はぜ 爆釣編 2002
週間釣りニュースを読んでいたら、隅田川につながる運河で
はぜが 快調に釣れているとの報。数時間で100匹以上上げたと筆者のリポート。
よし、はぜ釣り入門は今しかないと、キス竿を愛車に積み込みいざ出陣!
平成14年9月8日 大潮。台風一過のまっさおな空を仰ぎ見ながら
めざすは、東京都中央区南部、隅田川河口の月島運河。
途中、最寄の釣具屋でえさのイソメを2パック買いこんだ。
店の親父さんに釣れそうなポイントをたずねると、主いわく
「昨日の雨で 水位がかなり上がっちゃったから、魚がみんな浮いちゃってるわ」
「浮くとどうなるんです?」
「まあ、釣れないね・」
えさの代金はもう払ってしまった。とにかく、教わった釣り場を検分と、一路運河へ!
見ると、誰も釣れていない。
「朝から来ているのにさっぱりだよ・・」 地元の常連さん達がこぼしている。
足元に積もったタバコの吸殻がせつない。
岸辺からのぞきこむと、見える見える。
7,8cmのはぜが、水面に群れをなしてただよっている。
これでどうして釣れないのか!?
水中の酸素濃度が薄くなったため、浮いてくるらしい。
成る程、仕掛けは底べったりに這わせてある。それじゃ、釣れっこないではないか。
それならばと、天秤おもりをはずして、針をはぜの水深にあわせて、たらしてみた。
なにしろ、すぐそこに見えているんだから。
水かさが増してくるにつれ、はぜの群れが更に岸寄りに打ち寄せられてくる。
でも、 かからない・・・
4時を回った頃、屋形船に客が集まってきた。みんな、釣れたてのはぜの天麩羅で、一杯やろうという趣向なんだろう。
2艘の船頭さんが小声で交わした言葉を、僕は聞き逃さなかったよ。
「おい、どっかから魚を買ってこいや」
「すくっちまった方が早いな、こりゃ。ハハハハ」
そうか!いっそのことすくっちまえばいいんじゃないか。
僕は、釣具屋へとってかえすと、柄の長い網を700円で購入した。
あるじは怪訝そうな顔で僕を見送った。
恥ずかしいので、なるべく釣り人の少ない護岸に移動する。
尤もこの頃には、おおかたの釣り師は見切りをつけてひきあげていたけど。
網の先を底につけて、そのまま一気に、10mほど岸辺をひきずる。
ずっしりと網が重さを増し、柄が弓のごとくにしなる。
最初、ヘドロの重みかと思った。折れないようにじんわりと持ち上げてみると・・