地域・アソシエーション研究所:総会報告
はじめに
先だって実施した当研究所の第7回総会について、概要と参加者からの感想を以下に掲載する。なお、総会議案書は残部があるので、必要な方はその旨をご一報いただければ、送付します。
新たな変化の時代と研究所の役割
第7回目となる、「地域・アソシエーション研究所」総会を11月21日に開きました。昨年の総会で、創立以来代表をつとめていただいた津林さんに代わって代表に就任し、あっという間の一年でした。
思い起せば、一年前に、2008年という年が、北京オリンピック開催、米大統領選挙の年ということで、大きな変化の年になるだろうという予測を話し合っていました。しかし現実は、私たちの予測をはるかにしのぐ、厳しく大きい変化の年となっています。資本主義の世界システムが引き起す地球規模での矛盾の拡大が、人類と地球環境に深刻な危機的情況をもたらしている中で、金融商品化によるバブルが破綻。アメリカ主導の世界秩序全体が崩落の危機に直面する一年となったようです。こうした中で、私たちが創り出すべき次の社会の構想と、その道筋が、ますます、切実に求められる時代となっていることを痛感する昨今です。
関西よつ葉連絡会や北大阪商工協同組合の事業活動を基礎とする私たちの地域にこだわった取り組みが、現代世界において、社会変革の展望を少しなりとも示すことができるのか。そうした問いを「地域・アソシエーション研究所」の活動の中心に据えて、この一年、研究会活動としては「『よつ葉らしさ』の根源を探る パートU」を行い、「アソシ研懇話会」を新しくスタートさせることができました。取り組んでみて、いろいろ、不十分な面に気付かされ、検討を加えながら、多くの協力者の皆さんに支えられて、何とか一年目を終えることができたと考えています。
総会には30名余りの会員、協力者の皆さんがお集りいただきました。参加された皆さんからは、この一年間の活動報告、次年度の活動方針等に積極的に御意見、御指摘をいただくことができました。来年初めからは、新たに、専門分野の研究者、活動家を招いての連続講座型の研究会をスタートさせることも提案して、総会での承認をいただくことができました。ニュース類の内容に関して、「質的に充実して来たが、長文が続いて読みづらい」という指摘もあり、「読みづらいのは長文という面だけではなく、文体が画一的で変化に欠けるからでは」という意見も出され、今後のニュースづくりに生かしていくことを確認しました。
今後とも、会員の皆さんをはじめ、広く御協力と御批判を仰ぎながら、着実に活動を進めていきたいと思います。よろしくお願いします。(津田道夫:研究所代表)
◆ ◆参加者の感想◆ ◆
「本質」や「原理」の探求も合わせて
総会の感想を求められたのだが、どうも困ってしまった。自分が運営委員のくせにまともに総括出来てないというのが正直なところである。
私の思うにアソシ研というのはこの世の様々な運動や事件を情報として広く伝えるよりもそれを現象として把え、その「本質的意味というか原理みたいなもの探ろうとする場」である、と漠然と思っている。
「よつ葉らしさ…」シリーズは毎回大入り満員で内容も充実していたからか参加者が眠気を催す事もなく非常に意義深い企画であったと思う。韓国ドゥレ生協との交流も、国は違えど同じようなことをやろうとしている人々がいることがわかり(詳細までは不明だが)元気づけられた。これもまぁまぁ当たり(?)であった。今後の交流が楽しみである。
このぐらいまでは私なりになんとなく実感できるのだが、私が思う上述したアソシ研の「事象の本質的意味…」のところからの総括を、自分自身ではどないもようせんし、されてもわからん。どうしてもニュースの発行や何かの集まりの感想、報告、次の企画とかの話に終始してしまう。勿論、具体的な話も必要なのだが、原理的なところの議論が少なくなりがちである。

原理だの本質だのの七面倒くさいこと、それだけが全てではないし、その視点からの完璧な総括はできない。しかし、その一点を外すわけにはいかない。ここのところがアソシ研のアソシ研たる所以であり難しさなのかな、と思う。世の中色んな人々が色んなところで色んなことをやっているし、なんぼか区切りのついたところでそれなりの総括をし、次の方針を出して実践するが、なかなか原理の探求までは手が届かない。
その点、我がアソシ研のメンバーは、プロ・アマ、現・前を問わず知識人、政治家、運動家と多士済々である。しかも情熱も実績も申し分ない。アソシ研には是非ともそういうところからの原理的議論の模索情報等を発信して欲しい、との巷の声もチラホラ。
無責任の謗りを免れないかもしれないが、私自身は論理的思考に興味関心はあっても能力の点で向いてないので、介助さえあればなんとか貧しい探求心が維持できるのではなかろうか? そんな自分勝手な都合もあって運営委員を引き受けた。だが、いざここに至って真剣に考えれば考えるほど、アソシ研のような集まりをどの様に運営していくのか? 私自身の中に全くといっていいほどアイデアがないことに気がつきだした。
情けない話だが、行動や思いの共有はなんとなくイメージできるのだが、アソシ研のような知的組織のあるべき姿が具体的に浮かばないのである。アソシ研が外に対して存在感をアピールしていけば必ず反応があり、刺激となって自らにかえってくる。しかし、内部での問題意識の煮詰め合いが不十分だと、刺激への反応も発信力も弱くなっていく。個々の企画や催しは、他のところでも代替えできるやも…? とすれば我がアソシ研のオリジンは? 今のアソシ研の目指すべき課題は? そんな小難しいことを考えさせられた総会でありました。(渡邊 了:府南産直センター代表)
今後も“Think globally. Act locally”で
今総会を機に、3年ぶりにアソシ研の運営委員を引き受けることになりました。
アソシ研の立ち上げ時に、「参考になるので」と事務局に誘われ、神奈川県の「参加型システム研究所」を視察してきました。神奈川生活クラブ生協や神奈川ネットワーク運動(ローカルパーティ:地域政党)のシンクタンク的な役割を担っていました。当時、アソシ研の活動イメージがつかめない中でしたが、「参加型システム研究所」の活動などを聞くことで、少しイメージできたことを思い出します。
私はその後、神奈川ネットワーク運動のようなローカルパーティのイメージではないのですが、北摂7市3町を中心とした市民派議員のみなさんに呼びかけ、連携して政策提言や具体的なアクションを起こす「北摂アクションネット」を作り、現在も活動を続けています。
私たちの活動の基本は、ありふれた言い方になりますが、“Think globally. Act locally(地球規模で考え、足下から行動する)”です。アソシ研がそのつなぎ役として情報を発信し、サポートしていくことが求められていると思います。(八木 修:大阪府能勢町元町議)
