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リレーコラム:「地域・自治」

子どもたち、子育て真っ最中の親の声を届けたい

ここ数年、全国的に遊具利用中の大きな事故が続きました。舟形ブランコでの死亡事故、箱ブランコでの大腿骨骨折、回転遊具や滑り台での指切断などは、記憶に新しいところです。厚生労働省の調査によると、1997年〜2001年の5年間に1ヵ月以上の加療を要した事故が2613件、うち死亡事故が3件という結果でした。

かつて遊具での事故は、「たまたま起こった不幸な出来事」あるいは「親や子どもの不注意に問題がある」と捉えられていましたが、昨今、事故原因が遊具の構造上の欠陥や老朽化による劣化などに起因することが明らかになってきました。川西市では、専門家による安全点検を行い、撤去・補修を施しました。

そこまでは良いのですが、厳しい財政状況のため、撤去した後、遊具設置を行わない公園も出てきています。公園前で演説していた際、若いお母さんから「子どもたちの大好きな滑り台がなくなって残念。何とかして」との意見を聞きました。2002年に国土交通省は、「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」を出しました。そこには「子どもが遊びを通して、心身の発育発達や自主性・創造性・社会性等を身につけてゆく『遊びの価値』を尊重する」と記されています。子どもにとって遊びは成長に必要不可欠であり、安全な遊び場の確保は大人の義務です。ガイドラインの趣旨からしても、「必要な遊具を速やかに設置するべきだ」と私は議会で主張しています。

子どもたちや子育て真っ最中の親の声は、なかなか政治に反映されません。自治会役員など地域の実力者は高齢の方が多い、若い人は政治に関心が薄く政治参加の術を知らない…理由はいろいろ考えられます。虐待、いじめ、学級崩壊など、子どもたちや子育てをめぐって難しい問題に直面するなか、私は子育て世代の議員としての役割を果たしていきたいと、決意を新たにしています。(北上哲仁:川西市議)


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