3月31日(土) その1
九イ分でまったりへGo!

今日は九イ分から北投温泉へ移動します。でもここのとこ沢山活動していたので、今日はダラダラする日としました。やっぱり、たまにはダラダラする日がないとね。

ということで、朝ご飯も8時にしてもらって、ご飯の後も10時頃までダラダラしてました。

チェックアウトしたら、まず宿の目の前にあった、聖明宮に行ってみました。場所は竪崎路を登り切った所にあります。

ここは、入り口に書いてあった説明書きによると、元々は日本統治時代に林さん(たぶん、はやしさんじゃなくて、リンさん)が個人的に関聖帝君を祀ってたのを、台湾建国後に改めて「観忠堂」という廟に建て直し、金鉱が廃れた後に、観忠堂は商売の神・関聖帝君の廟ということで発展し、1976年に「聖明堂」と改名したのだそうです。(但し、私の中国語の読解力が正しければ……)
中には立派な関帝様がv

金鉱が盛んなときは、九イ分のバス停の傍にある、福明宮という、土地神様を祀った神社が1番栄えていたそうです。金鉱の安全を祈願しに、みんなそちらに行ったんでしょうね。でも金鉱が廃れたら、「それならやっぱり商売の神様だよな!」という逞しさが素敵です!

その後、茶藝館にまったりしに行きました。

実は私、台湾に来たらどうしても茶藝館に行ってみたかたのです。でも、茶藝館はお値段もお高めで、大人がお茶という嗜好品を楽しむために行く場所。いくら子供好きの台湾とはいえ、静かな茶藝館で子供が騒いだらさすがに気まずいです。かといって、せっかく茶藝館に行くのに、子供を気にしてさっさとお茶して出てくるようなもったいない真似はできません。

そこで、「観光地である九イ分の茶藝館なら、きっと少々子供が騒いでも許されるのではないか」と、勝手に思って、ここで贅沢をさせてくれと、みんなに頼んでいたのです。

候補は色々ありました。千と千尋の神隠しのモデルになった阿妹茶楼も行ってみたいし、切り立った崖の際に立つ「天空の城」という茶藝館も素敵だし。でも、元々下り坂に弱いダンナの膝が、九イ分のきつい坂に悲鳴を上げていたので、階段を上り下りしなければならない茶藝館は無理。それならバスから一本道の九イ分フン道沿いにある「九イ分茶房」はどうだろうか、と、初日に狙いをつけていたのです。

こちらが九イ分茶房。

1階が茶藝館とお茶や茶器の販売、地下1階(といっても崖に立っているので、ひょっとしたらこちらが1階なのかも?)には作家物の陶芸の博物館と販売スペースになっています。九イ分茶房の茶器は、全てここで作っているそうです。
表から見るとちょっと可愛いのれんや看板なので分からなかったのですが、中に入ったものすごい良い雰囲気。清末のお宅にお邪魔したような……と思ったらなんと!!

臥牀が!!!

臥牀があるではありませんか!!

ここに座ってお茶ができるそうなのですよ!!!もちろん普通のテーブル席もありましたが、私達は当然こちらを選択!!!

臥牀というのは、清末くらいまで使われていた、中国の寝台です。三国志オタクでもあり、中国歴史小説大好き人間の私は、もう何度この臥牀を見て「当時の人達はこの様なところで……!」と思った事でしょう!!実は東京の国立博物館でやってた紫禁城展に2日通って、3D展示「のバーチャル紫禁城散歩」で寝室のデッサンを取るくらい、臥牀には興味津々です!もちろん、台中の民俗公園でも臥牀の帳の中をチェックしまくってきたワタクシです!

だって臥牀って言ったら、傾城の美女達が己と己の一族の命運を賭けて皇帝を転がしまくった場所であり、たくさんの英雄が遺言を吐き、そしてそれを捏造された場所であり、多くの皇帝が革命の兵士にこの上で弑逆されたり、この下やら陰やらにみっともなくも人間くさく逃げたり隠れたりした、運命の場所ですよ!!!

そこに上がり込んでお茶がいただけるのですか〜〜〜!!!

いや〜〜!!嬉しすぎる!!ここでお茶して良かった!!ダンナの膝が痛んでて良かった!!痛んでなかったら、他の茶藝館に行っちゃうところだったよ!!!ありがとうダンナの膝!!!



ハァハァ……。

失礼しました。すごい興奮してしまいました。

もうね。結構ギシギシ言うな〜とか、結構揺れるな〜とか、そんな事がもう感動です。



お値段は、お茶はピンキリで、せっかくなので1番お勧め(ということはお値段も1番だという……)梨山烏龍茶(お茶だけで800元)をチョイス。本当は「高っ!」と思って2番目に高い、日本でも有名な凍頂烏龍茶にしようかとも思ったのですが、お店の人は「凍頂山と梨山では山の高さが全然違うので、梨山の方がずっと味が良いですよ」と勧めてくるし、ダンナも「せっかく贅沢なところに入ったのだから、思いっきり贅沢をしよう。ここまで贅沢らしい贅沢をあまりしていないのだから、旅の思い出に1度くらい良いじゃないか」と言ってくれまして。

この他に、お湯代が1人100元。「子供はあまりお茶飲まないのですが」と言っても、そこはガッツリ子供も大人もなく、一律100元×4人分取られました。そしてお菓子もまた結構しました……。子供達は2人で餡入りの緑茶団子みたいなお菓子を1皿(小さいの5つ入り)、ダンナはパイナップルケーキ(2個入り)、私はお店の人お勧めのお茶入りチーズケーキを注文しました。

……そしてここに1時間半も居座る……。お湯も2回おかわりしたしな……。ちなみに、茶葉は3匙分入っていて、1匙分で7煎分淹れることができます。ふふふ。子供のお湯代分も、元は取ったよな……。まぁ、おかげで途中「しょっぱいお茶請けが欲しい」とピスタチオも追加で頼み、結局1510元(約4530円)も飲み食いしてしまったよ……!高すぎる!!!

こちらが臥牀の上のテーブルの様子。小さな囲炉裏に炭がくべられ、鉄瓶のヤカンがしゅんしゅんと湯気を立てています。

臥牀なもんだから子供達はダラダラと寝転がってるけど、臥牀は2つしかないし、奥まってるから滅多にお店の人も来ないし、気にしない!子供達が暴れると臥牀がギシギシ揺れるので逆に「大人しく寝てろ!」と、だらしなさ推奨で。

私たちが1時間半いた間、隣の臥牀には2組のお客さんが入れ替わっていました。ツアーだと九イ分全体で2時間しか滞在時間が無いらしいので、ツアーの方達は30分くらいお茶を飲むと帰られていくようです。

「これだからフリーの旅行はやめられないねぇ」と言いながら、ダラダラぐだぐだの子供達を尻目に、ダンナと2人で旅を振り返ってみたりして、良い時間を過ごしました。



こちらは入り口入ってすぐの販売スペース。レジカウンターの後ろにたくさんのお茶の壺があり、前のスペースで茶器を売っていました。

こちらでお会計をするのですが、その時希望すると、残った茶葉を小さな袋に詰めてくれて、ちゃんとお持ち帰りできます。

高いお茶っ葉ですからね。無駄にはしませんよ!



ここのオリジナルだという蓋椀。蓋椀といのは、普通はお椀に蓋が付いていて、お茶っ葉を入れたらお湯を注ぎ、蒸らした後蓋をずらしてお茶の葉が流れていかないように蓋で抑えながらお茶を淹れる道具ですが、こちらのオリジナルの蓋椀には分かるでしょうか、注ぎ口の所にわずかに3本、溝が引いてあるので、蓋をずらさなくてもお茶が淹れられるのです。すごい便利!私はよく蓋をずらしすぎてお茶どばっとやってしまうので、「この蓋椀、欲しい!」と思ったのですが、お値段も良いし、何より旅先で割れ物を買うのがいかに大変か、過去に何度も痛い目を見ているので今回は我慢しました……。



途中、宿に忘れ物をしたことに気づいて階段を走って登ったりしたのですが、そうそうここを紹介しておかないと、と思い、途中で写真をばしりゃり。

こちらは、昨日紹介した「頼阿婆芋圓」と人気を二分する名物芋ぜんざい屋さんの「阿柑姨芋圓」。どうも日本の雑誌などでは「頼阿婆芋圓」の方が多く紹介されているようなのですが、実際こちらに来ると、「阿柑姨芋圓」の方がお客が多いような……。で、よく観察すると、「阿柑姨芋圓」の方がどう見ても同じ値段なのに量が多いのです!ヘタしたら倍近く入ってるんじゃない!?

くそう、知っていればこちらで買ったものを……orz (←道を教えてもらった義理で買ったのではなかったのか……)

場所は竪崎路の一番上のお店です。ここを登り切ると小学校があり、その反対側に聖明宮があります。
「阿柑姨芋圓」の向かいにある民家は、いつもネコちゃんが沢山たむろしています。

こちらは、先ほどまで2匹して眠っていたのですが、カメラを構えている間に1匹起きちゃいました( ^ω^;) うぅん、可愛すぎる……!!
そしてまた大量の人混みをかき分け、バス停に向かいます。この人混みを、自分のスーツケースを1つ背負い(キャリー付きバックパックだったのでね)、娘のスーツケースを引いて、人の波に逆らって歩いていくのは本当に大変でした……orz



バスは今度はちゃんと市バスに乗れたのですが、地元の中学生で満載!!!ものすごいラッシュバス!!それでなくても娘はこの山道で酔いやすいのに、どうしよう!!

ところが、また親切にも中学生が子供達に席を譲ってくださいました。この位の年の子って、日本だと人に親切にするのが恥ずかしい、みたいな時期で、なかなか人に席など譲れないような気がするのですが、本当に親切だねぇ……。本当に助かりました。

→→→北投温泉へGO!
 


旅行記メニューに戻る

台湾旅行記メニューに戻る