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蒼い月 / あおいつきSERVICE&PRODUCTS

セルフライナーノーツ / Self Liner Notes

○○○○○○○○イメージ

蒼い月 / あおいつき

Tracks
01 蒼い月

02 蒼い月(Instrumental)












これまでに何度か高速バスを利用したことがあって、時間はちょっとかかるものの高速バスというのは料金は安くて手軽で、特に何度も何度も長距離を行き来しなければならない人にとっては有難い交通手段だと感じた。

高速バスのターミナルには、これから高速バスで遠くへ旅立つ人、それを見送る人、一人でバスが来るのを待つ人、到着するバスでやってくる誰かを待つ人、様々な人がいて、様々な人間模様が見られた。

景気の良かった時代だったら、シンデレラエクスプレスとか言って新幹線で遠距離恋愛、というのが一般的だったかもしれないけど、今みたいな不景気な時代だと高速バスで遠距離恋愛というのが一番リアルかな、と思ったし、そんな歌を書いてみようかと思って書いたのがこの歌。

まだもう少し一緒にいたいと思う二人の前に、帰りの高速バスがやってきて、言いかけた言葉も飲み込んで、みたいな感じの歌詞。
この設定、考えてみれば日本だから成り立つ歌詞で、もしもアメリカとかもっと別の国だったら、予定通りの時間にバスがやってくるなどという事はまずなくて、本当だったら午後11時にバスが出発するはずだったのにもう4時間もやってこない、みたいな歌になっていたかもしれない。

この歌もD-Helix始動時に作った歌なので、当初のコンセプトにしっかりと沿った形でアレンジされている。
エレキギターにエレキベース、ドラムのサウンドにシンセサイザーの音を融和させたサウンド。
シーケンサーのピコピコしたバッキングのサウンドもこの歌の特徴的な音で、前々からこういうの作りたかったんだよな、という音に仕上がっている。

歌の最後、サビを繰り返しながら音楽がフェイドアウトしていくと、逆にバスの走行音がフェイドインしてきて、音量が最大になったところで一機にカットアウトするという演出になっているが、実は、という話をするとあのバスの音は本当はバスの音ではない。
大型トラックの走行音だ。

というのも、実際に高速バスの車内の音を録音したものを聴いてみると、意外なほどに大人しくて、全然臨場感のない音だったからだ。
歌が終わるところでその歌の世界を盛り上げるための音として、あんなにも静かな音では話にならない、と却下した。

高速バスは夜通し走って街から街を結んでいるわけで、当然乗客の中にはバス車内で眠る人も多いわけで、高速バスの車内はなるべく静かになるように設計されているんだろう。
快適性を高めるためにはとても良いことだけれど、音楽の演出に使う効果音としては高速バスの走行音は使えない音になってしまった。

というわけであの場面の音は、大型バスと同じディーゼル・ターボエンジンを搭載している大型トラックの走行音を採用することにしたが、結果としては大満足だった。
まさに自分がイメージした演出になったと思う。

ディーゼル・ターボエンジンならではの過給音、マニュアルシフトのシフトチェンジの音など、いい感じで収録されていて、音楽を盛り上げるのに一役買っている。
ちなみに、効果音のシフトチェンジのタイミングを楽曲のリズムと合わせているので、その辺も注意して聴いてもらえると制作者としては非常に嬉しい。


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