10/12

 先週の月曜日に北上した道を距離もほぼそのまま南下してRadtattの街にやってきた。先々週の土曜日に公演したLahrとは温泉地バーデンバーデンを挟んで北と南の位置関係にある。嗚呼どうせなら間で温泉につかりたい!

 本日も街に出て昼食。劇場の斜め向かいはヴェトナムレストランであったがその気にならず、もう少し街中へ入ったが仲々良いレストランが見つからなくてサンドウィッチを食べた。街自体は結構美しい街並みの良いロケーションにある。

 劇場は、下の外観の写真を見て頂いて想像できるように又してもシンメトリーでは客席であった。本当にドイツ人はシンメトリーが嫌いらしい。又は左右が同じだとどちらがどっちだか分からなくなってしまうのか?

 会館は、(使いたいと言ったバトンの3本程は故障で下りてこないと言われた)使えるバトンも少なく、奥行きもなく使い難かったが劇場スタッフは大変親切でやりやすかった。この劇場はホームページがあるようです。劇場スタッフのTシャツに「www.badnerhalle.de」と有った。宜しければアクセスしてみて下さい。

 本日、とちりました。済みません!御免なさい!許してね!本番中に本当はやってはいけない事なんだけど、CDプレーヤーやインカムの入っているラックの位置が悪かったので、細心の中を払って少し移動させた時にCDの音が飛んでしまいました。本当に御免なさい!もうやりません!

 その報いがホテルの部屋に現れ、私の部屋にはバスタブがなかった(Sの部屋にはあったそうな)。お釈迦様!何もそこまでしなくても良いのではありませんでしょうか?そりゃあ、罪は重いと思いますが、疲れた身体からバスタブを奪わなくても良いと思うんですけど。昨日は疲れてシャワーも浴びずに寝て、今朝寝坊してシャワーも浴びられなかったのに、右肩がカチカチに凝っている私からバスタブを奪うなんて、何て無慈悲なゴータマ・シッダルータ!オー!マイブッダ!

 CDの音飛び、バスタブがない等悪化要因の続出で本日の不幸指数60Point。明日に期待したい物だ。
 
劇場前の風景。結構良い雰囲気でしょ。 左が劇場で、右は劇場の裏を流れる川。
川の左上に劇場が見える。

浅学にして知らないが、顔の形をした吊りマイク。
丁度耳にあたる部分にマイクのダイアフラムが
来ている。
劇場上手側の客席。 下手側の客席。
実は奥まった部分はエクステンションで
壁を閉めると上手と同じになる。
どうして下手側だけ拡張できるようにしたんだろうか?
下手はさらに奥の壁が開いてもっと広くなる!

客席から見た舞台。
裏を知らなければ結構立派な舞台である。

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10/13

 本日は、劇場に向かう時に寄ったガソリンスタンドから不幸は始まった。ジャスミンの後にコーヒーを買おうと思ってコーヒーディスペンサーにコインを入れたら途中から受け付けなくなった。1.6Euro入れた所で1.1Euroを表示して後は受け付けない。レジのおばちゃんが来て「1.8Euro入れなきゃ駄目よ!」と呆れたように言って去っていった。そんな事は判ってんだよ!オメエーとこの機械が壊れてんだよー!何度来てもそれしか言わない馬鹿婆だ!やっと商品を並べていた親父が来たが埒あかず、奥からお兄ーちゃんを呼んできても駄目。結局お金を返して貰ってコーヒーなしでアウトバーンに戻った。ジャスミンはこのコーヒーは特別の味と言って機嫌良かった。
 昨日の話では80qであったが実際には180qであった。全くジャスミンの話はガセが多い。

 Wehrは、スイス国境まで約5qの小さな山間の街であった。12時頃着いたが昼食を食べるようなレストランはなく、近くにあったスーパーでパン、ハムを買ってベンチで食べた。本日の昼食はペットボトルのビールを付けて占めて1.83Euro!安く上がった。

 劇場は小さく奥行きもないのでホリ幕はカット!照明の電源などの事情により結構カットせざるを得なかった。
 搬入口のプラットホームとトラックの荷台の高さが合わないので凡て力尽くで出し入れした。おまけにトラックが止まっている地面が傾いているので大変そうであった。
 仕込み・バラシを手伝ってくれたおじさん達はいい人なのだが、日頃高くて贅沢に使えないガムテープを惜しみなく使えるのが嬉しいらしく照明のケーブルをバトンにグルグル巻きでガチガチに止めていた。アタリを取る時に照明器材が動かないと困るので、照明器材から出ているケーブルは余裕を持たせるように教えたが、全く判って貰えなかった。言葉が通じないというのは全く不自由な物である。アタリを取る時、動きの取れない照明器材に怒ったSが怒鳴ったら、おじさん達はシュンとしてしまったそうだ。

 舞台が狭くて奥行きがないのでダンサーはやりにくそうであったが、仲々良い出来で観客は喜んでいた。

 劇場から一寸離れた所にある山のホテルは、古くてベッドも小さく部屋も狭いが仲々瀟洒な良い感じのホテルであった。

 劇場の外観とホテルの雰囲気だけが救いの今日は不幸指数75Point。明日こそは、明日こそは良くなろう、明日こそは良くなろう、と翌檜は思った。

劇場の玄関は良い感じなんだけどねえ。
客席がシンメトリーの時、劇場は小さい。
これは、ドイツにおける劇場の法則か?
正面の明るい所が搬入口。
劇場の小ささが判るでしょ。

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10/14

 ミュンヘンの近くGermeringへ向かう。先日最後の長距離乗り打ちと書きましたが、間違いでした本日も400qの長距離です!しかもツアーマネージャーをランドルフ社に送り届けると云う事で2時間も遠回りして2時少し前にやっと劇場に着いた。あの遠回りがなければ後1時間は寝ていられたに違いない。

 仲々綺麗な劇場であったが、下の写真のように又してもシンメトリーじゃない客席!しかも実に微妙に斜めになっていたり、ズレていたりで舞台から見てセンターが全く判らない!困ったモンだぜ、ドイツも此奴も。

 明日は休み!ミュンヘンでの休日!と云うわけでホテルはミュンヘン郊外。ヤッタネ。明日は楽しみ。ミュンヘンは今オクトーバーフェスティバルでビール!ビール!と賑わっているらしい。ヤッタネ!

 目眩のする舞台に不幸指数は高めに推移したが、明日が休みとの気のゆとりから本日は55Point。
 
天井の鉄骨も舞台に対して斜めになっていて、舞台に立って正面を向いても自分が正しく正面を向いているのかも疑わしくなってくる。
 客席は椅子を置いているだけなのだが結構いい加減に置いてあって、センターの通路は一寸センターからずれている。
舞台の上手には2階席に上がる螺旋階段があって、スピーカーを上下シンメトリーに置く事も出来ない。尤も客席がシンメトリーではないので何処が中心と云う事もないので構わないのだが。
客席に大きく開けられた通路。
何故こんなに広く取ってあるかは不明。

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10/15

 ホテルからバスと地下鉄を乗り継いでミュンヘン中心地へ行った。バスも地下鉄もみんなの真似をして乗り降りしたら、乗車賃を払う機会がなかった。無賃乗車である。多分本当はお金を払うべき何だろうけど、只で乗り降りできた。特に地下鉄は駅の階段を下りていったらホームであったし、地下鉄を降りて階段を上がったら街であった。改札がないのである。どうやってお金を払うのだろう?

 取り敢えずジャスミンが重要ポイントとして必ず行かなければならないと言っていたとても古いビアホールへ行った。(昼近かったけど)朝からビヤホールで呑むビールはうまい!
 その後町をあちこち歩き回ったが、ビール祭りとも言われるオクトーバーフェスティバルの雰囲気はなかった。又ガセなんだろうか?確かに人出は多くあちこちでビールを呑んでいるが民族衣装も見かけなかったし、お祭り騒ぎも見かけなかった。土日でないと馬鹿騒ぎはしないんだろうか?ドイツ人にとってはあれでも精一杯の馬鹿騒ぎなんだろうか?よく解らない。まあ、結構楽しんだので良いんだけどね。

 夕食用にウィンナーシュニツェルとパンを買ってきた。勿論ワインも買ってきたのは言うまでもない。

 不幸指数はお休み。
 
ホテルの前から乗ったバス。みんなお金を払ってる様子はなかった。
階段を下りていったらホームに着いてしまった。 地下鉄の駅を上がってきた所にあった銅像。
ドイツでも狛犬(前のライオン)の口は「阿吽」であった。

色んな物を売っているマーケット。
みんな好きずきな物を買ってきてはビールやワインを呑んでいた。
ドイツで一番古い?
ビヤホール
“HOFBRUHAUS”

来る途中で地図を見ていたら、おじさんが寄ってきて「君の行きたいビヤーホールはこっちだ。」とニコニコしながら教えてくれた。ビール好きに見えたらしい。勿論好きだけど。

ビヤホール入り口。 ビヤホール内部。 12時に始まったバンド演奏。客の殆どが観光客でみんな写真を撮っているので気楽にシャッターが押せる。

おやつに食べた魚。結構美味しかった。
これにはワインを付けた。

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10/16

 ミュンヘンから約70qのAugsburgに向かう。距離的には大変近いので11時過ぎ(何とダンサーのバスより後からホテルを出た)に出発。すぐに週末の渋滞に巻き込まれる。ジャスミンが「You choice!Yes or No?」と云うので「Yes!」と答えると渋滞するアウトバーンを迂回して一般道に入った。此処でも渋滞。然しまあ程なく抜けて渋滞の終わった辺りのアウトバーンに入って12時半に劇場到着。大変美しいと評判の劇場Parktherterをさっと覗いて、近くにあるドイツレストランに入って昼食。

 私は豚肉の料理、Sは鶏肉の料理を注文。勿論ビール付き。だが料理が仲々出てこない。ジャスミンは「いつもはとても早いんだけど」と言い訳しているが、それは多分ただの言い訳、誰一人いつもより遅いなどといった顔をしている客はいない。みんな何時も通りのような顔をしている。私の注文した物は塊の肉をドミグラスソースで煮込んだ物をカットした豚肉とGuterslohで食べたジャガイモの練り物。ジャスミンもポテトを潰して、練って固めた物と言っていた。肉は結構上手かったが、ポテトは私には一寸量が多かった。最も小さいサイズが有るとも思えないが。Sの鳥料理は、メニューにCurryとかChineseとか云った単語に近い物が書いてあったが、まあ大体そんな感じの物であった。ターメリックライスの上に大きめの焼き鳥を載せてスイートチリソースを掛けた物の様であった。横取りしていないので味は不明だが、酸っぱめで一寸辛かったらしい。結局このレストランで約1時間待たされて仕込みに入った。

 さて大変美しい劇場の客席は綺麗にシンメトリーで昔のドイツ人の良識が現れている。大変古い劇場らしくどうも80年あまり閉ざされていた物を修復改装して使用しているらしい。恐らく電気のない時代の建物で客席は南側にあり、壁は凡てステンドグラス乃至は透明ガラスである。ステンドグラスが美しく、一寸した観光名所でもあるらしく時折カップルやお年寄りのグループが訪れる。劇場に入った時には結婚式を挙げたばかりらしいカップルが記念撮影をしていた。
 「客席がシンメトリー!」と云う事はドイツの劇場の法則に則って舞台は狭く使い難い。間口は7m無い!さっと測った所では6.6m、3間4尺!狭い!普通日本で使用している舞台が7間から10間位だからその狭さが判って頂けると思う。ダンサーのようにスマートな大人が11人並ぶと舞台一杯で身動きが取れない。袖中も勿論無い。
 客席の壁が凡てステンドグラス等である事からも判るように外光が燦々と注ぎ込む。従って日中は照明の当たりなど全く判らない。場当たり中の会話を一つ。
 坂本先生「Sさん、あそこまで前に出ても顔に照明は当たってますか?」
 S「多分当たってます。」
 あそこまで外光が入っていると光に当たっている本人が眩しいと思えば当たっている、としか云いようがない。客席から見ている分には太陽光線の方が圧倒的に強いのである。

 ドイツ最後の公演は大変美しく、困りモンの劇場であった。大変受けまくって良かった。最後はスタンディングである。大変な拍手と共にスタンディングオベーションであったが、客席が平らなので座っていても少し後ろに来ると舞台の下の方は見えないので、当然一人が立ってしまえば全員立たざるを得ないのだ。ほら後ろの席の皆さん!座ったまま手を叩こうなんて無精しないで前の人に倣ってスタンディングオベーションしてね。ダンサーはこんな狭い舞台であんなに踊ったんだからね。

 此処のスタッフも大変親切でいい人達だった。スティーブ&シモーネ、その他の皆さん有り難う。

 (素晴らしいスタッフと観客には申し訳ないが)冷たい言い方をすれば美しいだけが取り柄の劇場で不幸指数は大幅上昇で90Point。

劇場正面、
の様であるが舞台裏の搬入口。
客席を舞台側から。
昼間は当然逆光となるので注ぎ込む外光しか判らない。
シンメトリーの客席。 仲々美しいステンドグラスでしょ。
照明家には困ったモンだけど。
天井にもステンドグラス。

下に吊ってある照明のトラスは、銀色のテープで印がうってあって、操作している場所からレーザーポインターを打ってそのバッテンにポインターの光があった所が決まりの立っ端。
日が殆ど沈んだ頃、劇場内部を取ってみました。
これが客席後方の外観。
こちらが入り口かというと違っていて、道路はこちらとは反対側にあるので、観客は、舞台の上下にある通路を通って客席に入ってくる。

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10/17

 Augsburgから600q程走ってエッセンの街にやってきた。途中短い休憩を取っただけで此処までやってきたので本日はネタがない。短い休憩とは20分休憩の事だが、私はその20分間にトイレに行って、しかもレストランでシュニッツェルを食べてビールを呑んだ。電光石火の早業であった。味は覚えてない。

 いやあ本当にネタがない。困ったモノだ。

 実は「困ったモノだ」と書いてデータをアップしようと思ったらこの駅前のホテル(Movenpick Hotel & Resorts)は電話回線がフロントのモデムを通ってのみ外に繋がる形らしく使えない。よく解らないが内線電話にしか使えないモノをフロントのモデムを経由して外に出ているらしい。と云うわけでフロントにどうすると出来る?と聞いた所フロントの横にあるモノが使えるから下りてこいと言う。然しこれが上手く行かない。モデムセーバーで位相が正しいか確かめてOKランプがつくのだが、上手く行かない。フロント横の回線は、私のPCはバッテリー駆動だとすぐお休みになられてしますし、その辺りに電源もなかったので諦めた。
 さて次の手段は部屋の回線を何とかする事である。使った事はないがもしもの時のために今回もカプラーを持ってきてるのでこれでやってみる事にした。色々やってみたら何とかなった。(この電話機は0発信とかではない)電話機本体の外線ボタンを押したとほぼ同時にPCの接続ボタンを押してみると何とか行けそうな感じがした。然しそれだけではどうもうまくない。今度は、PCの接続ボタンをクリックすると電話機の外線ボタンを押した後アクセスポイントの電話番号を押して、擬似的にPCが電話を掛けたような形にして3回目にようやくタイミングがあって成功!嗚呼私ってなんて努力家!素晴らしい!
 然しこんな面倒臭い事はもうしたくないので、エッセンではもう更新しません。
 こんな面倒な事をしてまでインターネットに繋いだのはメールを送る必要があったためで、それがなかったらそうそうに諦めていた。従って私からメールを受け取ったHさんとSさんは、貴重なメールだと思って一言「ホー」というように!(メールでお願い事をしておいてこの言い草もないものだが)

 「実は〜」以下は、ベルギーでアップする事になると思う。

 全くネタがないのも何なのでエッセンの街で見つけた物を一つ。

 今回は「SAMURAI」というタイトルでツアーを行っているのだが、エッセンの街にこんな看板があった。
 何だろうと思って近付いてみるとテコンドー、空手、柔術、柔道、ヨガ、バレエ!体操などを教えるジムなのであった。
カプラーというモノをご存じない若者為に。
これがカプラーです。
上の部分がカプラーで受話機に装着して使用する。

回線速度は最大で28.8kbps!この日は14.4kbpsであった。今時遅すぎてどの位かも想像が付かないであろう。10年位前、Windows3.1の頃の速度です。

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