旅行(釧路エリア)
 

釧路駅(昭和58年)

はじめて釧路を訪れたのは小学校の修学旅行である。当時の修学旅行は私の通っていた富士という所と川西、別府という所の3校が合同であった。
行き先は釧路と摩周湖・川湯方面であったと記憶している。

当時はまだSLが全盛の頃であり、トンネルに入る前は必ず窓を閉める必要が有った。そうしないと煙が入ってきて真っ黒になってしまうからである。
シートも今のような物ではなく背もたれは木製で直角,窓枠も木製、冷房は扇風 機という時代だった。

釧路は霧で有名な街だが、この時も曇っており摩周湖は雨で何も見えなかった...  

泊まりは川湯温泉だったが旅館の名前も覚えていなければ土産に何を買ったかも忘れてしまった。
覚えているのは屈斜路湖の湖畔の砂湯くらいのものである。『クッシー』という怪獣が住むとかいわれる屈斜路湖(クッシャロ)だが当時はそんな言い伝えもなく、広い湖だなと思った程度である。
むしろ、それよりも『砂湯』という、湖畔の砂を掘るとお湯が出るという方が不思議でならなかった。
(湖の水は冷たいのに、お湯が沸いているので...)

川湯は硫黄山にも行った、ここは文字通り硫黄が吹き出している山であり硫黄の臭気が鼻をつく。
温泉タマゴを売っていた記憶があるが硫黄の臭い以外に、これといった思い出は無い。

釧路は埼玉に移り住んでからは阿寒・摩周への入り口として泊まっただけで町を散策したことは少ない。
駅前に有る「釧路東急イン」を利用した。幸町公園という所に行った記憶がある。小高い丘の上で釧路の街が見下ろせる場所に石川啄木の歌碑(「しらしらと氷輝き千鳥鳴く釧路の海の冬の月かな」)が有ったと記憶している。


釧路市・米町公園の「石川啄木」像

それから資料館のような所に行き、ここではアイヌ民族の資料や大王イカの剥製を見て、大王イカはその大きさに驚いたものである。(小学校の修学旅行)

再び釧路を訪れたのは昭和55年のことである。釧路の街自体は東急インに宿泊しただけで米町公園?という所 に行っただけである。
翌日は阿寒に向かう観光バスに乗って丹頂鶴の公園等に寄りながら阿寒湖を目指した。
(阿寒パノラマコースという定期観光バスで市内は通常の路線バスだが、市外に行くと主要な観光スポットに停車し下車して観光が出来るというもの)途中には釧路空港や「タンチョウ」鶴の見られる公園が有る。


釧路・「鶴公園」のタンチョウ鶴。

阿寒湖のバスターミナルに到着し、まずは阿寒湖畔に有るビジターセンターという所に行く。入り口に大きな熊の剥製が置いてあり、こんなのに襲われたら助からないだろうと思う。
水槽には阿寒湖名物のマリモ(もちろん天然 物)が置いてある。
マリモは遊覧船に乗って向こう岸の忠類(ちゅうるい)という所まで行かないと見られないそうである。ちなみにマリモは特別天然記念物であり、取ってはいけない。 テニスボール程度の大きさになるのに何十年という歳月を要するそうであり、世界的にも珍しい物だそうである。
珍しいといえは十勝川温泉の植物性モール温泉というのも世界に数カ所しか無い珍しい物だそうだが、これは蛇足な話。

阿寒湖畔には『ボッケ』と呼ばれる泥の火山が有るとのことで見に行くと、たしかに小さいが遊歩道の脇に有る。
見たことの無い人に説明するのに適当な例えとしては、ご飯を炊く際に煮たってくると空気が抜けるが、まさにあの感覚である。
煮える時にグツグツいいながら水分が蒸発して穴が開く、そういった状態である。  


阿寒湖畔に有る「ボッケ」
摩周湖
阿寒湖から摩周湖へ向かう定期観光バスの関係で阿寒湖では土産物を買った程度で、引き上げる。
摩周湖は第一と第三の、2個所に展望台が有る。季節のせいか霧も無く摩周湖を見渡すことが出来たが、霧の無 い摩周湖というのも風情が無いものである。
噂によると晴れた湖面を見ると婚期が遅れるそうであるから独身の人 は気をつけた方が良いかもしれない。(^^;)

このバスで川湯駅から釧路に戻るつもりでいたのだが、「駅入り口」というアナウンスが有ったので「駅」か「駅前」というのが有るはずと思って乗っていたら硫黄山まで行ってしまい、最終的に川湯温泉ターミナルまで連れて行かれてしまった。
オマケに駅に行くバスは1時間も無く、何も無いバス停で待つ羽目になってしまった。

これを2回もやってしまったのだから間抜けな話しである。しかも2回目は弟と一緒だったが川湯駅の前で夕食にカツ丼を頼んだら、なかなか出来てこなくて慌てて掻き込み飛び乗った。
後で弟にラーメンにしておけば良いのに変な物を頼むからだと言われてしまった。
しかしノンビリしていたら釧路行きの最終列車に乗り遅れるところだっただ けに危ういところだった。


阿寒バスの「阿寒パノラマコースの乗車券」(昭和58年5月)

こうして無事に釧路からは急行の「まりも」というのに乗って札幌に向かう。1両だけが寝台の車両である。
目覚めれば札幌というわけ。それにしても釧網本線の川湯-釧路間の終電車の早いこと。乗り遅れたら川湯温泉で泊まるか網走方面に出て迂回するしかない...   

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