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Voyager / ボイジャーSERVICE&PRODUCTS

セルフライナーノーツ / Self Liner Notes

○○○○○○○○イメージ

Voyager / ボイジャー

Tracks
01 Nu World
02 Launch
03 Voyager
04 夢よりも儚き - Trad J Mix -
05 かくれんぼ
06 連星
07 帰り路
08 Children of the …
09 Tele Communication
10 心の磁針
11 四条通り
12 ベルリン



1:Nu World
このアルバムのテーマの一つでもある『新世界』を象徴する楽曲として1曲目に収録したこの楽曲は、アントニン・ドヴォルザークの『新世界交響曲 第4楽章』を取り入れたインスト曲。
ドヴォルザークの時代の新世界はアメリカ大陸だったけど、ボイジャーの目指した新世界は太陽系の外、はるかかなたの世界だったので、こんなアレンジにしてみた、という楽曲。

2:Launch
Collageの頃から一貫してD-Helixが発信してきたメッセージ『やりたいことをやれ』をストレートに表現したポップロック楽曲。
重ためのギター、ベース、ドラムのリズムに軽快なシンセブラスとシーケンサーのフレーズが特徴的なアレンジの楽曲で、D-Helixが当初から作りたかったサウンドを良く表している楽曲でもある。

3:Voyager
このアルバムのタイトルトラック、つまり、一番聴いてもらいたい楽曲。
もともと天体観測が趣味の春野樹は以前からボイジャーに対して少し特別な感情を持っていた。
太陽系の全ての惑星に接近し、それらの惑星の誰もまだ見たことのない本当の姿を見せてくれたボイジャー、太陽系内にいるうちは人々の関心も強かったけれど、太陽系を飛び出してしまってからは新しい発見も動きもほぼなく、多くの人にとって忘れ去られた存在になってしまった。
音も光もない漆黒の闇の中、ボイジャーは今何を思うのか?
そんな想いで書かれた楽曲。
楽曲の作りとしてもちょっと面白いことをしていて、それは『アコースティックギターのフレーズをサンプリングして切り刻んで再配置する』という手法。
それによってちょっと人間では再現できないような不思議なフレーズが実現している。
具体的に言えばイントロの最初の部分とそれに続くAメロの前半部分のアコースティックギターの音。
『こういうの面白いんじゃないかな?』と思いついてやってみたら思っていた以上に良いフレーズが出来上がって、これは成功だったと思っている。
シンセベースロ―ファイなドラムと相まって、かなり無機質な感じになっているところが気に入っているポイント。
イントロやサビのストリングスも思った通りの効果を出してくれていて、全体にすごく思った通りの音になっているところがとても気に入っている曲。

4:夢よりも儚き - Trad J Mix -
1作目のアルバム『Collage』に収録した同名楽曲と同じ楽曲を新たにバラードにアレンジしなおして収録した楽曲。
もともとアップテンポのロック曲だった同曲を一気にテンポダウンしてしっとりとしたバラードにアレンジしたわけだが、実はテンポとしては両曲は全く同じであるとも言える。
というのも、『Trad J Mix』はオリジナルの全く半分のテンポで演奏されているからだ。
こういうことができるのが音楽の一番面白いところだ、というのは春野樹の談。

5:かくれんぼ
新しいアルバムの収録曲を創作しているとき、ふと頭をよぎったのがこの楽曲のBメロの終わりからサビにかけてのフレーズで、この楽曲はその部分から前後をつなげる形で作られた。
そこからサビの全てのフレーズが出来上がり、次にBメロの導入、という感じで作られていったのだが、Bメロのフレーズどうしても『もういいかい?まぁだだよ』にしか聞こえないという事で、この楽曲は『かくれんぼ』という仮タイトルが付けられたのだが、結局その仮タイトルとイメージが楽曲の全体を決定し、最終的な完成形もそうなってしまった。
少し切ない感じのメロディーラインとアレンジ、そこにマッチした切ない歌詞が魅力的な1曲。

6:連星
前曲『かくれんぼ』から一気にイメージを変えて、明るいアップテンポの楽曲。
連星というのは自ら光り輝くことができる星、恒星の形態の一つで、2つ以上の星がお互いの重力によってお互いの周りを回っている星のこと。
夜空に輝く恒星の多くが実はこの形態の星なのである。
お互いの重力でお互いの周りをまわっているなんて、何だかカップルみたいだね、という事で作られたのがこの楽曲で、ストレートに明るい楽曲。
これまで少し陰のあるイメージの楽曲が多かったD-Helixとしては少し特異な楽曲。

7:帰り路
アルバム『Voyager』のテーマの一つ『新世界交響曲』の第2楽章に歌詞をつけた楽曲。
一般的には『遠き山に日は落ちて』と言われている楽曲だが、この楽曲に新たに歌詞をつけたのがこの歌。
メンバーは元々この楽曲が大変好きだったが、歌詞としては少し古いものがあるので、もしもD-Helixで演奏するなら何か新しい歌詞を考えなければ、という事で作られたのがこの歌詞。
新しい歌詞を考える際、全く違う世界観のものも考えてみたものの、このメロディーを聴いているとどうしても郷愁を誘われ、結果的にオリジナルの『遠き山に日は落ちて』や『Going Home』と同じような夕景を歌ったものになってしまった。

8:Children of the ...
夜、ベッドに入って眠ろうと思ってもなかなか眠気が訪れず、眠くなるまでと思いつつ余計なことを考えて、という事は誰にでも時々あることではないだろうか?
この歌はそんなイメージで書かれた歌。
余計なことを考えていたら、その余計なことが結構面白くなってしまって、結果的に眠気がなかなか訪れない、そんなことがよくある春野樹である。

9:Tele Communication
インスト曲。
前曲のイメージから次曲にイメージを変えるために挿入されている楽曲で、『Tele Communication』とは『電気通信』とか『遠隔通信』という意味。
リードメロディーをシンセサイザーとエレキギターが担当しているが、それぞれがリードを取ったりオブリに回ったりするさまで遠隔通信をイメージ付けている。

10:心の磁針
『こころのはり』と読む。
この歌のメロディーラインは実は結構前に考えていたもので、今回のアルバムのために少しリメイクして作った楽曲だったりする。
アレンジに関しては、音楽を始めるきっかけとなったバンドの影響が大きく、そうした楽曲が好きだった頃のことを思い出しつつ作ったという側面が強い。
歌詞の世界はマンガ(アニメ)『湾岸ミッドナイト』の世界観をイメージして書いた。
まったくもって頭文字D派だった春野樹はつい最近になって同作を読んでみたが、ストーリーとしてはやっぱり頭文字Dの方が好きだけど、湾岸ミッドナイトのセリフには結構グッとくるものがある、と語っている。

11:四条通り
春野樹が大学時代を過ごした京都の街をイメージして書かれた楽曲。
2022年、久々に京都を訪れた春野が見た『当時から変わらず残っている風景』や『当時から好きだった光景』などが比較的リアルに描かれているので、京都の街を知っている人は『あの場所のことかな?』とか『あの光景かな?』と思ってもらえるだろう。
大切な友人のことを思い浮かべながら聴いてもらいたい楽曲。

12:ベルリン
1989年に突如ベルリンの壁が崩壊したことは、その時代を象徴する出来事の一つだと思う。
それまで絶対にそんなことは起きないだろうと思っていたにもかかわらず、本当にあっけなく長く分断されていた東西ドイツは統一されてしまった。
人というのは、それぞれに歴史があり、そこから作られたものの見方、考え方というものがあり、そう簡単にお互いの意見を受け入れたりすることのできないものだと思う。
時にはそういうちょっとした見解の違いなどから生まれた小さな亀裂が大きくなって、修復不可能になる、という事もあると思う。
でも、あの絶対に崩れないと思っていたベルリンの壁だってあんなにもあっさり崩れたんだから、人と人の間にある壁なんてもっとわけもなく崩せるよね、という内容の歌詞。
この楽曲はほんの少しだけジャズコードに挑戦した楽曲でもあり、思い出深い楽曲。


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