リレーコラム「地域・自治」(26)
学校での虫歯予防にフッ化物洗口は止めるべき!
フッ化物洗口とは、虫歯予防のためにフッ化ナトリウムの0.2%水溶液10ccを口に含んで、1分間ブクブクうがいをするものです。亀岡市では、1996年から全小学校で週1回、クラス担任の指導のもとで実施されています。京都市も、2007年までに全ての小学校と養護学校で実施しようとしています。薬物を使った医療行為を学校で全員一斉に行うことに、問題があります。
先ず、使用されるのは工業用試薬のフッ化ナトリウムで、医薬品ではありません。劇薬であるにもかかわらず、保健室に置かれて、養護教員が洗口液を調合するのです。濃度に間違いが起きないとは限りません。しかし、保護者に対する説明は入学前の健診時に歯科医から虫歯を予防するのに有効だという話があるだけで、充分な情報は与えられません。入学時に保護者が印を押して申し込む形式を取っていますが、インフォームドコンセントに欠け、選択権がありません。学校が集団で行うことにノーとは言いにくく、人と違っていることに圧力があるのも事実です。フッ化物洗口をしない子には水で皆と同じようにうがいをさせる学校もあります。
洗口液は飲み込んではいけないので、1分間もブクブクうがいをした後、口から吐き出します。子どもたちに誤飲が起きないとは限りません。しかし、保護者や子どもにリスクやデメリットの説明がされていなければ、気分が悪くなったり、体調がおかしくなっても、その原因がフッ化物洗口にあるかもしれないとは思い至りません。
フッ化物洗口の安全性については、専門家の間でも賛否両論があります。歯の性質は個々に違いがあるのですから、その子にあった虫歯予防は医療機関で歯科医師のもとで行うのが一番いいのです。学校では、歯ブラシによる歯磨き指導があれば充分です。
(亀岡市議・しのはら咲子)

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