ブータン難民キャンプ・ルポ

UNHCRの研修で現地に行くことができました

歌と踊りのキャンプ行脚

 さて、私たちが診療所まわりをしていたころ、他のメンバーはなかなか大変なようだった。特にCARITAS(キャンプ内の公教育を行っている)に配属された鉄道運転手と大学生は、各キャンプの学校めぐりをし、それぞれの教室で日本の話をして、日本の歌を唄い、ときには日本の踊りをおどり、さらに生徒からの厳しい質問「日本は、あなたは、私たちのために何をしてくれるのか?」にさらされていた。難民にしめる子供の比率は高く、教室、教師とも不足しており、学校は1日3回の入れ替え制で授業をしている、それらのひとつひとつの教室を巡ることは、質、量共に大変ヘビーな作業である。鉄道運転手は日に日にやつれていった。

 また食料配布などを受け持っているネパール赤十字に配属された銀行員、不動産会社社員、2人の学生たちは、米や小麦、豆の配布伝票などの非効率なシステムに悩まされながらも、各キャンプをまわっていた。しかし、難民はキャンプの外での仕事が禁じられているため、人々に仕事を与えることが必要で、非効率で人手のかかるシステムこそが求められていることを、徐々に実感してゆくのであった。

 OXFAMに配属された2人は、成人に対しての非公的教育(識字教育)や職業訓練(毛布やショールを作っている)に参加していた。

 残りの1人、テレビのレポーターはUNHCRに配属されビデオ撮りに各キャンプを走りまわっていた。

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