★★4エレメント・スタックアンテナ★★   目次に戻る     2011/7/1より使用中
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       435MHz/145MHz      衛星通信の決定版?     2011/8/12追記  2012/1/8

  仰角ローテーターは使わない このアンテナのシングルの実測値はここに仰角ローテーターは使わない

このアンテナは、アマチュア衛星通信を目的に設計・製作したもので、一般のアマチュア無線に使うためにはあまり適していません。
その理由は、衛星通信に使う周波数は145.800〜146.00MHz/435.000〜438.00MHzが指定されています。
しかし、現在、実際に使われている周波数は145.825〜145.950MHz/435.150〜436.800MHzに集中しています。
従って、必要な周波数帯域は145MHz帯で125kHz、435MHz帯で1.65MHzとなります。
そのために、アンテナの周波数帯域(SWRが低い範囲)を狭くして、ゲインを最大にしています。
2012/1/8

 435/145MHz 4ele×2  仰角固定35° 地上高 4m       2011/7/1      (随時追加変更します)



 435MHz 4ele×2 寸法図


 
435MHz 4ele×2  アンテナシミュレーションMMPCによる計算結果

インピーダンスが計算値では、R=16.8Ωになっていますが、Raがダイポールで計算されます。
実際には、ダイポールの半分を折り曲げて、1/2フォールデットダイポールになっています。
経験的に3倍になるようで、R=16.8×3=50.4Ωとなって、50Ω同軸ケーブルを直接接続すると、
SWR=1.0〜1.1になります。

この給電方式は、JAMSATのホームページに出ていますが、給電方式の名称やインピーダンスの詳細は
不明です。
注:「ハムのアンテナ技術」遠藤啓二 監修に「セミフォールデットダイポール」と掲載されていまました。
インピーダンスについては、通常のフォールデットダイポールが75Ωの4倍=300Ωであることに対して、
75Ωの2倍=150Ωであると記されています
2012/11/08
詳細はセミフォールデットダイポールアンテナの考察に掲載しました。
   2012/11/08
ちなみに、12.5Ωに設計して、フォールデットダイポールにすると4倍になって50Ω同軸ケーブルを直接接続するとSWR=1.0〜1.1となります。 2012/11/08

ちなみに、8.33Ωに設計して、フォールデットダイポールにすると6倍になって50Ω同軸ケーブルを直接接続するとSWR=1.0〜1.1となります。 2012/11/08

 145.9MHz 4ele×2 寸法図
                       2011/7/2修正


 
145.9MHz 4ele×2   アンテナシミュレーションMMPCによる計算結果   2011/7/2修正

・製作要領
 エレメントの長さは、出来るだけ正確に ±0.1mmに出来ると良い。(1mのノギスがあれば良いが)
 ブームに差し込んだ所は、接着剤(SU/ウルトラ多用途、クリヤー)で固定します。
 同調周波数は、図面の寸法では、1〜5MHz下(144.5MHz又は432MHz)になっていると思います。
 
その時のSWRは、1.5〜2.5ぐらいでしょう。(2011/7/30追加)
 Ra(ラジエーター)の直線部分を切り詰めて同調周波数を高くして、145.9MHz/435.0MHzにしてください。
 その時は、アンテナの周囲は広い空間を確保してください。
 
周波数が145.9MHz又は435.0MHzに近づくとSWRも低くなると思います。(2011/7/30追加)
 
145MHzの周囲は2m以上、フロント方向は5〜6m以上、435MHzは周囲は1m以上、フロント方向は2〜3m
 以上空間が必要です。
(2011/7/30追加)
 具体的には、2階のベランダから約2mぐらいつきだして、フロントを上(空)に向けると良いでしょう。
 435.0MHz/145.9MHzでSWR1.1〜1.2ぐらいになるはずです。特に145.9MHzは周囲の環境(物)が有ると
 変化します。
 スタックにすると、145.9MHzがSWR:1.29、435.0MHzがSWR:1.15 でした。
 スタック間隔:145.9MHz=1900mm  435MHz=650mm
 
・その他(注意)
 1.エレメント径(φ3)を変えると周波数が大きくずれて性能が変わります。再計算が必要です。
 2.ブームは絶縁体の塩ビ管を使っています。耐久性はありませんが乾燥した木材でも使えます。
 3.ブームにアルミパイプ等の金属を使う場合はエレメントを絶縁してください。
   
パイプを貫通する穴を明けてエレメントを通すと、エレメントが短縮されてしまいます。
   パイプ径の約70%長くする必要が有りますが、これは私の経験値です。(要注意)
 
4.コネクターについて(2011/7/30追加)
   一般的にM型コネクターをつかいますが、145MHzは問題無いですが、435MHzは影響します。
   たとえば、アンテナ・アナライザーが、MFJ-269,AA-520はN型コネクターなので、N-M変換コネクター
   を使いますが、SWRが高くなります。
   M型コネクターのダミー(SWR1.0)が、MFJ-269,AA-520でN-M変換コネクターを介して測ると、SWR1.3
   となります

   
3エレメントの場合(M型コネクター)
   BR-510:SWR1.0、MFJ-269(N-M変換コネクター):SWR1.5、AA-520(N-M変換コネクター):SWR1.34

・Ra(ラジエーター)部分の詳細(下写真)
 
 曲げたエレメントを45°下からブームに差し込む。同軸ケーブル芯線を曲げたエレメントに引っかけて
 半田付けする。 同軸ケーブル編組をブームを貫通したエレメントに巻き付けて半田付けする。
 145MHz用は、エレメントが長く風で揺れるので、チョン付けすると半田が取れてしまう。
 給電に使う同軸ケーブルは、5D-FBを使いますが、145.9MHz用が約1.5m、435.0MHz用が約50cm以上
 にしてM-Rを半田付けしておくと、M-Pが接続できます。
 この給電部分の同軸ケーブルを、これ以上短くすると、M型コネクターの影響でSWRが悪くなります。


435MHz 4ele

・給電部の防水絶縁処理
 
半田付けした給電部は、「アクリルラッカースプレー」
「クリヤー」を3回ぐらい厚く吹き付けて、防水絶縁する。
同軸ケーブルの編組に、しみこんで効果抜群。

なお、「クリヤー」以外の色の付いた物は、絶縁が少し
悪くて、435MHzでは、少し特性が変化する。(ニッペ)
シリコンゴム(KE45)等に比べて塗布が簡単で、何よりも分解する時に容易に解体できる。

・地上高4m、仰角35°のビームパターン
 435.0MHz ビームパターン 仰角35°      145.9MHzビームパターン 仰角35°
 
                             10°以下が大きく減衰していますが、結構使えます
          435.0MHz/145.9MHz共に65°以上は送受信共にやや困難です。  

・スタックのSWR特性(使用開始して約6ヶ月後のSWR特性、435MHzについては要点検か!)
              435MHZ                       145MHz   
2012/1/8
  
                          AA-520で測定

・アンテナ・アナライザーについて  
2011/7/30 (Wave日記2011/7/21より転載)
     
写真左:BR-510(M型コネクター)  写真中:AA-520(N型コネクター)  写真右:MFJ-269(N型コネクター)

M型コネクターダミーを BR-510(クラニシ)で測ると435.00MHzでSWR1.0となった。

AA-520はN型コネクターなのでN-M変換をして測定すると1.3 になってしまう。(補正出来るものが必要)
MFJ-269 もN型なので同じ傾向。(430MHz帯では周波数範囲が狭く使いにくい)
CAA-500(コメット)もN型なので同じではないかと思う。M型が出たら買う予定。(又は補正できるものが必要)
JAでは430MHz帯は、M型なのでBR-510のようにM型でないと使えない。BR-510はもう市販されていない貴重品。

    
2011/8/12
・使用してみて (仰角は35°固定)
2011/7/1より現在(2011/10/3)も使っています。
各サテライトは、問題無く使えます。当局のロケーションが北方面が開けている事も有って、VO/FOはEL1〜2まで使用できます。
南方面は、混信も有ってEL15以上では問題無くUP/DWします。ただし、FM衛星はUP混信でUPしにくい時も有ります。
EL65以上では、UPがやや困難になり、DWは弱くなります。
全体的には、仰角固定で十分に使えます。特にEL15〜60は実用的です。

 

      
          
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おわり