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総会報告:研究所「第二期」の始動に向けて

はじめに

当研究所は10月19日(金)、よつ葉ビル5階会議室にて、第6回総会を開催した。あいにくの雨天ということもあり、参加者は35名と、これまでよりやや少なかったものの、およそ2時間半にわたり、密集した交流の機会を持つことができた。以下、簡単ながら、今総会の模様を報告したい。

今総会の特徴

今回の総会は、今年度の活動をめぐって総括を行い、それを踏まえて次年度の方向性を確定していく通常の形式とは、やや位置づけを異にしたものとなった。すなわち、研究所の設立から5年にわたって取り組んできた活動全体の概括的な反省を通じて、現在の研究所が抱える問題点を歴史的に対象化し、その克服に向けた作業内容、それに伴う組織的再編を提起したことである。

こうした特徴は直接的には、設立以来代表を務めてきた津林邦夫が、地域における実践上の要請から退任し、別団体に移籍したことに起因する。と同時に、研究所の活動そのものが一定の限界に直面し、それが否応なく自覚されつつあったことも大きな要因である。

この点を象徴するものとして、前回の総会を前後して生じた、研究所運営委員会のあり方をめぐる議論を挙げることができる。要するに、運営委員会における議題が活動報告やスケジュールなど実務上の確認事項に終始し、運営委そのものが停滞している、との内容だが、裏を返せば、それは研究所の方向性をめぐる議論が組織されていないということでもある。

ちなみに研究所の「会則」では、運営委員会は次のように規定されている。

・会員の中から自薦・他薦による運営委員会を 選出、総会の決議に基づいてその具体化をはかる。運営委員会は、必要に基づき会員総会を招 集することができる。

・運営委員会の下に事務局を置き、事務局が具 体的活動・業務を行う。

いわば、実務を執行する事務局に対して、その内容を監督・指導する機関との位置づけである。こうした機能が弱くなっているとすれば、その理由はどこにあるのか。第一に考えられるのは、運営委員といえども研究所の活動について十全に把握しているわけではなく、また各々が抱える諸活動に規定され、研究所の方向性に関わる見解を煮詰める時間の確保が困難なことである。その結果、各運営委員にとって、各々の現場で日々生み出される問題意識を研究所に集約し、全体として考えていくという経路が見えにくくなったものと思われる。

しかし、そうであれば逆に、各運営委員が抱える潜在的な意見や問題意識を引き出し、論議の場を形成する意識的な働きかけが必要となる。この点では事務局の役割が問われるが、それが充分でなかったところに第二の理由があると言えよう。もちろん、事務局としてもこの点を考慮しなかったわけではない。会議や機関誌上における各種の活動報告を通じて、研究所としての着目点や問題意識、それを踏まえた活動の方向性について見解を提出してきたつもりである。

にもかかわらず、現実に議論が停滞している実態を考えれば、事務局側の問題意識が各運営委員のそれと噛み合わず、その結果、事務局を含めた運営委員会全体が、研究所の活動を監督・指導する視点、それを実行する組織体制の不在を露呈した、と考えられる。いずれにせよ、しばらく混乱が続いた。

設立以来の総括をめぐって

上記の点に絡んで、今総会における津林邦夫の提案「設立以来5年間の総括について」は、次のように指摘している。

設立からおよそ2年間は、研究所の基盤つまり活動実績作りに重点を置いた。よつ葉グループの諸実践と関わって、社会問題一般や時事的トピックスを対象にフィールドワーク、講演会、学習会を行うことを通じて、研究所の基盤はある程度形成された。

それ以降は主に、国内外におけるアソシエーション実践に着目し、その特徴を捉え、普遍的な観点でよつ葉グループ内に問題提起することに力を注いだ。同時に、その受け手となるべき研究会を組織し、内部的な蓄積の拡充を目指した。

反面、よつ葉グループの諸実践に関する整理や総括、それに基づいた共通認識や未来像の発信という点では、部分的な模索にとどまっている。とはいえ、いずれも実践現場における論議の進展や深化、問題意識の主体的整理を抜きに考えることはできない。この点を無視して何らかの理論的枠組みを当てはめようとすれば、単なる啓蒙一般、あるいは概念に合わせた現実の切り取りにしかならない。

以上をまとめれば、設立以来の研究所の歩みは、@よつ葉グループの諸実践に同伴する中で始動し、A次第に研究所としての独自の活動領域を確立した反面、B現場の諸実践と研究所独自の活動領域との間に一定の懸隔が生じ、Cそれを埋めるべく、今や現場の諸実践との連携を意識的に再構築する段階に差しかかった、と捉えることができる。

すなわち、先に記した運営委員会をめぐる議論の混乱は、設立当初の試行錯誤が一定の活動内容に定着し、相応の成果を上げたからこそ生じた事態であり、それまでの従来の組織のあり方、活動形態の限界が自覚されるようになったことの現れと言えるだろう。

続く津田道夫の提案「今後の活動方針について」は、こうした総括を受けたものである。

津田提案は、およそ30年にわたる経済活動―政治活動の蓄積の中でつかみ取られた自らの問題意識を5点にまとめ(注)、それら研究所設立時における問題意識が、研究所の活動の中で豊富化され、あるいは変容を受けたとし、その意味で、研究所の存在は「重要である」と指摘する。

しかし同時に、これまでの研究所の活動そのものは学習会主義的な傾向が色濃く、「自分たちの進めてきた活動を抽象化する作業は不十分だった」との反省も加えている。それは同時に、「研究所を支える各単位の人たちへの働きかけも、どちらかと言えば共鳴する思想や原理を啓蒙する活動の組織化が中心となって」きた実態と表裏一体の関係にある。こうした把握は、先の津林提案と重なるものである。

もちろん、目の前に生じた問題に具体的な対処を迫られる現場の諸実践と、そうした問題を抽象化し、概念的に普遍化して捉えようとする研究所の活動は、一足飛びには合致しない。両者の間に生じる懸隔は、むしろ不可避的でもある。とすれば、懸隔の存在を単純に否定すべきものと捉え、一方が他方を呑み込むような形で解決を図るのではなく、あるいはその不可避性に開き直るのでもなく、両者が相互に懸隔の存在を意識し、それを乗り越えるべく働きかけ合う中で、形式的な合致にとどまらない、高次の質的な統合が可能になるのではなかろうか。

※  ※

(注)5点のまとめ
(1)持久戦を闘い抜いて社会変革を目指す地域拠点づくりが戦略的目標。
(2)労働・生活領域全体を貫いている商品市場経済原理への批判、対抗運動の活性化・蓄積が実践的課題。
(3)権力奪取は不可欠。けれどそのプロセスが重要。
(4)対自然、対人の協働労働を自前で組織化し、生産活動を地域活動の中心に置くことが必須。
(5)全国、全世界の同様の運動、地域とのつながりを常に追求し、それらを結ぶ政治主体の建設が同時に追求されるべき。

今後の活動方針をめぐって

上記の反省に基づき、津田提案では今後の研究所の活動方針として、@研究会活動、A機関誌活動、B懇話会活動―の3点にわたって、具体的な提起が行われた。

@については、昨年度に短期集中で取り組んだ研究会「『よつばらしさ』の根源を探る」の続編が構想されている。

前回は、よつ葉グループの主張内容について、その理論的・歴史的な源流を、いくつかの著作や論文を題材に検討し、確認するという形式で取り組んだ。今回はそれを踏まえ、よつ葉グループの形成から現在に至る活動の中で、思想上・実践上の転換点となった事件や論議を取り上げ、関係者の体験談を題材に、その現在的意義を論議する予定である。

これを通じて、従来は不十分だった「自分たちの進めてきた活動を抽象化する作業」に着手すると同時に、啓蒙活動を超えた共同作業としての内実が形成されるものと考える。

Aについて、とりわけ本誌の内容に関しては、これまで人的な力量から、事務局が手工業的に企画・執筆してきた体制を再編すべく、運営委員会に編集会議の機能を加え、組織的な企画・執筆の体制を確立する意向である。

実際、現行の編集体制による機関誌活動については、一定の評価を得られるようになった反面、比較的長文が多く、抽象的な概念を踏まえる必要がある、との理由で、読まれてすらいない実状もある。これ自体、先に触れた懸隔の一例だが、研究所の活動内容を表現する最も確実な手段が機関誌である以上、速やかな改変が求められる。

この点では、組織的な編集体制の確立に伴い、新たな執筆者への開拓やコラム欄の拡充、現場の諸実践に関わる報告を掲載するなど、多様な誌面作りを試みていく予定である。なお、部分的には、9月から事務局に参加した松平によって、これまで配布してきた新聞・雑誌のコピー資料に対し、まとめのコメントを付して分かり易く伝える試みが行われている。

Bに関しては、「アソシ研懇話会」(仮称)として計画中である。基本的に会員を対象とし、注目すべき研究者、活動家を報告者に招いて論議したり、将来的には研究所側でテーマを決めて報告・論議を行う方向で考えている。

一般的な講演学習会に比べれば、やや高度な内容を軸に、論議を中心とした形態で行う予定である。研究所総体のレベルアップと同時に、先端的な研究者と継続的な関係を確保することも狙いである。

年間で3〜4回の開催をメドにしているが、位置づけや実施形態をめぐっては、新規の運営委員会で詰めの作業を行う。できれば、年内に第1回目の懇話会を行いたいと考える。

昨年度の活動について

以上、今総会の特徴に絡め、設立以来の総括と今後の方針について紹介を行った。次に、総会での順序は逆転するが、昨年度の活動報告について、若干ながら触れておきたい。

【研究会活動】

グローバリゼーション研究会ではこの一年、新自由主義的グローバル化の事例検証として、中南米諸国の動向を題材に、80年代における急進的自由化の影響、近年の「左派」政権誕生をもたらした社会運動の状況などに関する検討を行った。

一口に中南米諸国と言っても、各々の社会状況は異なり、新自由主義からの脱却過程についても、「上から」「下から」といった違いがある。ただし、必要に迫られてではあれ、既存の国家・行政システムに依拠することなく、基層民衆の協同に基づいて自前で経済建設、社会諸関係の再構築を果たそうとする指向を持った社会運動が存在し、そうした指向や実践の上に代表制の次元における転換が実現された点は共通している。

こうした経験と日本の状況について、どのように摺り合わせ、実践的な課題として提起できるか。このあたりが今後の課題となろう。

「農」研究会については、前年度からの継続課題として、資本主義と農の関係を念頭に、マルクスの自然観、近代批判としての安藤昌益などを題材に検討を行った。もちろん、これらは極めて幅が広く、また奥の深い問題であり、素人がおいそれと手を出しかねる領域ではあるが、逆に言えば、ライフワーク的に長期の構えで取り組むべきものだろう。

一方、これまで内部研究会を中心に進めてきた「農」研究会だが、今回初めて、野田公夫氏を講師に招き、講演学習会を実施した。そこで判明したのは、農業・農村・農民の歴史的変遷に関わる認識の欠落である。われわれは、ともすれば現在の日本農業の状況から問題を設定しがちであり、それはそれで重要だとはいえ、やはり歴史的過程としての「現在」を押さえる必要がある。とくに「農」については、人類史的な長期の視点、資本制の浸透に伴う中期的視点、20世紀後半からの短期的視点など、それぞれの特質を踏まえたトータルな把握が必要とされるだろう。

「地域」研究会については、前回の総会で提起したものの、何ら実現しないまま1年が過ぎた。計画段階での詰めが甘く、具体化するにあたっての指導性が欠落していたためである。いずれ、捲土重来を期したい。

以上を踏まえ研究会活動総体として見た場合、遅々とした歩みではありながら、年ごとに一定の蓄積を行い、視野も拡大していることは間違いない。反面、各研究会の自律的展開という点では課題も多く、成果のフィードバックについては依然として模索の途上である。

もっとも、現有の条件からすれば飛躍的な変化を期すことは困難である。基本的には、参加者が自らの関心に基づいて主題を設定し、その検討を積み重ねながら共有していくことになるだろう。参加者の拡大が望ましいのはもちろんだが、これはむしろ、通常の研究会の充実を踏まえ、幅広い層を対象とした講演学習会につなげることによって果たされるはずである。

【対外活動】

昨年度は統一地方選挙の実施期間と重なり、代表が選挙関係の実務に専念していたことから、4月以降は実質的に事務局が1人となったが、その割には積極的に対外活動を行うことができた。

国際領域では3月、韓国、タイを立て続けに訪問した。韓国のドゥレ生協連合会からはこの秋、訪問団が来阪することになり、交流の深化が実を結びつつある。東北タイ訪問は、アジア農民交流センターの企画に参加したものであり、現地との直接的な関係を構築したわけではないが、参加者同士の交流を通じて、旧来からの関係の強化、新たな関係の形成といった成果を挙げることができた。また、北タイについては、直接的な連携が可能な条件が形成されており、今後の現地訪問などを通じて、実現に結びつけたい。

経済グローバル化に対抗する民衆レベルの取り組みでは、昨年に形成された共同行動が発展し、アジア開発銀行(ADB)京都総会に対抗する市民フォーラムへの参画につながった。同時に、この機会を通じて、各種NGO団体との関係も広がった。

これらは、世界的な視野の中で日本の現実を考えるとともに、オルタナティブの普遍性や同質性を探る上で重要な機会である。よつ葉グループの対外的窓口の一端を担う点からも、さらに積極的に推進していきたい。

また、非営利・協同セクターに関する分野では、実践=研究に関わる論議の場への参加を通じて、第5回総会の反省を生かすことができたと思う。同様の企画に継続して参加し、理論的な深化につなげると同時に、独自の探訪企画も追求したい。

【関係諸団体との連携】

よつ葉グループの関係各団体との連携については、従来に引き続き、よつ葉連絡会研修部会、北大阪商工協同組合に定期的に参加し、議論や学習会企画などで役割を果たした。

先に触れたように、研究所としては、現場の諸実践との緊張関係の中で自らの活動を問い直すことが、ますます重要になっている。現場との関係を有していることは、理論活動の点でも間違いなく強みである。研究所固有の活動を軸とするのはもちろんだが、可能な限り機会を捉えて生産・流通の現場に肉迫し、そこにおける諸問題を自らの活動に繰り込んでいきたい。

研究所「第二期」の始動に向けて

長期的な総括・方針提案と昨年度の活動報告という、盛りだくさんの提起が続いたため、今総会では残念ながら、充分な議論の時間を確保することが困難となった。そこで、研究所設立以来、陰に陽にお世話になっている御三方に、代表してコメントをいただくことにした。

まず、田畑稔氏(大阪経済大学)は、研究所を含むよつ葉グループの特徴として、経済活動と政治活動が分業的ではなく行われている点を挙げ、そうしたあり方は今日の「陣地戦」的な変革過程にとって大きな強みであること、この強みをさらに発展させる必要があること、その際に研究所の果たす役割は今後ますます大きくなること―などを指摘された。

続いて橋本昭氏(アグロス胡麻郷)は、研究所の対外活動およびその報告について、日常的に中山間地の村で生産活動・地域活動を行っている人間にとって、非常に勉強になるとしつつ、その上で、そうした各地の経験を「反転」し、自らの足元の活動にどうつなげていくのか、その点についてもさらに言及すべきだ、と指摘された。

また、本野一郎氏(兵庫県有機農業研究会)は、有機農業推進法の制定運動を主導した経験を踏まえ、システムに内在しつつ、その軸をズラしていくような変革のあり方について言及するとともに、多様な変革の構想が重なり合うことによって現実の局面が間違いなく変化すること、よつ葉グループも、ぜひそうした変革構想を発信すべきこと―などを強調された。

いずれのご意見も、耳の痛い部分はあるが、研究所の今後を考える上で貴重な財産である。

振り返ってみれば、2002年秋に発足して以降、研究所は、一方では米ブッシュ政権の「対テロ戦争」に象徴される「力による平和」が、他方では小泉「構造改革」に見られる「優勝劣敗」が跳梁跋扈する、暗澹たる時代状況に位置してきた。

しかし、周知のように、この間こうした状況は急速に変化している。日本国内を見ても、ここ数年にわたって続いた新自由主義の浸透によって生じた、人間関係、社会関係の希薄化がもたらす諸問題を受け、ボランタリーな結合に基づく課題別の各種団体の形成が、あるいは自治会など従来型地縁組織の再活性化が取り組まれている。地方の沈滞や疲弊が叫ばれる一方で、そうした現状を中央依存、中央指向によってではなく、地域に潜在する諸資源の再発見によって乗り越えようとする地域再生、まちづくりのさまざまな試み。雇用・労働環境の悪化に対しては、協同労働や仕事づくり、対抗的労働の模索も生まれている。

こうした中でこそ「変革論としてのアソシエーション」への要請が高まってくるが、それは段階的直線的な道程ではなく、行きつ戻りつする「陣地戦」の過程でもある。さまざまな領域、次元においてアソシエーション運動が進展し、一定の地理的限定を持った空間すなわち「地域」の中で重層的に交差していく中で、建設されるべき新たな社会の質を内包した対抗的陣地が姿を現してくる。逆に言えば、こうした「アソシエーション」と「地域」の交差を自覚的に推進しつつ、陣地の面的確大、質的進化を追求していく役割が、決定的に重要となる。

当研究所は上記の動向を受けとめながら、設立から5年、いわば「第一期」の蓄積を担保として、各所で現に生じている「地域」と「アソシエーション」をめぐる多様な議論や実践に、さらに積極的に参画し、それを通じて、新たな社会を目指し得る陣地の確保に向けた働きかけを強めていく。この点を「第二期」研究所の目標に据えたい。

人事報告、新たな代表・事務局員のあいさつ

●人事

代表:津田道夫(非常勤)
事務局員:山口協、松平尚也(非常勤)
ボランティア:大庭弥生(非常勤)
運営委員:江守昭彦(鰍ミこばえ)、河合左千夫(鰍竄ウい村)、北上哲仁(川西市議)、下村俊彦(関西よつ葉連絡会事務局)、鈴木伸明(安全食品事業協同組合)、田中昭彦(関西よつ葉連絡会事務局)、津林邦夫(北大阪合同労働組合)、福井浩(元・兵庫いきいきコープ)、渡辺了(兜{南産直センター)、ほかに代表、事務局員

●あいさつ

津田道夫

個人的には、地域・アソシエーション研究所の設立というのは、私達が1960年代後半から実践し、語り、めざして来た社会運動を総括していく場をつくることだと考えてきました。

自分たちが構想し、人々に働きかけ、築いて来たものが、歴史の中でどのように位置づけられ、どこで前進し、どこで後退しているのか。ともすれば、日常的な現場での仕事にかまけて、先延ばしにしたり、曖昧なままにしがちな思考を、協働して来た人たちと一緒に、少しでも前に進めていこうというのが、アソシ研設立の目標だったと思っています。

どちらかと言えば苦手な領域である、そんなアソシ研の代表を引き受けることになって、少々気が重いというのが正直なところです。けれど、日頃から「苦手な仕事から逃げるな」と若い仲間に言って来た手前もあって、覚悟を決めて、アソシ研のめざす課題が少しでも前進するよう、励んでいきたいと思います。これまでと変わらない、御批判、御協力をよろしく。

松平尚也

初めまして。9月から研究所で週二回手伝いをすることになりました。京都市右京区(旧京北町)で田畑と向き合いつつ、研究所に通っています。

農村に入ったきっかけは、アジアの農民(もちろん日本も)やメキシコの農民の状況を見たことが背景でした。現在、地域から消失しつつある漬菜を栽培していますが、これからはアジア中心に種を手に入れて植えていこうと考えています。

それ以外にも、アジア農民交流センター(AFEC)や京都自由学校等のNGOや市民活動をしながら、食や農業の問題に関わってきました。特にアソシ研とは、香港WTO(世界貿易機関)閣僚会議反対行動、そして昨年のFTA(自由貿易協定)に関してタイの農民受け入れを協働して行った頃からつながりを深め、今回働くことになりました。

アソシ研では主に、新聞切り抜きにコメントを加えた資料の作成を担っています。ただでさえ食や農業に関する本質的な情報が少ない中、会員はもちろん、一般にも理解される内容を追求していきたいと考えています。よろしくお願いします。


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