ブータン難民キャンプ・ルポ

UNHCRの研修で現地に行くことができました


難民て、あまえてる?

 研修参加者は、難民キャンプにいる間中、毎日毎日、難民たちから「日本からきたおまえは何かができるはずだ。どうにかしてくれ」と訴えられ続けた。そのため、自分たちが役立たずで足手まといの食客であることを忘れ、「彼らはあまえている。もっともっと厳しい状態の難民キャンプがほとんどなのに。ブータンの専制的な王制を自分たちで倒すぐらいの気概が欲しい」なんて過激な意見が出る始末。

 難民はなにも特別政治的な人がなるわけではない。「自分が難民になるなんて思ったこともなかった」人々なのである。

 ブータン難民はほとんど農民であり、土地を耕して、これまで暮らしてきた人々だ。難民キャンプには耕す土地はない。他に生活の手段を持たない彼ら(彼女ら)にとっては、自分の土地、自分の国に帰る以外に他に道はない。私たちが出会った難民の人々はネパールでの定住を望まず、あくまでも祖国ブータンに帰るのだと強く訴えた。あまりに統制された答えなのでかえって不審に思われる程だったが、それがやはり本心なのであろう。

  
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