お風呂
バザール
お金

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このHPの情報は、私が実際に旅行に出かけて体験したこと、
ガイドさんに教えてもらったことを元に書いています。

実際に暮らしている方から見るとおかしい所もあるかもしれませんが、
「旅行者の立場から見た旅行記」であることをご了承下さい。


お風呂

お風呂は私の最大の心配事だった。

大手旅行会社で超御大尽旅行をしても、メキシコのシャワーは冷たかったし、グァテマラのシャワーは水がチョロチョロだった。外国人専用ホテルだろうが現地では三星ホテルだろうが、ここは砂漠のど真ん中だ。

最初の逗留地、首都タシケントのホテルでお風呂場のドアを開けると、どこから水を流すのか分からないトイレと、1m四方、高さ50cmの水受けがあり、そこにシャワーが掛けてある。
お風呂に入る犬吉の図。いやん
水受けは、日本の公園の水飲み場に、水が飛び散らないように低く囲いがあるが、あれを巨大にしたと思ってくれれば話は早い。トイレよりも高く造ってあるから、きっとここに座ってシャワーを浴びろということだろう。シャワーを持つ手が滑れば、トイレから着替えから、全部水浸しだ。

しかし後になって判明することだが、他のホテルにはこの水受けすらなく、トイレの隣で、地べたに立ってシャワーを浴びる。さすがにタシケント、首都だけあってホテルの設備はしっかりしている。

お風呂場のドアを開けただけでシャワーへの期待がモロモロモロと崩れていったのだが、栓をひねると熱いお湯がこれでもかこれでもかと流れてくる。

何故に? まぁいいや、入っちゃえ入っちゃえ、あー、あっついお湯が乾燥してカサカサになった肌に沁みるぞ!

後で知ったのだが、アラル海の水をレッツ私物化しているウズベキスタンは、水に関してはやりたい放題で、現在アラル海は表面積だけでも3分の1にまで減少し、深刻な国際問題になっているらしい……。あー、でもやっぱりお湯は気持ち良いよ……。

ちなみにトイレの水の流し方であるが、上のイラストを、よ〜く目を凝らしてみていただきたい。便座の上の水タンクの上部に、小さな丸が見えるだろうか?左下の角の辺りだ。その丸いものを上に引き上げると水が流れる様になっていた。
バザール

「ウズベキスタンは旧ソ連だから、物が少なかったでしょう」とよく訊かれるが、さすがに交通の要所、ウズベキスタン。実はウズベキスタンは、旧ソ連時代から豊かな国だったのだ。

何しろ暖かな気候に(夏は暑いけど……)、1000年の昔から発達していた灌漑農業を持つ国である。韓国の協力で工業化も進んでいる。私は国営デパートには行かなかったが、行った人の話によると「電化製品以外は物が多かったが、あまり興味は引かれなかった」とのことだ。

官営デパートというのは日本にないので、その名前だけでも興味を引かれでしまう。しかし、面白いのやはりはバザールだ。生活に密着した、その国の人のための市場は、何時間いても面白い。(ちなみに、官営デパートには、日焼け止めかぶれのため日中外出できなくなって、行かれなかったのだ……。行きたかったんだけどな……)

ウルゲンチ、ブハラ、サマルカンドと、市場には全て足を運んだが、スタイルは大体一緒だった。大きく分けて、店は2つある。建物の中にある店と、外にある店だ。

ウルゲンチとブハラのバザールは、巨大な体育館の様な建物があり、その中に店が出ていた。店と言ってもスペースは横1間弱、奥行き1m強と言ったところか。サマルカンドは1つ1つの店の広さは同じ様な物だが、体育館ではなく巨大なピロティ(2階以上の建物で、1階部分には壁が無く、吹きっさらしになっている建物の1階部分。屋根はあり、柱が並んでいるが、扱いは外と同じである)に店が並んでいた。
またサマルカンドは、バザールを囲む塀の周りに、1間飲み屋のような建物(といっても立派な煉瓦造りだが)がぐるりと並び、その中でおやつや新聞、ジュースなどを売っていた。

建物の中は衣料品売場、洗剤、たわしなどの生活雑貨売場、トマト、キュウリ、ピーマンなどの野菜売場、、乾燥フルーツ、ナッツ、氷砂糖、パン、焼き菓子などの食べ物売場、というように、ブロックごとにジャンル分けされて売られている。

建物の外は、地べたにござを敷いて、その上に商品を並べている。机や台は無い。売っている物は、ほとんどが食べ物だ。肉も炎天下にさらされて売られている。ウルゲンチやブハラでは、建物の中は圧倒的に衣料品が多く、戸外が食べ物売場で、「何かが間違っている……」と思ってしまった……。

バザールで西瓜を売るお兄さんのイラスト ブハラのバザールで西瓜を売るお兄さん。

この写真を撮った後、「ポーズポーズ」と叫ぶと、お兄さんは特大サービスで服を脱ぎだした……。いやん。

こんな豪快な商いをしていたのは、ウルゲンチ・ブハラ・サマルカンドの3つのバザールの中でも、このお兄さんだけだった……。

きっと「建物の中で衣料品や雑貨を売り、戸外で食べ物を売る」というのは、歴史的に根付いた物だろう。シルクロードの昔、ウズベキスタンでは「タキ」と呼ばれるドームの中で商売が行われていた。シルクロードの商売というのは中継貿易で、タキの中ではシルクや絨毯、陶器や金細工などの貿易品が売られていた。すると日常的な商売(食料など)は戸外のバザールで行われていたのだろう(いや、推測なので、詳しいことをご存知の方は是非ご一報下さい)。
多分その名残で、いまだに戸外で食料を売っているのだろうが、しかし、肉……。う〜む……。衛生局は無いのか?まぁ、昔グァテマラの屋内のバザールで、台の上にぼ〜〜んと魚が売られていたときも、「氷くらいおけよ!衛生局は無いのか!?」と思ったので、結構こういう国は多いのかもしれない……)

値段は勿論交渉だが、旅行者が珍しいのか、それとも日本人が珍しいのか(いや日本人は結構沢山旅行に行っているはず……)、商品を見ているといきなりそれを下さる方が多かった。写真を撮らせてもらうと、「お礼にこれを持っていけ」と、トマトや洋なしやリンゴを沢山下さったりもする。出来た写真を送って欲しいとは言わない。写真なんて現像して送ってもらわないと意味がないと思うのだが、彼らにとってはそうではないらしく、「遠い異国の国に、俺の写真がいつまでもいつまでも残っている……」とでも思うのだろうか。「撮ってくれ」「ありがとう」と果物を渡して去っていく……。受け取らないようにするのが大変な位だ……。
「写真を送ってあげよう」と約束した人などは、ビニール袋に食べきれないほどの果物や野菜を押しつけられ、もとい、頂いていた。旅行中なのに、生のタマネギを山ほど頂いても、どうやって食せと……?
とにかく、バザールではカメラ一つで大儲けだった……。
お金

ウズベキスタンの通貨は「スム」だ。98年8月には1ドル=約100スムだったが、大変 なインフレのため、たぶん現在のレートは変わっているだろう。しかしドル紙幣で買い物をすると、何故か1ドルで150スム分買い物できる。

経済の安定していない国では、安定したドルの方が好まれるので、1$を150スムに両替しようと現地人に交換を持ちかけられるが、これは違法行為なので見つかるとしょっ引かれる。ちょっと心を惹かれてもぐっと我慢しないと。(バザールやお土産屋の付近には、私服警官が違法両替を見張っているので要注意だ)

また、余ったお金は正規両替所で発行してくれた換金証明書がないと再両替ができないので、両替所で証明書をくれようとしなかったら、思いっきり強く請求した方が良い。正規両替所は外国人専用ホテル内のレセプションか、空港にある。多分、再両替は空港でしかしてくれないだろう。いや、知らないけど、ホテルの人は絶対嫌がるから……。

但し、この再両替のレートは滅法悪いので、両替したスムは使い切った方が良い。私は最初に10$分を両替したが、結局余ってしまった。私は最初から、お札は1種類ずつお土産として持ち帰ることにしているが、それでも余った……。
ウズベキスタンのスムはアラベスク模様のとても美しい紙幣なので、なまじなお土産よりは良いと思う。但し、大量のスム貨幣の持ち出しはやはり違法と言うことになっているんで、これも気をつけなければいけない。

先にも少し書いたが、インフレなのでとにかくみんなドルを欲しがる。ホテルでビールを頼んでも、土産屋で絵はがきを買っても、支払いは最初から「ダラー!」と言われるので、滅多にスムを使う機会がない。第一、「写真撮影料は150スムだけど、ドルなら1ドル」と言われて、一体誰が150スム払うだろうか。勿体ない、ドルで払わせてくれ!と、スムが減らないのである。

ここまで読めばお分かりの通り、先ほど「違法両替を持ちかけられて、心惹かれてもぐっと我慢」と書いたが、我慢することはない、全部ドルで払っていれば、1.5倍の換金率で両替したのと同じことなのだ。(というより、スムで払うとぼったくられる、ということか?)

だからいっそ、両替しないで済ませてしまうというのも一つの手だろう。観光旅行をするだけなら、困ることはないと思う。(でも、お札は綺麗だから本当に一見の価値あり。お札ってWEBに載せてもいいの?いいなら載せたいくらい綺麗だよ。お土産代わりの分だけ両替するというのはどうだろう?)

「そんな1.5倍の換金率で払って、彼らは儲かるのか?」という心配はご無用、1ヶ月ただそのドルを持っているだけで儲かるほど、物価が上がり、スム価値が下がる程のインフレだ。まぁ、旧ソ連諸国は月並みそのようだが、それでもインフレを感じさせないほど、ウズベキスタンの商売は活気があって良い。

ああ、今スムっていくらなんだろう……。こういう国だとすぐ通貨切り替えをしてしまうから、あの綺麗なお札が無くなるのはもったいないなぁ……。


上で「ああ、今スムっていくらなんだろう」と書いたところ、川井康郎様(「LIVES IN OVERSEAS PROJECTS」のWEBマスター様。)から、以下のような情報を頂きました!!

99年現在、公定レートが1ドル=120ソム、闇レートでは480ソムです。一年前の闇レートでも約380ソムでしたから、150の両替を持ちかけてきた人物は倍以上もふっかけていたんですよ(^^;)

公定レートはこの3年間で1ドル約80ソムから120ソムまでの下落ですが、闇レートは120ソムから480ソムまで4分の1にまで下落しました。

ありがとうございました! ……しかし私たちは闇レートでぼられようとしてたわけですね……。まぁ、こんなにレートが下がっちゃ、現地の人は必死ですよねぇ……。




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