ミニ授業書<電気と電子>

  解 説

  実験道具

  ミニ授業書 問題1〜7、おはなし


解 説

 冬になって静電気を感じる機会が多くなると私は、

  冬です、電気の季節です。うれしいな!!

という塩野広次さんのキャッチフレーズを思いだします。このプランは大学の一般化学の授業で「酸化・還元反応に入る前に、電子の存在を感覚的に実感してもらう」というねらいで作ったものです。金属の中を自由に動きまわる自由電子をイメージできたら、原子とイオンの関係が理解しやすくなるのではないかと考えるています。90分の授業1回で終わらせられるように、塩野さんの授業書<ものとその電気>(第2部)からアイデアだけをもらって、私好みにアレンジしたものです。

塩野広次「授業書<ものとその電気>(第2部)研究会内発表資料(1986)、「ライデン瓶なんかこわくない」『たのしい授業』(仮説社)1984年1月号、76〜(13ぺ)

塩野広次、板倉聖宣「授業書<ものとその電気>(第1部)とその解説」『授業科学研究』第2巻、201〜(23ぺ)(仮説社、1979), 板倉聖宣編『授業書研究双書ものとその電気』10〜77(仮説社、1989) に授業記録とともに再録

 私が初めて電気盆の実験をしたとき、「チョンとアースして」ということがピンときませんでした。授業を受けた大学生からも、「摩擦で人の手に移った電子はどうなるのですか?」と質問がありました。「アース」のことを理解していないのは私だけでないのだと思いました。静電気の場合、電線がなくても電子がどんどん移動します。

 静電気の実験は、「絶縁」と「アース」がカギのように思います。この点がピンとこないと、後でやってみてもうまくいかないこともあるし、わけが分からないと思うのです。

 塩野広次さんは、ネオン管を静電気で光らせる実験をしていますが、私は蛍光灯を静電気で光らせる実験にしました。ネオン管は、明るい教室でも赤く光って見える点は便利なのですが、小さいので大勢の人が一緒に見る実験ではよく見えないこともあります。蛍光灯は室内を暗くしなければ見えないのですが、皆に見えるし、普段使っている蛍光灯がはっきり光るのは感動的です。

 

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