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 2016年4月29日(金)、ポプコンエイジ2016、府中公演に行ってきました。場所は、東京都府中市にある府中の森芸術劇場です。目的はもちろん、26年ぶりにステージに立って下される石川優子さんの歌を聞くためです。

石川優子さん26年ぶりに出演です
会場の大きな声援に応える石川優子さん。
BSジャパン6月18日(土)放送の「僕らのポプコンエイジ」より。

 ポプコンエイジは、70年代から80年代に開催された「ヤマハポピュラーソングコンテスト」に出場したことをきっかけに、プロになったアーティスト達が集まって歌を披露してくれるコンサートで、いわば同窓会コンサートのようなものです。今年は、府中、市川(千葉)、さいたまにて、初めて開催されました。
 このポプコンエイジの府中公演に石川優子さんが出演してくれると、突然メディアに発表されたのが2015年の9月ごろ。驚きと喜びを感じるとともに、「本当に出てくれるのだろうか」と半信半疑ながら、早速府中公演のチケットを申し込んだのは言うまでもありません。これが2015年の10月ごろでした。
 なにせ「今まで音楽で伝えたいことは十分伝えてきた。これからは音楽以外で多くの経験をしてみたい。それをやれるのは今しかない、と思った」という趣旨の言葉を残されて引退されたのが、1990年のことで、あれから26年。いつか再び私たちファンの前に立ってくれないかなと、ずっとかすかな希望を持ち続けていたので、うれしいことはうれしかったのですが、結構長いブランクゆえ、また、シンガーソングライターの活動にそんなに未練がないような引退のされ方だったゆえ、本当に出演してくれるの、と不安を感じたのも致し方ないことでした。

 当日は車で出発。確か関東地方は曇りのち晴れといった天気で、暖気が入ったせいか少し暑い風が吹く汗ばむ日和でした。
 1,2回道に迷いながらも何とか駐車場に車を止めたのが午後の4時前。4時開場、5時開演ということで歩いて会場に向かいました。
 府中の森芸術劇場はコンサート会場としては中規模くらいの会場でしょうか。母屋の前面の壁がガラス貼りになっており、ぱっと見たところなかなかモダンなデザインの会場でした。会場入り口前の広場には入場の列ができていて、混雑しないように、蛇行状に列が作られていました。主催者側の行き届いた管理が感じられて好感が持てました。
 入り口で受付を済ませ中に入ると、ロビーには出演アーティスト関連のCDなどが販売されていました。今回の出演にあわせてだと思いますが、この4月に新しく選曲し直されたベスト盤と、ファイナルコンサート等の映像を納めたDVDが発表されましたが、もちろんそれも置かれていました。それもデビュー曲「沈丁花」のオリジナルパンフレットの復刻版が特典として付いていました。一瞬、そのパンフレット目当てに買おうかなと思いましたが、すでにCDやDVDは通販で購入済であったので、残念ですが、あきらめました。見たところ、石川優子さんのCDやDVDを買う人の列が一番長かったようでした。
 また、石川優子さんへのお祝いの花束セットが2,3セット置かれてあり、約四半世紀経っても変わらぬ石川優子さんの根強い人気と、ファンの暖かい心遣いが感じられて、何だかほのぼのとした気持ちになりました。
 席は舞台に向かって右袖で前から5列目でした。比較的舞台がよく見える席で幸運だったと思います。ライブの模様を録画するためでしょうか、何台かテレビカメラが設置されていました。
 5時になりいよいよ開演です。まず観客席から見て舞台の左袖に司会役の、三浦さんとチャゲさんが登場し軽く今回のコンサートの紹介をされたあと、トップバッターの三浦さんから「愛はかげろう」で演奏開始です。
 以下、今回の出演者の皆さんが順番に登場され、大体2から3曲ずつ披露されました。それぞれポプコンに出場したときの思い出を中心にトークを交えておられました。
 ちなみに出演順と曲目は以下のとおりです(敬称略)。
 ①三浦和人
        愛はかげろう  追憶
   ②相曽晴日
        コーヒーハウスにて    プラネタリウムの丘
 ③下成佐登子
        秋の一日    エール
 ④渡辺真知子
        オルゴールの恋歌    かもめが翔んだ日    唇よ、君を熱く語れ
 ⑤チャゲ、三浦和人
        夏は過ぎて
 ⑥チャゲ
        エピローグ
 ⑦石川優子
        シンデレラサマー   春でも夏でもない季節
 ⑧石川優子、チャゲ
        ふたりの愛ランド
 ⑨スリーハンサムズ(細坪基佳、中村貴之、平賀和人)
        あせ    白い冬    夕暮れ時はさびしそう    春雷
 ⑩メドレー(全員)
        大都会    六月の子守唄    待つわ    夢想花    完全無欠のロックンローラー 
        サルビアの花    時代

 チャゲさんが「アマチュア時代に作った曲で、ずっとコンサートで歌い続けています」という<エピローグ>を歌い終わられた後、「この方に登場していただきましょう。石川優子!」と力強く紹介。
 と同時に<シンデレラサマー>のイントロが流れ、左袖から石川優子さんがさっそうと登場されました。
 その瞬間、地鳴りのような大きな歓声が沸き起こりました。えこひいきではなく、このコンサート一番の大歓声でした。無理もありません。26年前、突然引退を表明されて惜しまれながらもファンの前から姿を消された方が、公式にまたファンの前に戻ってきて下さった瞬間なのですから。
 私も感慨無量でした。「本当に出てきてくれた。もう二度とライブで石川優子さんの歌を聞けることはないだろうと思っていたが、長い間待ち続けていると、こんな夢のようなこともあるのか。ほとんど奇跡だ」と。
 体型は年齢なりの貫禄がついたお姿でした。お声もやや低く、くぐもった感じになっておられました。あれから長い年月が過ぎていることから、いずれも想定の範囲内でしたので、そう気になりませんでした。
 それより観客席から見た感じでは、お顔がファイナルコンサートのときからあまり変わっていないように見えましたので、「26年前とそう変わっていない。そんなことがあるの」とびっくりしました。ファイナルコンサートのときの優子さんがそのまま出てきてくれた感じがして、その連続性が望外の喜びでした。
 お声も26年間歌ってなかったわりには、つまりのどを全く使っていなかったわりには、出ているように思いました。舞台さばきの勘もそんなに鈍っていないように思いました。かなり練習もされたのだろうと思いますが、まだ十分ステージが務まるレベルでした。
 曲間のトークでは、「去年の夏にお話を頂いて、だいぶ(出演しようか)迷ったんだけれども、同窓会ということを聞いたときに胸にキュンとしたものがよみがえって、出場を決めた」と話されていました。
 <シンデレラサマー>を歌い終わられた後は、「今ではすっかり有名になった秋元さんに詞を書いてもらって私が作った曲です」と言われて、<春でも夏でもない季節>を披露され、最後にチャゲさんと<二人の愛ランド>を披露されました。夢の時間はあっという間に過ぎてしまった感じでしたが、石川優子さんもこの26年間無事にお過ごしであったようで、それを確認できたこともファンにとっては何よりでした。
 最後に今回の出場者全員がステージに立たれ、過去のポプコングランプリ受賞曲?をメドレーで合唱されました。<完全無欠のロックンローラー>のときには、余興として、優子さんがサングラスをかけられ「そこんとこよろしく!」と見得を切る役をされ、ファンサービスのひとつとなりました。
 終わってみれば、5時から約2時間半の公演でした。他の出演者の皆様も大変すばらしい演奏を披露してくださいました。ただ、今回で一番歓声がすごかったのが石川優子さんでした。この会場のかなりの人が石川優子さん目当てでは、と思うほどでした。次がチャゲさんだったでしょうか。
 事実、この府中公演が一番石川優子ファンが集まった公演だったように思います。それは、当初石川優子さんが出演されるのはこの府中公演だけだったからだと思います。その後、石川優子さんの好意で、他の2会場も出てくれることになりました。そこで急遽、さいたま会場もチケットを申し込みました。さいたま会場にも行きましたが、府中会場のほうが、石川優子さん目当ての人が多かったように思います。
 なお、今回3会場で行われたポプコンエイジの模様は、6月18日(土)BSジャパンにて放送されました。放送での石川優子さんの映像は、府中会場のものです。

 今回出演するに当たり、26年間公演をしていなかったこともあって、石川優子さん自身、まともに声が出るだろうか、などの不安がかなりあったことと思います。そんな中、出演を決断してくださいました。本当に奇跡であり、私たちファンに、ビッグボーナスをプレゼントしてくれました。
 来年もポプコンエイジが開催されることが公式に発表されております。主催者側では、出演者を調整しているところだと思います。これを書いている時点では、石川優子さんが出演して下されるかどうかは、まだわかりません。ファンとしては、1会場だけでも出て下されればありがたいです。ただ、石川優子さんもお歳ではあり、いろいろ事情もあるでしょうから、無理を言うことはできませんが・・。
 とにかく、石川優子さんが元気に歌ってくださり、多くの感動を与えてくれたことを感謝したいと思います。

 石川優子さん、このたびは出演してくれて、本当にありがとう!!

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