西遊記上集 悟空誕生之巻
結座木偶 “遊”北京的夏
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期間:西暦弐仟伍年 捌月弐拾参日 ~ 参拾日
弐拾参日
(8/23)
弐拾肆日
(8/24)
弐拾伍日
(8/25)
弐拾陸日
(8/26)
弐拾質日
(8/27)
弐拾捌日
(8/28)
弐拾玖日
(8/29)
参拾日
(8/30)


さて前置き
 去る8月7日日曜日に中国語による試演会を終え、翌8日には手持ちで持って行けない大道具や照明・音響機材等を北京へ送った。
 「觔斗雲の唄」の悟空の独唱と「我慢の唄」の中国語版の新録音も9日に終え、11日には中国公演用のMDも作り終えた。(勿論稽古用は以前からあった)
 さていよいよ北京へ向けて飛び立つのを待つ許りである、筈だ。忘れ物さえなければ中国・北京公演は上手く行く筈だ、役者たちの中国語は(中国語が判らない私が聞く限り)完璧だし、字幕まで用意したので、もう北京の子供達にはドッカンドッカン大受けに受けるに違いない。受けすぎてロングランになってしまう危険があるにしても、もう完璧である!  ・・・・・筈だ。多分大丈夫だと思う。

 ※注意※
 現地でのインターネット事情によっては帰ってきてからの更新になる場合もありますので、もしもそんな事になった場合はご了承下さい。日本から持って行った携帯電話がそのまま使えると謂ふ金さえ出せば「世界人類皆007・ジェームス・ボンド」の時代にそんな事はないと思いますが、一応お断り。



「むすび座の唄」中国語Version 処でお釈迦様、一つ質問しても宜しいでしょうか?
「飛行機、落ちないですよね?
大丈夫ですよね?
生きて帰ってこられますよね?
この間、僕、蟻さんを踏みませんでした。
だからね、大丈夫だよね?」


いよいよここから本編

捌月弐拾参日
 いよいよ北京に向けて出発である。
 今年開港した許りのセントレアに11時に集合してチェックイン。無事に荷物も預け、出国手続きも済ませた。全日前乗りした磯ちゃんからの情報では一寸遅めの機内食が出ると云う事だったので空腹の者は軽く腹に入れる程度で時間を潰して、離陸を待った。

 然し肝心の飛行機が時間になってもセントレアに現れない。一寸遅れているので待て、とのアナウンス有り。おい大丈夫か!AIR CHINA!まあ少々の遅れで一応飛んだ。良かったね。

 機内食の時に呑んだビールはお約束道理冷えていなかった。基本的に中国ではビールは生ぬるい。
 左は、搭乗前に遺書を書く玉帝様、用意周到とも云えるが意外に気が小さいのかも知れない。
 と思ったら台本を読んで台詞のチェックをしていた。気弱なんて疑ってご免ね。真面目だねえ、流石天上界のTop。人の上に達雄方は真面目でなくっちゃね。

 さてそうこうしている内に北京到着。
 お釈迦様有り難う。お釈迦様のご加護で無事中国の地を踏む事が出来ました。滞在中の安全と、帰りも、夜露死苦!

 右下は飛行機から空港ビルに向かうバスの中。早速持ってきた海外ローミング携帯のチェックをしている石猿他。

 左下は北京空港入国ロビー。再会を喜び合う人もいる。
 迎えに来ていたバスは、リアガラスが割れていた。駐車場でバックして時に駐車場の人の「オーライ、オーライ」を信じてバックしてぶつけたとの事。

 「オーライ、オーライ」
 ガシャーン!!!
 「OKストップ」
 と云った感じだったらしい。まあ、大らか。
 左の如く北京は、高速の料金所も派手なのであった。

 左下は、豪華なホテルに到着して浮かれるかしまし幡桃園娘の内の二人。

 右下が、前回の石の馬でもお世話になり、今回もお世話になる劇場。
 右の女性が今回の劇場の社長に当たる方。今夜は歓迎の席をも受けて下さった。

 因みに西安他結構あちら此方の人形劇団の方々がむすび座の芝居を見に北京にやってくるとの事。役者は兎も角、むすび座代表田中氏(寛ちゃん)は緊張しているようであった。
右は宴席での豪華な料理。
劇場の地下にある食堂と聞いていたので、
もっと簡素な所かと思っていたら、ちゃんとした
レストランも劇場で経営していて、
結構流行っていた。
美味かった。
然し辛いものは可成り辛かった。
本当に嘘偽り無く辛かった

下の2枚は頂いたお土産。
左が木偶劇場のT-シャツ。
右は中国の人形劇の歴史が判る立派な本。


夕食後少々休憩して10時から仕込み開始。
 まづは船で送った荷物を解いて、バトン割りなどを決める。
 然し劇団を出る時はトラックに積み込んだだけの荷物は大変頑丈に梱包されているのであった。
 本日は北京について歓迎され、一寸仕込んだだけだが、中国時間で深夜1時までの仕込みだった。結構眠たい。そして最大の問題はInternetに繋がらない事。200元保証金として前金で払えば部屋からInternetに繋がるらしい事は拙い英語で判った。然し何で北京市内のアクセスポイントに電話するのにその必要があるのかが判らない。どうも国際電話を掛けるのにも必要らしい。
 通訳の渡辺さんに由ると1階のビジネスセンターに行けば簡単に繋がるらしい。勿論利用料は、ニコニコ現金払いである。しかし明日はそうしてみよう。

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捌月弐拾肆日
 さて6時30分に目覚ましで起きて、と云いたい所だが寝られなくてもう少し早く起きた。昨日というか深夜、寝たのは結局3時頃だったが何となく暑くて余り寝付けなかった。酒が醒めだしたせいかもしれない。困ったモンだ。

 朝食は1階のカフェ?レストラン?(今一寸思いつかないが)まあ普通のホテルで朝食を食べるような処で普通に日本で謂う処のバイキング形式の朝食。仲々美味い。私の好みとしては青菜のお粥が結構でした。但しこのホテル許りでなく、昨日からの食事は概ね塩っぱい嫌いはある。塩っぱい物好きの私がそう思うのだから、近年日本などに増えた減塩ニスト(塩分嫌いよ主義者)には可成り塩っ辛いのでは無かろうか?
 それはさておきまあ美味しいからいいや、なんて私は思うが、ビールや水は欲しくなる。

 さて本日は8時から昨日の仕込みの続きだ。
 私は集合時間に少々遅れた。すみません。エレベーターの中で気付いたのだが、電動ドリルの充電池を充電していて持って降りるのを忘れた。気付いてエレベーターを途中で降りようと思ったが結局1階まで行ってしまい、戻って取ってくるのに時間が掛かってしまった。本当にご免ね。
 それにしてもみんな眠そうである。悟空の現世の化身は深夜4時まで呑んでいたらしい。眠いはずである。
仕込みは12時に一旦終了なのでその後で(恐らく)みんなお昼寝をするのであろう、と予想することは難くない。その証拠にみんな昼食時に結構ビールを呑んで寝る準備をしていた。仕込みはほぼ終了し、次は夜の10時から稽古なので時間は充分ある。ここで寝なくて何時寝るのだ、と云った感じだ。明日もそんな感じのスケジュールである。本番までは取り敢えず、気分的にラテン民族だ。

 昼食の後は、ホテルに戻って自由時間、殆どみんな寝ていたらしい。そりゃそうだ。眠たいわなあ。
 特にU氏とO氏は、夕食もキャンセルして寝ていた。O氏に由れば7時間グッスリ寝たそうだ。夜の稽古の時彼らだけ表情が違っていた。矢張り睡眠は重要である。

 さて午前でほぼ仕込みも終わり夜は、1幕の通しである。ここで王さん、譚さん、閻さん他中国の方にに字幕を見て頂いてアドバイスを貰う。出発直前の通しでは、凡ての台詞を字幕に出していたが、「字幕ばかりに目がいってしまう」とか「展開の早い処などでは字幕が見た目慌ただしい」等の意見もあり、結構削って持ってきていたので、本当にそれで良いかどうかの確認である。
 結局、場面・台詞によるが全部出したほうが良いのではないか、と云う意見が主流だったようだ。その意見を加味して最終の物が出来る。中国に来ても詰めるべき事は結構ある。

 全く街をぶらついていないので、街のネタがないのが寂しいなあ。
 右は仕込みの様子。
昨日より明らかに進んでいる。
ま、当たり前である。
戻っていたら大変だ。

 
下は字幕。
左が全体の様子で右がアップ。
普通見れば判る所であるが、
敢えて老婆心でご説明を。
 左が今回の私の仕事場、音響ブース。とその向こうが字幕を出す渡辺さんのブース。字幕はM社のPポイントを使用している

 左下は劇場のミキサー。YAMAHAのDM2000である。こんなモノがあるなら此方が使いたかったような気もするが、音響室の窓は、小さくて音がとても聞き取りにくいようだ。

 仕込み終了!12時からの映画の為にスクリーンを下ろした所、この後ろに「悟空誕生の」のセットが隠されているとはお釈迦様でも気が付くまい、出番が来てないのでまだ形になってないし。
 劇場2階の会議室で昼食、と云う事で会議室に行く途中にあった立派な看板。
 会議室の前には掲示板やら何やらもある。
ホテルの私の部屋から見た北京市内、大都会である。作曲の王さんも振り付けの閻さんも北京を離れて長いので、道も街も判らないと言っていた。特に最近の開発は急テンポだし(何せIOCからもう少しゆっくり建設するように、と意見を言われた程急ピッチである)。
 左は本日の夕食。矢張り劇場の2階にある会議室で頂いた。美味しい!
 ここでもビールが出たが、夜の稽古があるのでみんな余り呑まなかった。ご飯はよく食べた。
さていよいよ中国での
リハーサルの始まり、始まりー。
中国でのリハーサルを記念して
「我慢の唄」をお聞き下さい。
子猿たちを混世魔王から助け出したシーンでは、悟空が子どもたちに
 「何時もみんな一緒の動きをするのか?」
 と訊ね子どもたちが「うん!」と答える所があるのだが、ここで子どもたちに「うん!僕たちコミュニストだから!」と謂わせてはどうか?と試演会の後で一部の劇団員に提案したが(中国側を刺激しない方が良いので)「駄目!」と間髪を置かず却下された。残念!

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捌月弐拾伍日

 本日も各自朝食を済ませて、7時45分にロービーに集合して木偶劇場へ。
 本日午前の部は昨夜の1幕に続いて2幕の通し稽古。9時過ぎから2幕を通した。
 結構疲れも出てきているのか、ハッキリ言ってメロメロの通しであった、台詞が出てこなかったり、動きが鈍かったり。まあこんな事もあるであろう。明日の本番には万全の芝居を見せて、中国の観客を喜ばせたい物だ。

 通しの後は昨日みえた閻さんに振り付けの指導をして頂いた。

 12時からは何時も通り2階の会議してで昼食。今日も美味しい!

 役者と閻さん、譚さん、王さんは劇団の稽古場で稽古。動きも細かくチェックして貰ってね。言葉もチェックして貰ってね。明日は本番だよー、頑張れみんな!

舞台裏上手

舞台裏下手

二郎真君に捕まりしょげ返る悟空。
今日は、台詞も間違えたし、
動きにも疲れが出ていたし、
反省しきりであった。
大丈夫、台詞を間違えたり忘れたりしたのは
君だけじゃない、みんなだ。
でも明日はきっと大丈夫、
僕は(余り)心配していない、
君たちを信じているからね、
字幕担当者は
とても心配しているかも知れないけど。



今回の音出しセット。
いつものミキサーは、
私が客席で使用しているので
MDそれぞれにステレオのフェーダー
を付けて操作して貰っている。
役者が音を出すのはいつもの通りだが、
音のレベルは、
私が客席で(より細かく?)コントロールしている。
上の2枚は閻さんに振り付けの指導をしていただいているところ。
左が夢の場(と云ってもドン・キホー手ではない)の仙女。右は「斉天大聖の唄」の旗振り猿の動き。
仲々厳しい(難しい)事を言われていた。がこれも良い舞台の為!みんな、頑張れー!(閻さんも「厳しいから言っているのではないよ」と言っていた)


左は、1&2袖をバラしてセットした(降ろした)スクリーンの裏に映画用のスピーカーを設置した所。


下の2枚の写真はホテル近くの交差点。
昼の写真で道の中程に立っている人たちはこの広い道路を横断しようとする人たちで
信号が赤になったので交差点の真ん中で青になるのを待っている、若しくは隙を見て渡ろうとしている所。
私たち素人の日本人には仲々真似の出来ない事です。

左は同じ交差点を夜、反対側から見た写真。
右の屋根にネオンサインのあるビルが私たちの宿泊しているホテル。



 さて夜は、例によって10時に劇場入りして、今日は全幕(1&2幕の事ね)を通した。
 朝よりは出来の良いリハーサルであったが、イヤまあ、笑っちゃうような事も多々あった。
 10時に入って各電源を生かしてチェックをすると、何故か本日プロジェクターが大変ご機嫌斜めであった。字幕の上が切れたり左が切れたり、将亦右が切れたり、挙げ句の果てにはズームが勝手に動いたりと、大変な不機嫌で、まっ、考えようによっては彼は大変ノリノリで精神的にハイだったのかも知れないが此方としては困る。原因不明の儘時間がないので1幕を始めた。リハーサル中結構大きくではないが文字のサイズがコソッと大きくなったり上にズレたりしながら進行していた。どうしようもなくなるとダウンレートコンバーターをリセットして文字を小さくしていた。それで小さくなるのでおかしくなったのはコンバーターかなあ、と思っていた矢先、音響&映像系の電源のブレーカーが落ちた。落ちる程使ってないはずだが、音響電源と言ったら、ここだと言われた所から取っているだけで容量を確認した訳ではないので判らない。だけど日本の家庭のコンセットで賄える程度だから、どこからとっても問題はないはずだがなあ。
 取り敢えずブレーカーを生かして貰って1幕は最後まで言った。役者も多少動じたようだが止まることなく進行した。然しブレーカーを入れる処を見て一寸吃驚、観客用のトイレの前にあった。一応蓋はあるが、鍵が掛かる訳ではない。一寸悪戯で触ったら終わりである。私的には噸でもない所から電源を呉れる物だなあ、と思った。2幕前にもう少し容量の多い所に換えて貰った。
 てな事があったらこれ以後、何故かプロジェクターは安定した。取り敢えず電源が不安定であった、と言う事にして明日の本番を迎える事にした。

 その他はまあ、一寸台詞に詰まったり、日本語に聞こえない事もない言葉が混ざっていたり、閻魔王の台が倒れたり、幡桃園で籠が出遅れたり、と些細な事ばかりであった(本当に些細な事なのか?)

 電気系以外の一寸したトラブルの原因は恐らく疲れと時間感覚のズレ(時差呆けみたいな物)であろう。北京如きで時差呆けは本来無いのだが、昼間が一番睡眠を纏まって摂れる、と云うスケジュールによる錯覚である。誰とは言わないが今日の昼食時「これって晩飯だよね?」と聞いていた人もいた位、時間感覚が呆けていたりする。まあこの人は役者ではないので芝居に直接影響はないので、心配はしていない。

 今日の通しは見学者も多く役者も乗れたようだ。見学者は、(昼食夕食の世話をしてくれている女性達を含む)ここの劇団の方々(多分)や竜王が以前留学していた木偶学校の学生(今も一人むすび座から留学中、彼女のお友達)が見てくれた。途中笑うべき処で笑いもあったしみんな笑顔だったので多分それなりに好評であったのであろう。觔斗雲の唄を歌いながら帰って行った女の子も居た。これでもう掴みはOK !    ・・・・・だと思う。
さて看板も出来て、明日からはいよいよ本番である。
みんな、頑張ろう!
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