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地域から政治を考える

野党共闘の実現のために

市民運動が争点を明確にし 地域で政策協定をつくる役割を

1月28日、茨木市で行われた「市民と野党の共同実現のつどい」に参加しました。衆議院の解散総選挙が噂される中で、野党の統一候補が必要だと思い、自分たちの選挙区でどのような形で共闘が実現できるのかを考えていました。民進党の候補者や共産党とも話をしました。民進党の候補者は、自由党、社民党の推薦を受けたといい、ところが共産党とは一緒にできないという。しかし、単純にこれまでの選挙結果を見ても、民進党の得票は共産党よりも少ないのは明確でした。ほんとうに選挙に勝利したいのか、疑いたくなります。一緒にできない理由というのはいつも、連合が反対しているということです。しかし連合は、新潟知事選挙でもはっきりしたように、反原発の知事をおとすために平気で自民党を支持するような人たちです。それでも自民党の候補者は選挙で勝てませんでした。民進党も連合に気をつかっても、選挙に勝利することができないのは明らかです。その溝をどのように埋めるのかということを考えていました。

「つどい」で、「市民連合みえ」の経験を聞いて、回答を得た思いでした。

そこで学んだのは、第一には、「ブリッジする」ということでした。一緒に共闘できないという民進と共産党に対して、市民連合が民進と政策協定を結び、その政策協定を共産党とも結ぶ形でブリッジすることで野党共闘を実現したこと。そのためには市民運動の側がしっかり政策を持つことが重要だ、ということです。ブリッジという発想はあっても、これまで自分たちの主体の側に明確な政策をもってやることはできていませんでした。

第二には、「シンボルをつくる」ということ。このような発想もありませんでした。これは、浮動票を左右するためにはメディアへの露出度をたかめる必要があり、シンボル的な街宣、集会などを行うということです。みえの場合には、シールズの奥田さんを呼んだりして、メディアへの露出度を高めました。

第三には、「争点を明確化する」こと。新潟知事選でも、原発という争点が明確であったことから投票率があがり、市民の声を踏まえた候補者に票があつまりました。「つどい」の論議の中では、大阪ではカジノが争点となるのではないかということが言われていました。

第四に、「地域の大切さ」ということです。みえでは政策協定作りにかかわった企画を継続的に開催することで、地域内に共闘をめざす動きをつくってきました。

それらの前提としては、政党と市民運動の役割に違いがあることです。各政党の組織票には限界があり、単純な数合わせでは自民党に勝てないということ。市民運動の役割は、どこの政党にも属さない無党派層をどれだけ獲得していくかということ。みえの選挙では6割の無党派層が、野党候補にいれたとのことでした。

市民選対全国連絡会「ミナセン(みんなで選挙)」などの運動を通して、野党共闘をもとめてきましたが、参議院選挙ではブリッジにならないまま候補者が一本化しないということで、両方を支援するなどの方法をとるしかありませんでした。市民運動側に、政策協定をつくるだけの明確な政策を持っていなかったことが問題としてあったのではと思います。衆議院選挙は、選挙区が小さいので、地域での市民運動がどれだけ役割が果たせるのかにかかってくるでしょう。  (戸平和夫:北摂反戦民主政治連盟)


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