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地域から政治を考える
世界中で拡大する民衆叛乱
生活と政治を一体のものとして
地域からの闘いを展望する
これで最後の原稿になります。あまりいい原稿が書けなくて申し訳ありませんでした。「地域から政治を考える」というテーマでしたが、実は十分に地域活動がやれていない分、内容も表層的なものに終わっていたように思います。これからは、文字を書くよりも、実際の地域での活動に専念していきたいと思います。
今年は、既存の政治、既得権益を持つ者に対しての叛乱が世界中で拡大しました。いずれも、きっかけは大きな政治課題をめぐってではなく、無料通話アプリへの課税であったり、地下鉄の値上げであったり、年金制度の改革であったり、人々は生活の問題から起ちあがっています。レバノンでは、それが従来からある宗教的な分断社会を超えるものになっています。来年は、さらに激動するのではないかと思っています。
70年代の石油ショック、ドルショックによる、スタグフレーションの発生の中で、インフレを悪者として、赤字財政に反対し、小さな政府を掲げる新自由主義的な政策が登場しました。それは、社会主義の崩壊と共に、資本の自由を拡大し、それまでの労働者市民との協調路線から、対決路線へ、さらには、一部の人間だけが繁栄を謳歌し、それ以外の人間を労働力コストとしか見ない社会が世界的に作られてきました。
いま世界で起こっていることは、こうした新自由主義の破たん、人間をコストとしてしか見ない政策の破たんであり、人々は生きる権利のために立ち上がっています。
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翻って、日本の資本主義も、金持ちや大企業の繁栄と、大多数の国民の貧困化の前で破たんしています。国民が豊かにならないと経済も発展しないことが明確になっています。
安倍政権が、金持ちや大企業の繁栄を押し進め、権力を私物化していることに対して、人々が気付き始めています。
とはいえ、これまでのような大きな政治課題をめぐって対決しようとしても、そこに関心を持つ人々は限定されるでしょう。そうした人たちの外にいる人々こそ立ち上がらなければなりません。そのためにはどうすべきか。政治的な立場を超える真の国民的な課題、人々の生活実感の中から湧き出る課題をつかみ取らなければならないと思います。
野党が数合わせに終始しているだけでは、勝利することはできないでしょう。先の参議院選挙では、野党共闘で統一することのできた一人区では勝てましたが、それ以外は敗北しています。地方の首長選挙では、野党共闘はできても勝利できなかったところもあります。
野党共闘で統一することは重要ですが、それだけでは無党派層の掘り起こしや自民党支持層の掘り崩しにはつながらないことも明らかになっています。野党自身の闘い方が問われています。
やはり、具体的な生活実感からどれだけ人々を揺り動かせるのか、この点がカギになるはずです。そうでなければ、現政権を打倒し、政権を獲得することはできないでしょう。
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私たち北摂反戦民主政治連盟は、大衆的な政治団体です。メンバーはいずれも北摂を中心とした地域的なまとまりの中で暮らし、働きながら、政治について考え、活動を積み重ねてきました。
決して十分とは言えませんが、人々の生活に密着した経済活動にしっかりと足場を持つことで、人々の生活実感と政治の課題を一体のものとして捉え、闘いをつくりだしていきたいと考えています。
一見政治的でなさそうな生活の問題も、私たち全体の力で解決していかなければならないと自覚したとき、私たちの闘い方も変わっていくのではないでしょうか。
ともあれ、今後は地域での活動の中でお目にかかるかもしれません。その節はよろしく。
(戸平和夫:北摂反戦民主政治連盟)