個人のホームページ作り
 

                                                                     平成12年12月

                                                            伊藤 征一
 

 何年か前から、インターネット上に『経済・統計・情報・通信
の横断的研究』という表題で、個人のホームページ(HP)を開
いている。経済・統計・情報・通信などにまたがる固い話題を文
学や酒の話などと共に論ずる、風流心あふれる大人のページであ
る。ただし内容は、あくまでもまじめに高いレベルを保ち、世の
中の動きに一石を投ずるようなものにしたいと考えている。この
HPに、経済企画庁OBの方の文章や論文を掲載させていただい
ているので、以下にそれらを紹介する。

 まず、本誌「経友」に掲載された香西泰さんの『度忘れと3C
ブーム』というエッセイがある。このエッセイは、最初に読んだ
ときから、あまりの面白さに、「このままにしておくのはもった
いない、別の媒体に転載できないか」という思いを温めていたも
のである。このような目的に、HPは最適な場であると言える。
表題にある「度忘れ」とは、香西さんが校正をした「昭和34年
度」経済白書の表紙の「度」を忘れて「34年」としてしまった
話のことである。

 この文章をHPに載せたあと、「度」のついていない白書の写
真を載せてみたくなった。当時、私は新潟県にある財団法人環日
本海経済研究所に勤務していたので、新潟中の図書館に電話をか
けまくって同書を探し、新潟県立図書館にあることをつきとめた。
勇躍県立図書館に乗り込んで出してもらった白書の表紙を見ると、
「34年度」と正しい表示になっているではないか。がっくりし
て発行所を見ると至誠堂となっている。同じ白書でも、ESP版
や東洋経済版があるように、当時も至誠堂版があったのだ。やは
り原本を見なければだめだということで、今度は、休日に帰京し
た時に、世田谷図書館や日比谷図書館に行ってみたが、
これもだ
め。やむを得ず、ウイークデイの出張途中に経済企画庁
の図書館
に寄ってみたら、やや汚いが紛れもない34年版があっ
た。これ
をしっかりデジタルカメラに収めて新潟に持ち帰り、
『度忘れ
と3Cブーム』の文中に入れ込んだ
という次第である。

 もうひとつは、佐藤英人さんの『景気判断と帰納推論』とい
う論文である。これは、「月例経済報告」を作成する際の官庁エ
コノミストの思考プロセスを人工知能的アプローチで解明したも
ので、これを月例経済報告と並べて掲載してある。

 以上のほか、ITによる国際協力の具体的提言を行っている、
環日本海経済研究所の『情報通信ネットワークによる北東アジ
アの企業連携』プロジェクトの専用ホームページへのリンクな
ど、皆様に一見していただく価値のある情報を掲載している。お
暇な折に、ご覧いただければ幸いである。URLは次のとおりで
ある。
       http://www.ne.jp/asahi/itoh/seiichi/
   

                            (「経友」第32号より)

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