"ONE MO' TIME" Sp Setting
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 2月11日にSpeakerのTuningをする所を見学させて頂きました。それをレポート致します。

 この日は音響以外のスタッフが劇場に現れず、SpeakerのTuningだけの為の時間として1日が与えられていました。
 朝9時に劇場に入り、まず置いただけで向きを決めていないSpeakerの向きを決めた。この時の指示はデザイナーではなく、アシスタントデザイナーのSunil Rajan氏が出していた。
 一通り位置決めが終わった所でいよいよTuningとなる訳だが、ここではTuningをするのに「smart」を使用していた。後で聞いた所によるとデザイナーのKurt Kellenberger氏がそもそも「smart」のアイデアを出し、このソフトウェアは製作された物とのことであった。

 各Speakerへの送りは、それぞれ卓から独立したOutputで出し、YAMAHAのDME-32に入れ、各SpeakerのEQ、Delayそしてレベルの調整をしていた。DME-32は2台をカスケードしてバルコニー下などのSpeakerには個々に対応させていた。DME-32は1台のコンピューターで集中してコントロールしており、各系統の何処にでもフィルターやコンプ、ディレイが挿入出来て非常に使い勝手は良さそうであった。
 DelayTimeの基準としてStage上にCELESIONのCXi821を置き、Tuningはまず1階のメインとなるUPAから始まり、続いて1階中抜け用のUPM、CenterCluster、バルコニー下、そこまで終わった所で2階に測定用のマイクを移動し2階のメインとなるCQ-1、続いてバルコニー下、その後は3階用バトン吊りのUPAとチューニングしていった。
 どのSpeakerもPinkNoiseを使ってまず調整し、その後音楽を使って耳で更に細かく仕上げていくといったやり方であった。個々のSpeakerの調整が終わると凡てのSpeakerから音を出して各Speakerのレベル等をデザイナーが各階を歩き回って聴きながら指示を出して更に練り上げていた。
 舞台面のMM-4は12cm位のキューブ型のSpeakerで舞台框に開けた穴の中に埋められておりこれを最後にTuningしてこの日は終わった。

 仕上がった音は音楽を聴く限りでは非常に自然で、客席の何処にいても音が舞台から聞こえてきて、上から降ってきたり、妙にSpeakerに張り付いたりはしていなかった。
 Tuningには約8時間が費やされていた。

 尚卓はBROADWAY定番のCADACでした。