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地域から政治を考える

迫り来る「安倍改憲」を止めるには?


 もうすぐ2018年がやってきます。大変な年になりそうです。まずは1月22日から始まるとされている通常国会で改憲の発議までいくのかどうかが焦点です。再来年の19年には、統一地方選挙と参議院選挙があります。改憲の発議が行われる時期によっては、これらの選挙と同時期に国民投票が行われる可能性もあります。

 振り返れば、安保法制、秘密保護法、共謀罪と違憲立法を強行され、2017年にはモリカケ問題で追い詰めながら政権の延命を許し、与党の圧勝という結果を生んでしまいました。“小選挙区制のマジック”と言うのは簡単ですが、与党勢力の力が強いことは明らかであり、加えて維新、希望など与党補完勢力が存在する現状では、私たちの闘いは容易ではありません。

 立憲野党と市民の共同の重要性は、衆議院選挙でも確認されることになりました。権力の側も野党共闘を解体させる策動を行ってきました。それを超える力をどのように作り出すかという問題です。当面の目標である改憲を阻止するために全力を挙げていかなければなりません。

 いま、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」で3000万人署名が提起され、全国で署名活動が行われています。その重要性は言うまでもありませんが、3000万人の署名を集めるのは容易ではありません。これまでのやり方を変えて取り組んでいく必要があります。

 市民の運動は、野党共闘の推進役を超え、無党派層を獲得していく役割が問われています。これまでの街頭での宣伝だけでは、無党派層を動かせないことは明確です。地域の中で一人一人を組織できるかが要になります。日々の活動の中で人とのつながりがどれくらい出来ているかが問題となります。

 衆議院選挙が突然来てしまったために、私たち自身は結局、街宣とチラシまきに終わってしまい、無党派の人々のところへ伝わりませんでした。方法としては市民運動の側で賛同人を集める方式で、一人一人に働きかけることを想定したものの、実現することはできませんでした。

 市民運動自身も「風」任せではなく、自前で組織していく活動が必要とされていると思います。これまで憲法カフェやその他のイベントで地域の人々を集めようとしてきました。現状では十分な広がりをつくれてはいませんが、繰り返し行っていくことが必要であり、様々なレベルでの集まりをつくり、参加者の中からつながりを拡大する必要があると思います。

 安倍改憲を許さない闘いの中心軸として、改憲論の背景にある情勢に対して、日本の平和と安全は憲法9条によって初めて守られるということを、説得力をもって説明していく必要があると思います。戦争の危機を煽り、戦争ができる国を実現しようとしている政権に対して、軍の合法化と軍備の強化ではなく、憲法9条の立場に立つ平和的な外交こそが日本の平和と安全を保つことができることを、明確に説明していくことが重要だと思います。

 世論では、専守防衛の自衛隊は支持が多く、歴代政府も合憲としてきました。それを前提とするなら、自衛隊を憲法に明記する必要はなく、むしろ明記したほうが危険であると訴えていくことが必要だと思います。

 これまでの在り方を超える仕方で安倍改憲を許さない闘いを作り出していく必要があります。それは、統一地方選挙でも問われることだと思います。

                                             (戸平和夫:北摂反戦民主政治連盟)





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