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 二酸化炭素は、普通の温度では無色の気体です。1個の炭素原子に2個の酸素原子が結合した分子(CO2)の集まりです。ドライアイスは二酸化炭素の温度を下げて固体にしたものです。空気中では、−78.5℃以上で直接気体になります。固体状態では、二酸化炭素分子(CO2)が写真のように規則正しく並んでいます。二酸化炭素の固体も結晶です。

  発泡スチロールで作る二酸化炭素分子の模型

 酸素原子と炭素原子の原子半径(ファン・デル・ワールス半径)は、1億分の1.5と1.7cmです。写真の結晶模型は実物を1億倍にしたものです。酸素原子として、半径が1.5cmの発泡スチロール球に赤い塗料を塗ったものを、炭素原子には、半径が1.75cmの発泡スチロール球(黒)を使っています。
 二酸化炭素分子は、この発泡スチロール球を酸素と炭素原子の結合距離に合わせてカットし、接着したものです。

  二酸化炭素(CO2)の結晶構造

 二酸化炭素分子の中心をつなぐと、1辺が1億分の5.6cmの立方体が積み重なった構造をしています。二酸化炭素分子(CO2)は、この立方体の8つの頂点と6つの面の中心に配列しています。二酸化炭素分子が並ぶ方向は図のように複雑です。(分子軸は立体対角線の方向)

 写真の結晶模型は、二酸化炭素分子9個を接着し、同じもの3段を重ねてあります。1段目の上に、2個目を180°回転してから左右に半列づらして積み重ねます。3段目は1段目と同じ位置で重なっています。4段目は2段目と同じになります。

 1個の二酸化炭素分子は、12個の二酸化炭素分子と接しています。必ず酸素原子と炭素原子が接しています。炭素原子は6個の他の分子の酸素原子と接しています。酸素原子は3個の他の分子の炭素原子と接しています。この分子間には、非常に弱い結合力(ファン・デル・ワールス力)が働いています。

  参考論文;発泡スチロール球を用いた結晶の実体積模型(1億倍)の作り方.(大石篤・榊原郁子
       『年報いわみざわ』第10号、pp.48〜57(1989)

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