「シンジ‥‥」
ネルフ司令執務室‥‥その部屋は暗かった。
厚くひかれたカーテンの隙間からの窓からのわずかな光だけが、その部屋を照らしていた‥‥。
「私を拒絶するつもりか‥」
キラリ。
鬚眼鏡の目に泪が‥
どうやら前回のことでショックを受けたらしい。
「お前がそのつもりなら、私にも考えがある‥‥‥」
な、なにをするつもりだ?ゲンドウ‥‥。
(アスカ!このページって面白いよ!)
(う〜ん、そぉ?こっちのページのほうがロマンチックな小説が読めていいわよ!)
唐突だが、シンジとアスカはネットサーフィンをしていた。
別に遊んでいるわけではなくて‥いや、遊んでいるんだけど。
リツコの開発した新しいブラウザ‥その新機能をテストしに来ていたのだ。
西暦2018年。
使徒の攻めて来なくなったネルフは研究機関に姿を変えていた。
使徒との戦争が終わり、やることのなくなったネルフ。その解体の危機を救ったのはなんとリツコだった。
リツコはエヴァのテクノロジーを流用して新しいエルゴノミック(人間工学的)なインターフェイスを開発したのだった。
その名もBLIP(Brain LInk Processor)‥‥そしてBLISS(Brain LInk Synchronization Script)。
BLIP。イロウル類似のマイクロマシンを注入して専用有機回路の形成と神経細胞の組み換えとを行い、思考読み取りと外部接続のための装置を頭の中に作る技術。
人間の脳と外部装置を繋ぐソフトウェア的な標準であり有機回路の命令言語、BLISS。
この二つの発明により、人間はただ考えるだけで機械類を操作することが可能になったのだった。
さらに自分の脳の一部をコンピュータのように扱うことを可能にするため、単純な機器でも遥かに高機能に使うことが可能になった。
例えば、携帯電話でのウェブ接続には以前はふつうのPC&ブラウザよりずっと制約されたものだった‥‥曰く、ページ容量に制約がある。曰く画像の表示に制約がある、曰く‥‥。
そうした制限がなくなったのだ。それはもっと専門機能に特化した小型高性能の装置によるモバイル環境の獲得を意味する‥‥。
話が横道にそれた。今までの説明はリツコの開発した玩具のことだった。今、シンジとアスカが使っているのはユーザー間の直接的通信‥いわば電子的テレパシーを送るソフトの試験だった。
(うん♪ここって使徒戦争を題材にした小説のあるとこだね。僕がアスカをカッコよく守って闘うんだ‥)
(でも、本物のシンジほどにはカッコよくないわよ♪)
この装置は技術的には十分に可能だったが‥‥、プライバシーを保護するためにお互いに伝達される思考を必要な程度にまで遮蔽するソフトウェアの開発が遅れていた。
被験者を募ろうにも、お互いの心のうちが相手に漏れてしまう(かもしれない)ということに尻込みしてしまってなかなかいなかったのだ。
そこで‥‥。
(あ、シンジ烏賊のこと考えてる?)
(バレちゃった?芦ノ湾漁業組合の人がおいしい烏賊をプレゼントしてくれるんだって♪それでね‥‥)
シンジとアスカの出番になったのだ。
(それでシンジがアタシに作ってくれるのね♪イカリングに、烏賊ソーメンに‥‥松前漬?、って?)
(あは、そんなとこまでわかっちゃうんだ。松前漬ってのは‥)
この二人は積極的にメッセージを交わし‥‥しかも、お互いの心があからさまになってもほとんど恐れることなく実験を続けてくれて心的通信の混線や遮蔽の研究に必要なデータをどんどん提供してくれて、まさに理想的な被験者だった。
ただ‥ひとつ難点を言えば‥
「な、‥仲いいのねシンちゃん達‥」
研究者がらヴらヴにあてられてしまうことだろうか?
外では葛城ミサト(3*歳独身)が顔を引きつらせていた。
研究チームの副主任、伊吹マヤも視線をどこかに彷徨わせてなにかをブツブツ逝っているようだ。
フケツ、とでも言っているのだろうか?
「フケツ‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥になりたい」
ちょっと違ったようだ。
多少の問題はあるが、順調に実験は進んでいた。
そして実験終了まぎわになって。
アスカの心にふとある疑問が浮かんだ。
(そういえばリツコは今日来てないの?)
「そういや最近見ないわねぇ」
いつもネルフにいて仕事場も近い(作戦部は保安部に統合、リツコの研究を狙う外部の国や企業のスパイやテロリストへの警戒にあたっていた)のに、ミサトはそんなことをのたもうた。
酔っぱらっていて見ていなかったのだろうか‥‥。
「先輩なら司令に呼ばれたとか言って、‥‥‥あら?シンジ君何も聞いてないかしら?」
いや、本当にいなくなっていたらしい。
(ふーん‥‥二人で旅行かしら?‥‥ねぇシンジぃ、今度どこか旅行に行こうよ‥)
その場はそれですんだ、だが‥‥。
その日の午後のことだった。
葛城家では、異変の知らせがまいこんでいた。
「はい、葛城です‥‥‥え!?そんな‥いったい何が‥?
イカがわしい連中に!?」
「そう、それは‥‥大変でしたね‥」
アスカになんて言ったらいいんだろう‥‥烏賊が手に入らなくなったなんて‥
そして、もう一つの異変が‥‥ひそやかに、誰にも気付かれることなく起きていた。
「シンジと二人で、旅行なんていいかもねー♪」
アスカはヘッドセットをつけてネットに接続した。
アスカの心中で画面が広がった。
(旅行サイト‥‥)
(旅館なんかいいわねー)
「な、なによ?デッドリンクばっかりぢゃない!どうなってるの!?」
バタン
「「大変なことが起きたよ(のよ)、アスカ(シンジ)!」」
ユニゾンの悲鳴が葛城家の居間に小さく谺した。
ひととおり落ち着いた二人は対策を話し合うことにした。
といっても二人にできることは限られているから‥
「リツコに聞いてみようと思うんだけど?専門家だし」
そういうことになる。
「こっちもリツコさんに聞いてみたほうがいいだろうね。
なんでも烏賊製品を保管してあった倉庫を略奪したのは、全身をすっぽりと黒ぶかぶかの衣服で覆って‥‥
‥‥その上に‥ネコミミとネコシッポをつけた連中だっていうからね」
「絶対、リツコが妖しいわよ」
ちょっとの間、葛城家の居間では時計の音だけがしていた。
シンジが再び口を開いた時、二人の表情はけわしかった。
「誰も気付かない妙な事件がネットで起きていて‥しかも、それを解決できるだろう唯一の人物は行方不明。そのうえ何か犯罪に関わっているかもしれない‥ということは‥」
そこで、シンジは一旦言葉を切った。
「ええ、そうね‥‥加持さんくらいしか、この事件を扱える人はいないわね」
そして、ネルフ諜報部が動員された。
「加持さん‥‥気をつけてね」
「加持さんなら、出来ますよね」
まかしておいてくれ、シンジ君、アスカ。
いつも通りの軽い口調が、シンジとアスカの二人には頼もしく感じられた。
「加持さんにリツコは任せるとして‥‥僕達はどうしようか?」
ちょっと途方に暮れた表情でシンジはアスカに聞いた。
こうして事件を加持と諜報部にゆだねると、二人には何もすることがないようだった。
どうしよう?
「ネットでの異変について、調べてもらいましょう‥‥
リツコのいない今、一番の専門家の‥‥マヤにね」
「アスカちゃんの見たデッドリンクは、本来ならネットに接続されたコンピュータに載っているべきデータの保管場所が生体脳になっていたことが原因のようね」
二人は、マヤの部屋で説明を聞いた。
以前はリツコの研究室だった部屋は、今ではすっかり猫趣味から少女趣味に改装されている。
「そういうことって起きうることなんですか?」
じゃあ、リツコさんとは無関係?そうシンジの目は尋ねていた。
「いいえ、先輩と私は人の心を勝手に書き換えられないように、操作する領域を隔離していた筈なの‥‥‥どうやら今回のネットでの事件は、何か悪意ある改造を施したBLISSによるものらしいわ。
『BLISS』は脳をコンピュータみたいに使うことを可能にするんだけど、外部からのデータで脳を書き換えることもできる、潜在的に危険なモノでもあるの‥」
そこでアスカが口を挟んだ。
「リツコが作ったからには、そういう危険があるかと思ってたわ」
「‥‥そう、そしてその危険を未然に防ぐ安全措置が破られてる‥」
そこまで聞いたシンジが叫んだ。
「今すぐ警告しなきゃ!」
「いえ、ダメよ!」
マヤもシンジにまけない勢いで反駁した。
「‥‥既に、かなりの数の人たちがこの『マインドウィルス』に犯されていることがわかっているの。そして、このウィルスはワクチンなしで警告を受けると、宿主を精神汚染してしまうらしいのよ‥‥」
精神汚染。その言葉を聞いたアスカが思わず息をのんだ。かつて、遭遇したアラエルとの記憶が蘇ってきたのだ。思わずアスカは目を閉じ顔を押さえる。
シンジは、そんなアスカの肩を抱いてなだめた。
ようやくアスカが落ち着いてから、シンジはマヤに聞いた。
「これをやったのは一体誰なんですか?」
「そうね‥‥‥私達に匹敵する技術でなければ、そんなことは出来ない‥でも、」
マヤはいいにくそうだった。
「でも、もしも‥‥‥悪者の中にネルフの科学者、例えばリツコさんのような科学者がいれば、そんな技術が使えるだろう‥というわけですか」
「やっぱり‥‥リツコが私達を裏切って悪者に協力してるって、こと?」
「そう‥‥なるのかも」
マヤの口調は重く、哀しげだった。
「ところで、アタシ達は大丈夫なの?」
リツコの話題からマヤの心をそらそうとするように、アスカは尋ねた。
マヤも、リツコから少し話題がそれてほっとしたようだった。
「シンジくんとアスカちゃんはエヴァ操縦者ということで手術なしでもシンクロできたから、ネットにアクセスしてもやられることはないわ。これはブリスのセキュリティホールを狙った攻撃だから‥
ネルフの職員は、ほとんど防護の堅いMAGIを経由してネットにアクセスしているから大部分の人は大丈夫よ」
大部分、の‥。
「今のところは、感染したひとたちに実害はないわ。精神汚染も起きていない。どうやら刺激をはっきりと受けるまでは、むしろ外部の情報に鈍感にさせてるらしいわ、一種の安全装置ね。
そのせいで、発見が遅れたってこともあるようだけど‥」
その時、電話が外部からの通話を‥。
『ミサト、マヤちゃん、そこにいるか?やっとのことでリっちゃんの潜伏先を突き止めたぞ』
「加持さん?」
シンジとアスカは、加持、それにミサトは使徒迎撃のためのN2爆弾が抉った陸地に海水が入り込んでできた、いわば戦争の爪痕の入り江に来ていた。
そこは、年月の経過とともに、徐々に戦争の影が消え自然の作用が土地の顔を柔らかに変えてきているようだった‥‥。
「どうして、こんなことを‥‥」
加持、シンジ、アスカの三人はその入り江のそばのとある廃屋の中に入っていってリツコを発見していた。
内部は改装されていて、結構住み心地がよさそうだ。
「ふ、‥‥仕方なかったのよ、私のミーちゃんを猫質にとられてしまったんですもの‥‥」
「じゃあ、取り戻せばいいんですね」
くすり。
リツコは笑ったようだった。
「‥‥なーにがおかしいのよ」
「敵は、海洋惑星クサイカから地球征服にやってきたクラーケン伯爵よ。
クラーケンは不死身よ。例えN2爆弾‥‥いえ、ロンギヌスの槍を使っても、傷一つつけることはできないわ‥‥
今回、クラーケンがこんなまわりくどい間接的な方法を使ったのも、人間を無抵抗にして無傷で地球を手に入れたかったからよ。本気を出せば『烏賊墨ファイヤー!』で地球を破壊できるほどの怪物なのよ」
リツコの口から敵の恐ろしい正体が明らかにされた。
シンジとアスカは思わず息をのむ、それほどの敵とは思っていなかったのだ。
「じゃあ、クラーケンを倒す方法はないんですか?」
それでも、シンジは食い下がった。
精神汚染‥‥その苦痛を知っているアスカの、恐怖を感じ取ったからだった。
アスカを怖がらせたくない‥それがシンジの思いだった。
「たったひとつだけ‥‥不死身のクラーケンを倒す方法があるわ‥‥これをするには心的にネットに接続しないといけないから、できるのはMAGIで防御されているか直接ネットにシンクロできる貴方達に限られているけど‥」
「クラーケンはエヴァ小説、特にアスカ×シンジのらヴに目がないの。一度に大量のエヴァ小説を奴の中枢部分‥‥烏賊す怪作のホウム‥‥に浴びせかければクラーケンを殺さないまでも活動中止に追い込めるわ」
「小説の宛先は そこまで一気に話して、リツコはいったん言葉を切った。
「これでもまだ、クラーケンを倒せると思うかしら?」
リツコの口調には、そんなことができるわけがない、と言っていた。
「わかりました」
シンジは、はっきりと、堅い決意を奥に秘めた声で答えた。
「わかりました。クラーケンを倒してみせます」
そしてアスカは‥‥。
「シンジぃ〜えい♪」
むにゅ。
アスカは豊かな胸をシンジの顔におしつけた。
「う〜ん、甘さが足りないかしら?」
懸命にエヴァ小説を書いていた。
「絵を描くのって難しいな‥」
シンジは一方でアスカ自作のLAS小説に挿し絵をつけていた。
「次の挿し絵は何かな‥?え、アスカの胸?‥‥資料もないのにかけるわけわけないよ!
‥‥‥逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ‥‥」
‥‥‥6日間後。
シンジとアスカは心的にアクセスしてブラウザで烏賊す怪作のホウムを開いた。
(うん、送ろうアスカ‥)
緊張した面持ちで、シンジは添付ファイルで作品を送った。
同じように、ネルフ有志でエヴァ小説書きの一団が、アスシンものや、あるいはレイシンやマナシンもの、あるいはノンジャンルなエヴァ小説を添付して送っているのだろう‥‥。
そして、変化の起きるのを待った。
30分。
一時間。
二時間。
「何も起こらないね‥‥」
「もしかして‥‥まだ甘さが足りなかったのかな‥‥」
二人はお互いのぬくもりで不安から逃れようとするように、自然と抱き合っていた。
変化は三時間目にあらわれた。
トップページの文面が変化したのだ。
「成功したんだ!」
そう、シンジとアスカの隠れた活躍によって地球は救われたのだった。
トップページの画像が、二人を祝福しているようだった‥。
に、
18禁はダメ。また、極端に暗いモノも駄目
テキストの場合には編集イメージを指示してもらえれば適当にHTMLにするそうよ。
HTMLで送る時は適当なエディタで編集しておくればいいそうね。ワードやFrontPageの文章はあまりもらっても嬉しくないそうだけど。感想を送る先のメールアドレスの有無、誤字脱字を見つけるとその場で取り除くそうね。あと見栄えを良くするとかいって編集を少し加えるそうよ。編集しないほうがいい時はそういえばいいそうだけど‥」
「画像の編集は、クラーケンは苦手だからあらかじめ適当なサイズと容量で、大きくてもだいたい100KBくらいで上のアドレスに送ってくれるとそのまま張り付けるそうよ」
あ、これは小説にも言えることだけど、LZH形式で圧縮してくれると受け取りやすいそうよ‥」
そして、シンジとアスカの顔をねめつける。
そこにはふつうに閲覧したのでは見えない「地球征服サイト」の文字が‥‥。
『このペエジは、烏賊者怪作が、エヴァ小説をもらって発表するために‥‥』
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シンジとアスカが、烏賊ににらみをきかせている姿。
それは、二人の思いでの烏賊の姿になった。
おわり
おまけ
「ミサト‥私」
リツコはそこで言葉を切った。
話すべきこと。話さなければならないことが胸の奥から込み上げてきてそれ以上何も言えないようだった。
「私‥‥また、間違ったことをしてしまったのかもしれないわね」
「リツコ‥‥」
「私は‥自分には何もできることがない。と‥いえ、私の能力を超えているとみとめなければならないかもしれないことを恐れて、何もできなかったのね」
「ねぇ、リツコ‥‥」
「あの人を掴まえておくことで、女としてのプライドを保って‥でも最後には壊れてしまった‥それと同じように自分でいいわけをして、何もしないことへのいいわけを
して‥‥
結局、あの子達に助けてもらわなければならなかった‥‥」
「私は、何も変われなかったのかも‥‥へぶしっ」
最後のは、ミサトがリツコを勢い良く壁に叩き付けた音だった。
「なぁ〜に、言ってるのよリツコ。あんたは少なくとも今回は、誰も死なせたりしなかったじゃない‥あんただって私と同じくらいいい女なんだから、‥‥」
ミサトは豪快に言い放った。
「だから、さ‥‥もっと自信を持ちましょ!」
「ふふ‥‥ミサトと同じレベルってのが少し気に入らないけど‥今回は勘弁してあげるわ」
「ふふ‥‥」
顔を見合わせる二人の顔から、どちらからともなく笑い声が‥‥
ミサトとリツコ、友情の姿だった。
おまけ2
「シンジ‥‥おまえが私を見捨てるなら‥‥うう、はぁ、はぁ‥‥」
ゲンドウは、バズーガ砲、グレネードランチャーや自動小銃など‥全部で80kgになろうかという重装備の重みに喘いでいた。
「お前を惑わす、悪い、外人娘を殺し、て、私も死のう‥‥」
そう、冒頭のゲンドウは世間を騒がした事件とは何の関係もなかったのだ。
ゲンドウは一歩一歩着実に進行していった。
周囲の人間はゲンドウを関わりにならないように、よけていた。
このまま、誰にも誰何されずにアスカの元に辿り着くのだろうか‥‥?
いや、そうはいかなかった。
「そこまでよ!碇ゲンドウ!」
「む‥‥?誰だ!」
突如、ゲンドウの前に戦略自衛隊の野戦服を身にまとった一人の少女があらわれた。
くせ毛のショートカット、垂れ目、スレンダーな肢体。
『鋼鉄の乙女』霧島マナであった。
「用があるなら早く言え、でなければ消えろ」
ゲンドウは不機嫌に言った。
「あなたの悪事は既に判明しているのよ!」
「何」
ゲンドウには全く身に覚えがなかった。
「あなたは私のシンジをアスカさんにくっつけることに執着するあまり、マナリアン小説ページを攻撃して閲覧不可能にしたわね?
既に、それをした者の正体も分かっているわ‥赤木リツコ。そう、あなたの部下で愛人の女よ!」
くりかえして言おう。ゲンドウには全く身に覚えがなかった。
素直に否定すれば良いものを、混乱してゲンドウは普段言い慣れている言葉を返してしまった。
「ふっ問題ない」
それは、マナの疑念を確信に変えるのにしか役立たなかった‥‥。
「語るに落ちたわね‥‥!」
マナは自分の拳銃を構えた。
「私とシンジの父子の関係の邪魔をするのなら、‥‥消えてもらおう」
それにあわせて、ゲンドウも得物をマナに向けた‥‥。
第三新東京市を揺るがす第一次ゲンマナ戦争のぼっ発だった‥‥。
つづきません
お待ちかね(誰も待っていない?)『思いでの烏賊』でございます。
投稿規定もついてとってもお得。
最初のプロットでは、精神汚染したアスカを烏賊料理で回復させるという話だったのが、それがいつのまにかこんな話に‥‥。
それもこれも素敵なトップ絵のおかげですね。とみゅーさん感謝です。
読後の貴方の感想をぜひ聞かせて下さい。