいの

ですが、腕がぶるぶる震えていてちょっと怖いので、町の

中の別の床屋に行く事にしました。前回行った時は、その

町の床屋は不衛生(タオルが黒く、そして臭い)だけど腕

は良く、素早かったので、また行くことにしたのですが、

今回は前に私の頭を刈ったお兄ちゃんがいない!で、

見るからに変な兄ちゃんに髪を刈られることに、、、、
 

髪型の指示も大切なのですが、もっとも大切なのは「カミソリ

を使わせない事!」。エジプトのデルタ地帯は世界一のB型

およびC型肝炎(なんと場所によっては30%!!!)の感染

率を誇る危険地帯!感染力もHIVの比ではない!その上、

カミソリはディスポであるはずもなく、また床屋のお兄ちゃん

には消毒の概念もない。さらには、彼らはムチャ「不器用!」

肝硬変や肝臓ガンになって死にたくはありません。
 

私は「NO RAZOR」「NO RAZOR」と二度繰り返す。「分か

った」とうなずくお兄ちゃん。本当に?
 

で、そのお兄ちゃんは私の首にまずはトイレットペーパーを

グルグルと巻きつける。いいけど、、、これくらい、、、日本で

やられたら怒るけど(しないか、誰も)、、、
 

座って髪の毛を切られていると、うつらうつらしてくる。ふと、

鏡を見ると兄ちゃんはカミソリをもって私のもみ上げに取り

かかろうとしているではありませんか!
 
 
 
 

(中略、悲鳴と罵声)

 
 

で、気を取り直して座って再びまかせていると、後ろの方

を刈り終えたお兄ちゃんは何かまたごそごそやっている。

次の瞬間、私が鏡の向こうに見たものは、カミソリを振り

上げて私のうなじに取り掛かろうとする彼の姿!!
 
 
 
 
 

(中略、悲鳴と罵声)

 
 
 

その後も、怪しいポマードを塗りたくられそうになったり、

いやはや大変でした。横にいる客は「なんだ。こいつは?

カミソリがこわいのか??」と馬鹿にした表情。いいけど、、
 

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