10/07

 9時半出発、ここのところではゆっくりで楽。本日は西へ230km。

 途中ハメルンやドイツ最後の王様のモニュメント、白雪姫の故郷、ブレーメンはこっちの看板などを通過して、今回のツアー4番目の国“Holland”に入った。
 ジャスミン曰く「Netherlandsはビールが美味い!」何故?「ハイネケンの国だから」どうやらハイネケン好きらしい。
 本日の公演地“Hengelo”に近づきアウトバーンを降りる頃ピーターのトラックを追い越した。ピーターより先に着くかと思ったら、ジャスミンは劇場をよく知らないらしく結局ピーターのトラックに着いていく事になった。追い越しちゃ駄目じゃん。

 Hengeloは結構大きな街で、劇場は駅前にある。駅前は勿論商店街でレストランやオモチャ屋なんかもあったが、営業しているレストランはなく駅のKioskでコロケットという物を買って食べる。美味くない。

 劇場に入っていったら劇場スタッフのおにーちゃんが「コーヒー飲む?」と聞いてコーヒーを持って来てくれた。オランダはフレンドリーで良いなあ。
 オランダではドイツ語はあまり通じないらしくピーターと劇場スタッフの会話もドイツ語混じりの英語である。劇場スタッフはフレンドリーなだけでなく無駄なくよく働くので仕事がし易い。オランダは良い国だなあ。

 劇場は、建てられて間もなく近代的で綺麗!そして間口も広く、袖中や舞台裏も広い!使い易い。ダンサーが上手から下手に舞台裏を駆け抜けなくてはならない所があるんだが、舞台裏が広すぎてダンサーが大変そうであった。一寸贅沢と云えば贅沢な問題である、上下の行き来に悩む所より遙かに良い事には間違いない。
 バトンも凡て電動だったので緞帳も電動だろうと思ったら、あにはからんや手引きであった。この方が気持ちで速さ調整できて良いと謂う事なのか?

 観客の中にガキ共がいてこれがうるさかった。開演時間になって客電が消えても騒いでいる。Sの話では回りの大人が「シャラップ!!」と言っても気にすることなく騒いでいたらしい。困ったガキ共だ。
 舞台は、広い舞台で伸び伸びダンサーが踊って良かったと思う。客の反応は、何となく引き気味であったが、最後はスタンディングオベーションであった。実は緞帳の横から見たら一番前の客が帰り掛けたのでカーテンコールを終わろうとしたら、Sに「何言ってんの!スタンディングだよ!」と怒られた。

 何もかも良い劇場であった!と言いたい処だが、ホリ幕が薄くて裏からあてている照明器材の光源が丸見えであった。色んな都合で前から打つわけにも行かず、諦めた。嗚呼悔しい!(S)

 本日の不幸指数、殆ど問題ないようで昼食とホリ幕そしてホテルが遠くて古かった為、予想より高く55Point。

左上は舞台奥から客席を見た所3階席まである。でも800名の収容だそうだ。

右上は客席後方から見た舞台。客席中央のブースは照明音響ブース。劇場の調光卓が見える。

左は搬入口。何とトラックも建物の中に入ってしまっていて天候を気にせずに搬出入が出来る。
ホテルの部屋に入って見た瞬間に
ネットに繋げる事を諦めた電話。

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10/08

 10時出発、ゆっくりで楽。本日は西北西へ180q。おそらく今回の旅の最西端。

 朝起きてきたジャスミンは不機嫌そのものであった。ベッドが良くなくて寝られなかった上に、天井裏をネズミが走り回っていてうるさくて仕様がなかった、との事。

 今回のツアーではずっと内陸部を走り回っていたのでここに来て初めて磯の香りを嗅いだ。たまには悪い臭いではない。ずっと、特に夏は嫌な臭いだけど。

 劇場は小さめで古いがそれなりに使い易そうな処だった。
 そして何と言っても此処PurmerendのTheater De Purmarynのスタッフもフレンドリーでよく働くしかも実に動きに無駄が無く、あれよあれよという間に仕込みが終わった。今の処最高の劇場スタッフである。素晴らしい!オランダは良いスタッフのいる国だなあ!11連続乗り打ちの最後をこの劇場で迎えられた事を本当に喜びたい。疲れがピークに来る終わりに昨日今日と仕事のしやすい劇場&スタッフに出会えた事に感謝する。仏様ー!有り難うううう!!!

 観客の受けも良かったし、明日は休み(移動日)だし嬉しいなあ。

 本日で公演的にも日程的にもほぼ半分終了!心なしかダンサーの足取りも軽い。又今日のように調子よくいくと此処に書くネタもない。

 本日唯一良くなかった点、ホテルのフロントから部屋までが異様に遠い事。綺麗で大きな部屋で良いホテルなんだけどフロントから部屋までの距離が兎に角遠い!(ジャスミン説では「10分!」)スーツケースを引きずってあんなに歩かされるのは空港以外では初めて。空港では動く歩道がある事が多いので空港でもあんなに歩かない様な気もする。

 本日の不幸指数、最後の部屋の遠さで25Point。

左上は劇場入り口。舞台や舞台裏を見ると古い劇場だが、入場口と客席は改装されていて綺麗になっている。

右上は舞台から客席。

左は舞台裏にあるコーヒー・紅茶のディスペンサー。誰でも自由にただで飲める。


早めに着いたので街の風景をどうぞ。劇場近くの街の中心にある広場から4方向です。

一人で使うには(無駄に)広い部屋。
一泊しかしないのが惜しい!

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10/09

 10時出発、途中3時間半ほどのアムステルダム観光をして次の公演地Wolfsburgへ向かう。若干南下して又北上するのでほぼ真東へ460qの移動。乗り打ちではないので気楽気楽!

 アムステルダム観光3時間半は時間があるようで案外無く、一寸歩き回っていたら終わってしまった。

 ホテルには20時近くに着いた。
 ジャスミンを見かけたので明日の入り時間を確認した。ジャスミンが「アサダムは楽しかったか?」と聞くのでやっとこの間から「サダムがどうの」と言っていた「サダム」の意味がわかった「アムステルダム」のことであった。フセインの話をやたらする政治好きなわけではなかった。そりゃあそうだろうなあ。

 本日、不幸指数は休日のため有りません。

バスを止めたアムステルダム中央駅の裏側。
街の中にも運河に船が入ってきているが
海が迫っている。

アムステルダム中央駅。時計の装飾が美しい。
久し振りの安息日を楽しむダンサー達。

王宮。
12:30から一般公開になっていた。
私は入らなかったが誰か見学したかも知れない。

王宮の隣の教会。
王宮前の広場にいるパフォーマー。
2ポーズしてくれたので2Euro投げ入れた。
こういう方もいた。
こちらには1Euro。

他にも全部で5名いた。
アムステルダムの地下鉄の入り口。
下に小さく中国語も書いてある。
余程中国人も多いのであろう。

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10/10

 本日は歩いて劇場入り、10時50分にSとホテルのロビーで待ち合わせてプラネタリュームの隣の劇場に向かう。徒歩5分、ジャスミンの徒歩2分は矢張り不動産屋表示である。特に劇場に着いてから搬入口までを長く感じた。
 ホテルの周りにも兎をよく見かけるが、劇場のある公園の中も兎をよく見かける。ピョコピョコと跳ね回って仲々可愛い。食べると美味しいんだろうか?美味しい、と言えばルクセンブルグに行く時ジャスミンは「ルクセンブルグでは馬を食べるの。気持ち悪い!」と言っていた。私も食べる、と言ったら本当に気持ち悪い顔をされた。中国や朝鮮では犬を食べると言って、怒っていた。余所の国の食文化を主観・好みだけで非難する奴は嫌いである。ジャスミン、自分が食べる物だけを基準にしてはいけないよ。
 因みに夜道を渡った所のガソリンスタンドにワインを仕入れに行った帰りには、土竜も見た。結構大きな街のようだがここら辺はすっかり郊外公園地区で長閑にのほほんとしている。長閑だからガソリンスタンドでワインを売っているわけではない。前にも書いたがドイツやオランダ辺りのヨーロッパではガソリンスタンドが24時間営業のコンビニを兼ねていて、ビールやワイン、その他ソフトドリンク、サンドウィッチ、お菓子、雑誌などを売っている。昨日移動中にトイレ休憩したガソリンスタンドではカップヌードルも売っていて、ダンサー達は挙って買っていた。日本の味が懐かしいのね。

 本日の劇場は結構大きいという話を聞いていたが、果たして大きかった。下手と舞台奥に結構広いスペースがあって、使い易い。所謂ドイツ式のオペラ劇場タイプですね。舞台は若干傾斜しているらしい。

 劇場の人間と余り反りが合わないのか、ピーターは無口に仕込みをやっていた。必要な事は言うが、その他は無口であった。まあ誰でもそうだと思うけど、反りの合わない奴仕事をすると無口になる。勿論ピーターと劇場の人間が反目しているような事はない。笑顔ではないが協力的ではある。フレンドリーな感じがしないだけである。フレンドリーじゃなくったって仕込みもバラシも早い!詰まらなそうにしていてもやる事はちゃんとやっているんだ、良いじゃないかピーター。

 もう音の変更はないだろうと思って、コンピュータをホテルに置いてきたら変更が出た。ちゃんと持ってるんだから持って行かないとね。「SAMURAI」が1分20秒カットになって「BlackBelt」が10秒ほど延びた。これをダンサーは、2・3回の稽古で当たり前のように本番で間違えずにやってのける。偉いなあ!本当に尊敬してます!

 今日も結構受けた。反応の出方は鈍いような気もするが、受けていたのは事実である。観客の世代が高齢な方が多かったのかも知れない。

 今日はどこか遠い所から御握りの差し入れがあった。御握りの使者は御握りを差し入れると再び遠くに去って行ってしまった。有り難う!御握りの使者。美味しかったよ。こちらに来て初めて粳米を食べた。美味い!具は、定番「梅干し・鮭・昆布・おかか」であった。こういう時は定番に限るね。

 本日の不幸指数、劇場に笑顔が少なかったのが作用して40Point。

 ホテルを出る直前に分かった事だが、此処WolfsburgはVOLKSWAGENのホームタウンとの事であった。

左上、客席後方から舞台。右上舞台から客席。
此処も上下シンメトリーではない。
ゲルマン人はシンメトリーが嫌いなのか?
苦手なのか?

左は外から見た劇場。長閑な雰囲気でしょ。
この芝の上を兎がピョンピョン跳ね回っていた。
舞台のモニターは、何とJBLの4430!
これはスタジオモニター!
こんな処で使っちゃ駄目。
個人的にJBLの音は余り好きではない。
劇場犬。
賢い物で呼ばない限り、
今立っているパンチカーペットの上から出ない。
劇場のスタッフが飼っているらしい。

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10/11

 やってきました不幸の月曜日。
 来る途中アウトバーンにはポーランドのトラックが多くいた。その中の一台が携帯で電話をしていて私たちの車に寄ってきた。私は助手席に座っていてよく見ていたがサイドミラー1p以内に近づいた。こりゃ擦るなと思っていたらジャスミンがクラクションを思いっきり鳴らして減速して離れた。その後ジャスミンは此処では書けない様な下品な事をドイツ語で言った(ドイツ語なので意味不明だが口調からすると可成り罵ったと思う)。その後このトラックを追い越す時「一寸見ないでね」と私に言ったと思うとトラックの運チャンに右手の中指を立てていた。「International Language」と言って笑った。これが今日の一つ目の不幸かな。

 さて3度目となるGutersloh、3度目とも成ると余裕というか事情が分かっているの若干ノンビリしている。Wolfsburgから西へ約200q、12時を少し回った頃に着いた。ホール前を真っ直ぐ行くと商店街と云う事でSと二人で昼食を食べに出掛けた。

 仕込みは何時も通り、本番の受けは非常に良く、客はノリノリであった。
 然し此処のスタッフは良い奴等許りだ。これで劇場さえまともであればもっと幸せになれるのになあ。本当に一寸残念。

 ビールとサンドウィッチをアウトバーン沿いのガソリンスタンドで買ってホテルへ。

 劇場の事はまあ置いといて昼食のスープが物凄く焦げ臭かったので50Point。
 二口で嫌になって食べなかったがその後4時間ほど口の中が焦げ臭かった。あれを大きなボールで取ってきて食べていた人がいたが、あれはああいう味の物なんだろうか?だとしたらドイツには凄い食べ物があるなあ。でも本当は焦がしちゃっただけなんだろうなあ。然しあの人は大丈夫だったんだろうか?

 この街はそれなりに大きい街らしくCitibankがあった。試しに下ろしてみたら案内は日本語でも表示され、何とEuroではなく\で表示された。ドイツではみんなそうなんだろうか?

 明日は今回のツアー最後の長距離乗り打ち!450q南下!

商店街へ行く途中にあった地図。
中央左下の赤丸部分がこの地図の位置。
その左側にStadthalleがある。
左上、ホールから広場に向かう商店街。

上右、中央の広場。この写真を撮った側にショッピングセンターのような物があって、そこの1階に社員食堂式というか学食式と云うかトレイを持って好きな物を取ったり注文したりする食堂があって、そこで昼食を取った。

広場に入った辺りで飾り付けていた物。謝肉祭かなあ。巨大なリーフに肉の模型をぶら下げいていた。
右が本日の昼食。

皿の上の大きなジャガイモのようなタマネギのような物は、どうもジャガイモを潰してよく練って丸めて蒸した物のようである。モチモチネチャネチャしていた。

右上のスープが本日最大の不幸!焦げたスープ!
仕事に関係ない事ばかりでは何なので、開演前のダンサーの様子です。
(ちゃっかりSがVサインをしていた)

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