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第12回総会を終えて
意欲的な研究者との連携を模索

 
昨年11月に行った地域・アソシエーション研究所の第12回総会は、新しく3人の運営委員を迎えた体制で、時局の変化に呼応する研究所活動のさらなる活性化をめざす方針を確認して、無事終了しました。本来なら、その後に発行する「アソシ研ニュース」で総会報告を掲載すべきところですが、事務局体制の転換に伴って、ニュース発行が大幅に遅れていたこともあって、昨年発行のニュースに間に合わせることができませんでした。大変申し訳ありません。会員の皆様へは、総会議案書をニュースと共に送付させていただくことで、御報告にかえさせていただきました。

 


 年も改まって、少々旧聞となってしまいましたが、総会の中で交わされた論議の一端を遅ればせながら御紹介したいと思います。議論の中心は、新しく運営委員会に加わっていただいた本野氏から、「研究所の活動の中心となる『研究活動』について、現状ではいくつかの学習サークル的な研究会がその実体のように見受けられるが、もう少し踏み込んだ研究が必要なのでは」という意見が出されたことがきっかけでした。

同様の問題意識は、これまでも折に触れ論議になっていたこともあって、どのような手法で、アソシ研の研究活動を充実させていくことができるかについて、参加されていた多くの方々から、さまざまな意見が出されることになりました。
地域・アソシエーション研究所の基盤となっているのは、関西ょっ葉連絡会や北大阪商工協同組合に集う事業体とそこで働く人たちです。 食べ物を中心とする生産現場やその物流現場で働く人たちが、自分たちの事業活動、日常生活の現状を批判的に捉え、社会のあり方と結びつけてその変革を模索していくために、指針となったり、目標になる理念をより鮮明化させていく役割をアソシ研は担っていると思います。現代社会が強制する価値観を歴史的、批判的に捉えるためには、生起するさまざまな出来事をどのように認識していくのかという学習の積み重ねが不可欠です。

したがってアソシ研の活動が、そうした分野で精力的に続けられてきたことは当然のことでした。と同時に、アソシ研の担う指針や理念の追求という課題からすれば、それぞれの専門分野における研究者との協同・協力がやはり必要となってきます。

本野氏の提案は、大学、研究機関の現状が、益々、目先の小さな成果を追い求める流れの中で、そうした現状に批判的な研究者に呼びかけて、様々なテーマに沿った研究を委託してみてはどうかという具体的な提案でした。費用はどうなる。テーマ設定、成果となる研究結果をどのように活用するのか。人選は。公募するのか。
どつかの政府機関や、企業の委託研究のように、ヒモ付きの固い込みになってしまうのでは。アソシ研の基盤となる活動と結びついた研究にどうすればなるのか。等々、さまざまな意見が出されて、明確な結論が出されたわけではありません。しかし、アソシ研のこれまでの活動をもっと充実させていく上で、さまざまな分野で活躍している、意欲的な研究者との連携は極めて重要な課題であることは確認できたように思います。短期集中講座や講演会等を通じて、意識的にそうした研究者との交流を深め、研究活動の充実に向けた環境づくりとしていきたいと考えています。(研究所代表津田道夫)


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