2019年5月18日(土)、東京都世田谷区にある昭和女子大学人見記念講堂で開催されたポプコンエイジ2019に行ってまいりました。
私の目当ては、もちろん、石川優子さんです。
2016年に初めて開催されたポプコンエイジも4年目を迎え曲がり角に来ているというか、観客数も伸び悩み、「ポプコンで羽ばたいたアーティストを招きポプコンの感動を再び現在へ(注:私個人の解釈です)」というコンセプトに代わる新しい方向性が模索される段階に来ているのではないかと思います。
そのせいか2018年は動きが遅く、ポプコンエイジ2019の開催が発表されたのは、ある程度大きな会場を押さえるタイムリミットが過ぎってしまったのではないか、来年はもうないのかと半ばあきらめかけていた、2018年11月のことでした。
この段階では東京の1会場での開催であり、やっと大阪の1会場で追加公演の開催が決まったのは、2019年2月のことでした。
どちらにも出演者に石川優子さんの名前があり、何と4年連続でポプコンエイジに出演してくださいました。
当日は晴れで、そう暑くもなく比較的過ごしやすい天気でした。
昭和女子大学は23区内にあるにもかかわらず意外にゆったりした広い敷地を確保しており(戦前の、まだ建物が密集しておらず比較的ゆったりとした時代に建てられたのでしょう)、校舎はすべて鉄筋コンクリート造りの近代的な建物になっていましたが、それなりに歴史のある学校なのだろうと思いました。
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会場となった、昭和女子大学の人見記念講堂です。学校施設ですが、コンサートホールのような立派な建物です。 |
開演に先立って、4:30より「弾き語りでオープニングアクトを目指せ!」の表彰式とグランプリ(1位)を取ったユニットの演奏お披露目が行われました。
「弾き語りでオープニングアクトを目指せ!」とは、アマチュアの皆さんがポプコンの名曲をかカバーして、その演奏を応募するという企画です。グランプリをとった方には、副賞としてギターまたはピアノがプレゼントされます。
今年は、”あい☆さーばんと”というユニットが「ひとり咲き」をカバーし、グランプリを受賞されました。
その後、5:00よりいよいよ今年のポプコンエイジが始まりました。
なお、私の記憶間違いにより、曲目の順番や石川優子さん以外の出演者の持ち歌の題名、出演者の組み合わせなどに誤りがあるかもしれません。すみませんが、あらかじめご了承願います。
〇オープニング~大都会 ムッシュ吉﨑、チャゲ、三浦、中村
リードボーカルは、もちろんムッシュ吉﨑さんです。クリスタルキングのメンバーではムッシュさんしか出演していませんので、高音の部分もムッシュさんが歌いましたが、チャゲが高音を主にサポートしていました。三浦さん、中村さんはコーラスを担当しました。
演奏後のトークは、実質当ポプコンエイジのMCであるチャゲと三浦さんが担当し、トイレ休憩のこと、バックバンドの紹介などを話されました。
〇辛島美登里 「愛すること」
ポプコンは1983年に出場したこと、今年でデビュー30周年を迎えることなどを話されました。
〇ムッシュ吉﨑、辛島 「時代」
辛島さんが、「高い声を出す人はともかく、サングラスをかけた人はずっと怖い人だと思っていましたが、リハーサルで話してみると優しい人でした」と、歌う前のトークで会場を笑わせていました。
〇ムッシュ吉﨑 「しんきろう」
「1979年にデビューして、今年で40周年を迎えます」「私はディナーショーが好きで、元メンバーから色々言われるのですが、よくやります。次はディナーショーでよく歌っている曲です」
〇相曽晴日 「コーヒーハウスにて」
曲後のトークで、「このたび、今日のバンマスの澤近さんプロデュースで、”キミノオト イマノオト”を出しました。心の友の明日香さんの曲も入っています。そころではあんまり置いてないので、よかったら今日の会場で手に取ってみてください」
〇柴田まゆみ 「白いページの中に」
コーラスで相曽晴日さんが入りました。
曲後、二人のトークでは、
(柴田)私がポプコンに出たのが、第15回の時です。
(相曽)15回の時というと、長渕剛さんとか佐野元春さんとかが出場した時ですね。テレビで見ていて私もがんばって出たいと思っていました。
〇柴田まゆみ、相曽晴日 「まつわ」「あなた」
〇チャゲ 「エピローグ」
曲後のトークでは
「先ほど、クリスタルキングの大都会を歌わせてもらって、キーが高くて大変でしたけれども、気持ちよく歌わせてもらいました。歌詞を間違えてしまいましたが、皆さん、優しいお客さんばかりで助かりました」
〇石川優子
そして、いよいよ石川優子さんの登場です。チャゲが、「次はこの方です。今、舞台の袖で手を振っていらっしゃいます」と振られ、「シンデレラサマー」のイントロと共に颯爽と登場されました。コーラスで相曽晴日さんが応援に入られました。
去年よりさらに体形がスリムになられた感じで、ステージの立ち振る舞いもいっそう軽やかな印象でした。今年は、薄い紫の丸首のドレスと白いパンタロンという、なかなかさわやかな衣装を身にまとわれていました。
登場された瞬間、観客から一層大きな拍手と歓声が沸き起こりました。立ち上がって応援する人、プラカードを掲げて声援を送る人など、決してファンびいきではなく、今回のコンサートで一番の盛り上がりを見せたときでした。
引退して29年たってもなお、舞台に立てばファンよりこのような根強い声援を受ける歌手など何人いましょうか。
石川優子さんは、レコードの売り上げ数などを考えても、現役時代、決してメジャーな人気を博した女性シンガーではありません。
しかし、間違いなく、成功した女性アーティストの数少ない一人であると、改めてしみじみと感じ入っておりました。
1曲目は、定番 「シンデレラサマー」
「私たち出演者は、”オープニングアクトをめざせ”の審査員ということで、応募されたビデオを見させてもらいました。これがなかなか大変でした。今までは選ばれる方だったのが、今回選ぶ側になって、選ぶということがこんなに大変だったとは思いませんでした。その中に、私のセカンドシングル「レットミ―フライ」を歌って応募してくださった方がいらっしゃいました。男性の方でしたが」
「このたび今陽子さんがアルバムを出されまして、今陽子さんといっても、(シルクハットを手で目深にかぶる動作をされて)これです、今のでわかる方はかなり年配の方ですね、そのアルバムで私の”シンデレラサマー”をカバーしてくださっています」
2曲目は、これも定番の 「ふたりの愛らんど」
ここで、石川優子さんと握手をされ、相曽晴日さんはいったん退場され、石川優子さんの紹介でチャゲが登場です。大きな声援を受けながら同曲を披露されました。
〇石川優子、相曽晴日 「巡恋歌」
〇石川優子、辛島美登里、柴田まゆみ、相曽晴日 「振られ気分でロックンロール」
4人登場され、「”巡恋歌”は、女性が歌うとなんかストレスだねー」というトークのあと、柴田さんはサングラスをかけ、石川優子さんは、茶系統の色のセルロイドフレームのメガネをかけるという演出で、曲を盛り上げておられました。
同曲は軽快なポップ曲で、最初と2番目のフレーズは、柴田さん、相曽さん、3番目のフレーズは石川優子さん、「たかがロックンロール~♬」のサビの部分は辛島さん、「Don't
Stop ,Don't Stop the Music~♬」の部分は全員で担当されていたと思います。
石川優子さんのボーカルは、クセのない素直な発声と女性らしい穏やかさと柔らかさがあるボーカルなので、演歌、バラード、歌謡曲系に合いますが、同曲のような軽快なポップも、なかなか新鮮でよかったです。
曲後のトークでは、主に石川優子さんと辛島さんがしゃべっておられました。
辛島「当時、奈良にいたから、近畿大会に進みました」
石川「私も近畿大会に出ました。あれ、ということは一緒でした?あっ、違いますね。私の方が古いから一緒ということはないですね。私が出たのが、16回の時。柴田さんは何回でしたっけ」
柴田「私は15回のとき」
〇平賀和人、中村貴之、三浦和人 「夕暮れ時はさびしそう」
亡くなられた天野さん役は三浦さんです。
三浦さんが、「皆さん、こんばんわ。ニセNSPです」といって会場を笑わせていました。
平賀さん「この歌はカバーが簡単そうで実は難しいんですよね。1番と2番で歌詞に合わせてメロディが違うから」
〇三浦和人 「愛はかげろう」
「デビューして39年、私も去年、還暦になりました」
「今度、新井満さん作詞でCDを出しました。「きのうきょうあす」というCDです。会場でも売って
いますので、帰り際にお求めください。また11月に教会でライブを行います。懺悔しろ、なんて言いません(笑)。ぜひお越しください」
〇三浦和人、チャゲ 「ひとり咲き」
チャゲが登場し、二人でチャゲアスの「ひとり咲き」を披露しました。三浦さんが飛鳥の役で歌われたということでしょうか。
曲後、チャゲ「歌詞、間違えちゃいました」
「大阪が終わるまで、コンサートの内容は内緒に、ツイッターなんかにも上げないでください。大阪に行く人のためにネタバレはしないでね。お願いします」
「来年は、ポプコンエイジはお休みです。オリンピックの年なので」
〇フィナーレ
出場者全員がステージに立たれ、去年同様に「出発の歌」を斉唱されました。その後、石川優子さんは他の出場者の皆さんと共に会場に向かって手を振りながら退場されました。約2時間の公演でした。
<おわりに>
今年のポプコンエイジは、ただ出場者が順番に持ち歌を数曲歌って終わり、という単純な構成から、出場者が自分の持ち歌だけではなく共同してポプコンの曲も歌い、出場者の出演の機会を多くするとともに、全員でポプコンの思い出を盛り上げる一体感を出すような、主催者の工夫が見られたと思います。去年あたりからそういう意図が構成に見られましたが、特に今年はその傾向が強かったと思います。
公演の終わりにチャゲが発表したように、来年ポプコンエイジはオリンピックイヤーということで、開催されないようです。
開催4年目を迎えたポプコンエイジも一区切りついたということなのだと思います。小坂明子、渡辺真知子、谷山浩子、八神純子、森川美穂、庄野真代、下成佐登子、因幡晃、世良公則、伊丹哲也、伊藤敏博、高原兄、杉山清貴、鈴木康博etc、思い起こせば、今までポプコンにゆかりのある数々の豪華アーティストが出場してくれました。そういう意味では、ポプコンエイジも一定の成果を残し目標を達成した、と言えると思います。
チャゲは再来年の開催に含みを持たせていたと記憶していますが、再来年開催されるかは微妙な情勢です。
ポプコンエイジの公式HPは、現段階ではポプコンエイジ2019の開催の告知と「弾き語りでオープニングアクトを目指せ!」の審査発表で更新が止まっており、公演が終了した報告や出演者の様子などは全く告知されていません。ヤマハさんは、もうポプコンエイジには情熱が無くなったかのようです。
冒頭にも書きましたが、何とか今年もポプコンエイジの開催にこぎつけてくれましたが、例年と比べるとひどく動きが遅かったところにも、主催者側の迷いが感じられます。
正式に、来年は開催しない再来年開催する、と主催者から発表されているわけではなく、このような状況下では、主催者側の考え方で方針をどうでも変えることができるわけで、再来年開催されるかどうかは、大変不透明だと思っています。
よしんば、再来年ポプコンエイジが開催されたとしても、石川優子さんが出演してくださるかも、また微妙な問題です。年齢的、体力的に年々厳しくなってゆくことは想像に難くありません。石川優子さんは永遠、と思いたいですが、みな生身の人間であるということも事実です。
しかし希望はあります。再来年、また石川優子さんの歌が聴ける「明日」が来ることを願いたいと思います。
引退から20年以上たってから、まさか本人がまたステージに立ってくれるなんて、普通はあり得ないことで、この4年間、本当に素晴らしいプレゼントをもらいました。
石川優子さんの健康と幸せを、一ファンとして祈念しております。
石川優子さん、4年連続でご出場下さり、
本当にありがとうございました!!