アレキサンドリアからのメッセージ

大家がアレキ滞在時に大学の研究室に送ったメール
1998年7月

 
その翌日は、アパートに衛星放送のアンテナを引く為に

「技術者」がやってきました。(私は要らなかったのです

が、大家が次の借り手に吹っかけるために入れたかっ

たらしい)
 

サンダル履きの「技術者」はドライバ一本でほとんど

「手ぶら」でやってきました。子供がついてきたけど。

彼は私にナイフはないか?と聞き、私が「なんで??

ナイフ?」と言ってると、こいつナイフも知らないのか?

といった表情。そういう問題じゃないんだけど、、、しょ

うがなく台所から出刃包丁を持ってくると彼は「これだ

よ!これ!」と、それで同軸ケーブルの切断を始めま

した。いいけど、、、日本だったら怒るけど、、、
 

取り合えず、ラインが部屋に来た時点で、私は「私も技

術者。チューナーとかのセットアップはこっちでやるから

(さっさと帰って)」と言って彼を追い出しました。彼に私

のテレビを触らせるのは危険!彼はいかなるコネクター

も持ってきていない(ペンチもナイフももってないんだか

ら)。という事は多分テレビのアンテナ端子にむき出し

の同軸ケーブルの銅線をそのままねじ込んだりするは

ずだから、、、で、テレビにとりあえず画像が映ると「ど

うだ!おれってすごい」とかやるんだろうなあ、きっと。

そんなの見たくないので、気の毒だけど強制排除。あ

と彼が持ってきたのは緑色のビニールテープ。これで

彼は廊下に宙ぶらりんになっているアンテナコードを

壁に付けようとするのだけど、、、付くわけがない。で、

いまでも、アンテナコードは私の玄関から廊下の真ん

中までぶらーんとぶら下がっているのです。でも、誰も

文句を言わないので、それで良いのでしょう。

では、またね。



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