イスローさんのアレクサンドリア一人旅

ハワイで謎のエジプト人マグディに出会う
甘く危険な香り 

 エジプトなんて全然興味のない国の一つだった。そんな私がなんでエジプトに行くことになったのか、そこから話を始めなくてはならないと思う。

 5月の初めから6月の中旬まで出張で約1ヶ月半ホノルルに滞在した。

仕事場はホノルル空港だったので毎日空港とコンドミニアムとの往復には、あるシャトルバス会社と契約して送迎をしてもらっていた。

 そのバスの運転手にやたらと話好きなエジプト人がいて、最初は適当に世間話につき合っていたのだが何度も食事に誘われた。

 もちろん断った。

 でも、断ると「WHY?」って何度も聞かれるし、「なんか用事があるのか?」あげくに「じゃあ木曜の6時半ね」って勝手に押し切られてしまいとうとう食事に行く羽目になった。

 でも、一緒に食事をしてみるとけっこうユーモアもあり優しく「絶対だまされないぞ」って警戒して行った私は「なんだ、いい人じゃん。」と態度軟化。以来、このエジプト人マグディとのつきあいは始まった。(写真はマグディ。笑顔も濃いぜよ)

 マグディはエジプトからホノルルに働きに来て7ヶ月程経っていた。中東からホノルルに働きに来ている人は多くなく、そういう人達は中東コミュニティーを作っていて、互いにケータイでうるさいぐらいに連絡を取り合ってしゅっちゅう集まっている。

 エジプト、ヨルダン、イスラエルなど、私には遠い遠い国の人達ばかりだった。

 ここに日本人の私が友達の仲間入りをしたわけで、それはもう毎日のように食事を共にし、次第にこの中東コミュニティーにどっぷり浸かっていった。特にマグディーは運転手だった関係もあって、毎日顔を合わせいろんな事を話し、私が高熱を出し寝込んだときには料理まで作ってくれるなど本当に仲の良い友達の一人だった。

 でも、このマグディは運転手が本業ではなく、エジプトでは工具を輸入して販売する店を持っているらしく、「運転手はお金を稼ぐために、兄の経営するバス会社で一時的にやってるだけ」と話し、見かけによらず実業家か??と匂わせるところもあった。
 

私:「ふーん、エジプトね?。あんまり興味ないけど、ピラミッドとかあるんだよねー。」

M:「オレはカイロじゃなくてアレクサンドリアって所に住んでいる。アレクサンドリアはビーチの綺麗なそれはそれはいい所なんだよ。」

私:「へー。エジプトにビーチなんてあるんだ。えー!地中海なの?じゃあ、行ってみようかなあ。」

M:「8月から10月までエジプトに帰るんだ。オレはアパートも持ってるからそこに泊めてあげるよ。」

私:「ホントー?じゃあ、行くよ。」


 遺跡にも歴史にも特別興味のなかった私だけど、昔から人間にはとても興味があった。

 特に異なる文化をもつ者同士の人付き合い、異文化間コミュニケーションっとかいうものには、自身の好奇心も手伝って興味津々だった。

 ホノルル滞在中に中東友達の間で過ごしてみて、「なんで??」っていうクエスチョンマークがたくさん出てきた。考え方や行動に私たち日本人には理解しがたいものがあったり、また、イスラムについての話も私にとっては初めての体験であった。そうするとますます自分の目で中東の人の暮らしを覗いてみたくなった。一人だったら恐いけど、マグディがいればいろいろ連れて行ってくれるだろうし、危険な目にも遭わずに済むだろうと思った。

 カイロ行きのチケットを購入し、早速マグディに電話した。「たった、10日間かい?1ヶ月や2ヶ月居てもOKだよ。」と言ってくれた。なんて、優しいんだろう…。

 行くと決まったら、「アレクサンドリアってどんなとこなんだろう?」っていう疑問が湧いてきた。「そうだ、インターネットで調べてみようっと。」ということで、「アレクサンドリア」と検索したら、「アレクサンドリアに愛を込めて」というHPが出てきた。「ふーん。協力隊の人のページなんだー。」「わー!綺麗な街だー!」、日記や月報も楽しく読ませて頂き(よいしょ、ありがとうございます。:大家&コーヘー)予備知識をゲットし、私のアレクサンドリア滞在はさぞ素晴らしいものになるに違いない。と確信して旅立つことになるのでした。

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