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市民環境研究所から

ミャンマー市民支援 ご案内とお願い


 アフガニスタンやミャンマーと異常事態が報じられ、どのような事態なのかもなかなか分からないままに2021年が終わっていく。しかし、ちょっとしたきっかけでミャンマーの人々から支援を要請され、友人知人に教えてもらいながら、ミャンマー支援の仲間に加えてもらった。本誌の読者の方々のお力添えをお願いしたく、厚かましく書かせていただくことにした。

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 筆者は1998年春から京大に新設されたアジア・アフリカ地域研究研究科の東南アジア専攻所属に農学部から移籍した。本来ならば東南アジアのことを研究テーマとすべきであったが、既に十数年もの間、中央アジアを研究していたので研究テーマも変えることなく過ごした。それゆえ、東南アジアのことなどほとんど知らず、ミャンマーのこともいまだにビルマと言ってしまうほどの音痴である。しかし、ミャンマー連邦共和国で、1990年には総選挙が実施され、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したものの、政府は政権移譲を拒否し、スー・チー氏らの民主化勢力を軍政が弾圧し、彼女は15年に亘る自宅軟禁に置かれた。そして、2015年11月8日、総選挙でスー・チー議長率いるNLDが大勝し、続いて2020年11月8日、総選挙でもNLDが再び大勝すると、3ヶ月後の今年2月に軍がクーデターで政権を転覆し、ミャンマーは暗黒の時代に入った。

 クーデター後のミャンマーを表した大西信弘さん(京都先端科学大学)の文章を引用させてもらう。

 「クーデター以降、ミャンマー市民の日常は一変してしまいました。電話やインターネットが規制され、銀行からお金を引き出すことも容易ではなくなりました。深夜に銃声が響く不安な日常です。軍政は、抗議をする市民に容赦なく銃弾を浴びせかけ、すでに軍政によって命を落とした市民は1000人を超えています。」

 そのような故国から日本にやってきたミャンマー女性が京都に住んでおられ、声をかけていただいた。以下は彼女からのメッセージである。

 「現在、私はミャンマーのCDM(市民的不服従運動・Civil Disobedience Movement)に参加している公務員達と難民達の支援をしています。難民に必要なもの、例えば薬、マスク、食べ物などを戦争があるところに送っています。ご存知のようにこれをやるのも結構大変なことなので、送金方法や送り方を変えながら毎月送っています。日本にいるミャンマー人は自分のお給料からほぼ30%を人々のために支援しています。」

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 私たちに何ができるかと話している内に、大西さんが「これまで20年にわたってミャンマーで調査・研究を続けてきた中でとらえた、美しいミャンマーの姿を皆さんに紹介することで、一年間、ミャンマーのカワウソと自然を見ながら、一日も早いミャンマーの正常化に思いを馳せてもらいたいと考えました」と話され、ミャンマーの人々を支援するために来年度のカレンダーを本人撮影の写真で作製し販売して、ミャンマー市民の立場に立った支援ができないかと提案された。そして、添付画像のような素晴らしいカレンダーが完成し、現在、販売活動を進めている。
料金:1部1000円 送料:10冊まで180円
申し込み先:ishida@beige.plala.or.jp
送金先:京都銀行百万遍支店146-4126294 石田紀郎

 筆者も販売に参加させていただいている。下記の宛名まで申し込みいただければ幸いである。まだ見ぬミャンマーに、平和になったミャンマーに、言葉も話せない自分もカレンダーの中の風景の一隅に立ちたいと願っている。

            (石田紀郎:市民環境研究所)


  


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