本物は誰? 第五話

作者:でらさん












使徒戦の後、実務に忙しい冬月は司令室に身を置く時間が少なくなり、以前のように一日のほとんどを
司令室で過ごす日は皆無となった。ゲンドウは一人でいる状況が多くなり、隣室で待機している秘書も、
用事が出来たときに時たま呼ぶくらい。
本部内のかなりの部分は冬月が仕切っているため、報告などで司令室を訪れる人間とて、あまりいない。

人付き合いが苦手・・と言うより、人を遠ざけていたゲンドウではあるが、このような状況に陥ると流石に
孤独感を禁じ得なかった。
息子のシンジとも、まだわだかまりは溶けないし、ゲンドウは生まれて初めて、孤独が寂しい物であると
理解し始めていた。
ところが最近、ゲンドウは以前のように・・いや、冬月や秘書達が気味悪がるほど、快活な人間に変わり
始めていたのである。

その原因は、この電話だと、二日ぶりに司令室へ姿を見せた冬月は確信した。異世界のシンジを名乗る
不審人物との触れ合いが、ゲンドウの心を癒しているらしい。
事実、今彼と電話で話しているゲンドウの顔は、穏やかそのもの。


<この電話、盗聴も記録もしてないだろうね?>


「他の人間ならともかく、お前相手に馬鹿な真似はせんよ」


<・・・あんたは信用したいんだけど、あんたの部下達は信用できないな>


「どういう事だ?」


<セカンドのガードを担当する人間の中に、おかしな奴がいる。
彼女が襲われそうになった時、ガードのサポートが遅れたのは、その男のせいだ>


「・・・早急に調べて対処しよう」


<財務局長の件といい、組織のタガが緩んでるんじゃないか?>


「綱紀の粛正は、怠っていないつもりだ」


<ゼーレや日本政府との暗闘は終わってない。
ネルフが無くなったら、僕も困るんだ。
頼むよ、叔父さん>


電話を切ったゲンドウは、すぐさま保安部に繋ぎ直すと、厳しい口調で保安部長を呼び出した。数分後に
は、恐怖と緊張に身を固まらせた中年の男が、冬月とゲンドウの目の前に立っているだろう。

綱紀粛正の言葉を聞いた時点で、冬月も話の内容は掴んだ。
少し前、財務局長の息子がアスカを襲おうとした件では、息子当人は元より財務局長にも厳しい処分を下
している。二人とも、今は営倉の中。
冬月は当初、それほどの大事とは考えていなかった。馬鹿な息子が父の職務上の権威を笠に着て血迷っ
たくらいの認識。財務局長にも戒告処分程度を考えていたのである。
ところが、内部監査を担当する特殊監査部の調査が進むと状況は一変する。
この息子は以前から同様の行為を繰り返しており、被害に遭った女性に告発されて警察に身柄を拘束さ
れた事もある。その時父親は、息子を庇って市警をネルフの権威で威圧。説教程度で起訴もせずに釈放
させていたのだ。被害者には多額の金を押しつけるように渡して黙らせていたが、その金は経理の不正
操作で捻出したネルフの物。事実上、職務を私物化していた。

ほとんどのマスコミはネルフの統制下にあるため、こんな不祥事が露見しても大々的に報道されることは
ない。ないのだが・・
ネルフの統制下にない日本政府系のマスコミも少数ながら存在するし、関係者に箝口令を強いても市民
の間に噂として伝わるのは阻止できない。そんな所から市民の間にネルフへの不信が広がったら、職員
の志気はどうしても下がる。士気の低下は更なる不正行為にも繋がりかねず、悪循環の末にネルフは全
てを失いかねない。
様々な苦しみと犠牲の上に現在のネルフを創り上げた中心人物の一人である冬月にしてみれば、ネルフ
に不利益を与えるこのような職員の存在は許せるものではない。


「保安部の職員が、何かしでかしたのか?碇」


「詳しいことは分からんが、セカンドのガードに問題があるようだ」


「セカンドの?
・・・ガードのついでに着替えを覗いたとでもいうのか?」


冬月の名誉のために言っておくと、彼はあくまで真面目。冬月の倫理観に依れば、婦女子の着替えを覗
く行為はレイプに等しいのだ。
・・が、ゲンドウは、そういう面に関してごく一般的な考えの持ち主。冬月の問いは、おちゃらけとしか思えない。


「私は、真面目な話をしているのだ。
それとも、お歳ですかな・・・冬月先生」


「なんだと、碇。それは一体」


<保安部部長の山田であります!入室の許可をお願い致します!>


年齢を揶揄された冬月は流石にムッと来たものの、彼の抗議は息せき切って駆けつけた保安部長のインタ
ーフォン越しの大声によって遮られた。


「自分の仕事に戻っていいぞ、冬月。
これは、私の仕事だ」


「私も付き合おう。
保安部の不祥事とあらば、看過できんからな」


ゲンドウは冬月の言葉には応えず、ドアの外で直立して待機しているであろう保安部長に、入室を許可した。








「ほとんど、通い妻じゃない。
誰と付き合っても面倒見いいんだから、ヒカリは」


「だって・・
男の人の一人暮らしじゃ、何かと不便かなって」


昼食後の一服時間。
新しい彼との状況をヒカリから聞いたアスカは、毎日のようにショウヘイの住むアパートへ寄っているという
彼女に、正直呆れた。
ヒカリの性格からして、一人暮らししている彼の面倒を見ている事については納得。
尽くす女などという古めかしい表現はともかくとして、あれこれ人の面倒を見るのが好きな女というのは、現実
にいるからだ。アスカの身近な例で言えば、昔のレイ・・そして、リツコの助手を務めている伊吹マヤという
女性が当てはまる。
レイはシンジ限定だったが命を張ってまで彼を護ろうとしたし、マヤのリツコへの献身ぶりは、ネルフ内でも
よく知られている。

しかし、ヒカリも暇なわけではない。夜遊びに耽り、男の家を泊まり歩くようなだらしのない少女とは違う。家に
帰れば家事が待っているし、勉強もしなくてはならない。彼だけを構っていればいいという普通の少女ではな
いのだ。


「それにしても、毎日通う事は、ないんじゃないの?
自分ちの仕事だってあるんだし」


「最近はノゾミもよく手伝ってくれるし、コダマ姉にも遊び控えさせてるから、少しは楽になったのよ。
わたしだけで家事やってたら、さすがに通いきれないわ」


「でもね、彼にも自分のことは自分でやらせた方がいいんじゃない?
始めからそれだと、その内、自分じゃ何もやらなくなるわよ」


少し前まで葛城家の家事全般を仕切っていたシンジと比べるのも酷だが、ヒカリに頼り切るショウヘイという
男が、アスカには情けなく映る。時代がどうこう言うつもりはないし、アスカも女性の権利を声高に主張するフェミ
ニストではない。
ないが、掃除や洗濯くらいは自分でやって欲しいし、やれば出来るはずだ。
因みに・・
アスカの家事参入によって、現在のシンジの負担はかなり軽くなっている。


「それは大丈夫。彼って、何でもできるから。料理なんか上手いものよ。包丁の持ち方も知らなかった鈴原
とは違うわ。
それに掃除は朝起きてすぐに済ませてるし、洗濯だって、ちゃんと自分で毎日」


「ちょっと待って」


「なによ」


「ヒカリは、何をしにソイツのアパートへ通ってるわけ?
全部自分でできるなら、ヒカリが面倒見る必要ないじゃない」


「・・・あっ!」


ボン!という効果音が聞こえそうなほどの速度で、ヒカリの顔がみるみる内に赤くなっていく。ヒカリは、何
とか理由を探して口をパクパクさせているが、パニックでどうにもならないようだ。
その様子で、アスカは事情を察した。

ショウヘイが、シンジと同じように炊事、洗濯、掃除、全てをそつなくこなし、且つ実践している男なら、世話
をしに彼のアパートへ通っているというヒカリの理屈は成り立たない。
ヒカリがショウヘイのアパートに通っていると聞いたアスカも、もしかして・・
と考えたことはあったが、鈴原と付き合ってもキスすらしなかったヒカリの潔癖さを考えれば、彼との逢瀬な
どあり得ない。本当に世話だけだと確信していたのだ。
しかしヒカリのこの反応は、疑いのない証拠と言っていいだろう。


「ふ〜ん・・
ヒカリも、とうとう女になったか」


「お、お、お、お、お、女ってね、アスカ」


「鈴原にはキスすら許さなかったヒカリがね・・
付き合って、いきなり。それも、毎日なんて」


「べ、べ、別に毎日ってわけじゃ」


「毎日なんでしょ?誰かにアリバイ工作頼んで、泊まった事もあるわよね?」


「・・・その通りです」


自分の経験から考えて、関係が出来て最初の内は、彼の方が間をおかずに求めてくるはず。シンジとの関係
は普通でなかったけども、基本的には同じだと思う。彼が経験者ならともかく、前に尋ねてきたショウヘイの印象
からして、彼が女の子にもてるタイプにはとても見えない。恐らく、女の子と付き合うのもヒカリが初めてだろう。
ヒカリも最初の内は気が進まなかったはずだが、今は関係に慣れてきて、積極的にもなっているとアスカは見た。
そう考え、あらためてヒカリの体を見れば、気づかない内に彼女の体つきが女っぽくなっている。特に腰の辺りな
どは、艶が滲み出ている感じ。


「どうりで、最近、腰の辺りが艶っぽいと思った」


「・・・・」


「これでヒカリも、アタシ達の事をどうこう言えなくなるわね。
ところで、避妊はどうしてるわけ?やっぱり、彼に任せてるの?
何なら、ピル廻してあげるわよ」


「・・・お願いします」


シンジの親戚と付き合うヒカリが、もしそのまま彼と結婚したら、確実にシンジと結婚するであろう自分とヒカリ
は親戚同士になる。
そんな未来も面白い物だと、真っ赤な顔を晒し続けるヒカリを見ながら、アスカは一人ごちるのだった。






ネルフに就職した大学の先輩から誘われ、それまで務めていた警備会社からネルフに転職した時、自分はまだ
希望に燃える若者だったと思う。希望に燃えるという表現はオーバーかもしれないが、使徒戦を終えて新体制に
移行したばかりのネルフ本部には活気があり、努力次第で如何様にも出世が可能なように思えたものだ。
自分を誘った先輩もそのような事を仄めかしたし、事実その先輩は、三流と言ってもいい大学出身にも拘わらず、
保安部内政局局長補佐という要職に在った。
だが、それから一年あまりが経った今、現実が自分の回りをガッチリと固めていた。

実務の経験者という事で訓練期間は短く、ほとんど間をおかずに現場へ配置。
現場とは、幹部をガードするSP要員。保安部内政局というのは本部の要人を警護する部署で、現場の人間は、
体の強さと突進力が第一に求められる。格闘技などの戦技に精通していればそれに越した事はないが必ずしも
必要ではなく、対象の要人を護りきる事が重要なのだ。その資質を持った人間として、アメフトや相撲経験者が
適格とされる。大学時代、アメフト部に在籍していた自分は、まさに適格者。
現場でも底辺に近いが、先輩も現場から這い上がったという。だから、明るい未来を信じて必死で仕事に励んだ。
いつかは、ガードされる側になるのだと思いながら。
その甲斐あってか短期間の内に認められ、SPでも重要任務とされるエヴァパイロットのガード・・セカンドチルド
レンをガードする一人に指名されたのである。
しかし、自分は知ってしまった。自分に、出世の糸口すらないのだという事実を。


『夢を見るのは自由だけどな、ここじゃ、俺達みたいな人間が幹部に出世するなんてあり得ないんだ。
一応、そのための制度は内規にもあるさ。上が認めてくれて、それなりの手順を踏めば出世できるとね。
何年か前、俺もそれを信じて上司の許可も貰って一度挑戦した事あるが、筆記試験の問題見て諦めたよ。
ありゃ、努力でどうにかなるもんじゃない』


年上の同僚と酒を飲んだ時に聞いた現実。その時は、にわかに信じられなかった。自分を誘った先輩は休講の
常習者で、勉強をしている姿など見たこともない。何故卒業出来たのかと不思議に思ったくらいだ。
だから、自分は先輩の名誉のためにも反論した。実際に現場から出世した人間がいるではないかと。
その応えは・・


『局長補佐は、現役で東大合格したほどの英才だぜ。別格だ別格。
家の事情で東大の入学は辞退したけど、その後何年か働いて金貯めて、学費の安い大学に入り直したって話
・・・お前、知らないのか?大学の後輩だろ?』


初めて聞いた、先輩の実力。学年は二つ上なのに歳が七つも違う理由を、先輩は、あまり語りたがらなかった。
そんな先輩を、三流大学にすら浪人の末入った落ち零れと思い、憐れみさえ感じていた自分が馬鹿みたいだ。
憐れみを注がれていたのは、むしろ自分の方。それは、今の現状がはっきりと教えてくれる。


「俺に騙されたとでも思ったのか?
それで俺を困らせるためにやったのか?その為だけにセカンドを狙ったのか!?」


「・・・・」


取調室に内政局長補佐、林ダイスケの声が響くが、彼の向かいに座る大柄の男は俯いたまま無言。林は、
沈黙する嘗ての後輩に向かって再度声を張り上げる。


「どうなんだ!?応えろ!!」


今朝、局長から話を聞いたとき、林は何の冗談かと思った。自分が保証人とまでなって保安部に引き入れた
後輩が、事もあろうにガードの対象であるセカンドチルドレン、惣流 アスカ ラングレーに邪な感情を抱き、
襲う計画を立てていたというのである。
当然、林は、後輩はそんな事をする人間ではない。何かの間違いだと局長に訴えた。
しかし局長は、特殊監査部が彼の部屋から押収した計画書と、自白剤によって彼自身が蕩々と計画を吐露
する映像を示し、林は後輩の背信行為を認めざるを得なかった。
林は、何故彼がこんな行為に至ったかを知るために、取り調べを志願・・今の状況がある。


「・・・局長補佐は、関係ありません。
セカンドをガードしている内、綺麗な彼女に興味を持って」


「襲う機会を窺うようになったというのか?」


「そうです」


林は、項垂れる後輩がまだ腐りきっていないと判断した。
出世はないと自棄になっても、まだ自分を庇う心遣いを忘れてはいない。


「つまりだ。
貴様は出世への道が閉ざされたと自分で勝手に決めつけ、絶望から、ここのところは精神的に不安定な状
態であったという事だ。そうだな?」


「い、いえ、そんなことは」


「お前は何も言うな。後のことは、俺に任せろ」


後日、アスカのガードを務めていた一人が任務不履行を理由に罷免され、そのままネルフから追放された。
特務機関ネルフでの任務不履行は重大な内規違反であり、通常なら死罪もあり得る。追放で済んだのは、
温情措置とも言えるのだ。
この措置の影には内政局内部の事情が絡んでいるらしいとの噂が立ったが、それはすぐに消え、いなくなっ
た人間のことを口にする職員も、瞬く間に減っていった。

だが、うやむやの終わりを望まない人間が、ここに一人いる。


「ここでは一人も殺らないつもりだったけど、気が変わった。
犯罪者には、相応の罰が必要だ」


「あ・・が・・・か」


長い針のような金属を背後から心臓に突きこまれた男は、自分を刺した人間の顔を見ることもなく、鍛えら
れた筋肉で覆われた体を道路に沈ませた。
倒れた男は、元セカンドチルドレンガード。ネルフから追放されはしたが、古巣の警備会社への再就職も決
まり、心機一転して明日から新生活を始めようとしていた。
そしていつか、職を賭してまで自分の命を救ってくれた先輩に恩返しがしたい・・・
それが、彼の望みだった。
しかし、その望みは消えてしまった。
この男・・
いや、少年の手に依って。


「僕は、何の躊躇いもなく人を殺せる。
お前に人が殺せるか?碇シンジ」









「おかしい。奴の気配を感じない。
気配を完全に断つ能力を身に付けたとでもいうのか・・
だとしたら、厄介な事になるな」


転移に成功して数日・・
父を殺した敵を追うシンジは、久々に感じる焦りに冷静さを失いかけていた。
敵の気配を探ることに集中力を注ぎすぎ、変装を解いたまま、宿泊しているビジネスホテルを出てしまったのだ。
運の悪いことに、彼が足を踏み入れたのは、この世界のアスカ達が学校帰りに寄る事もある巨大ショッピング
センター。更に運が悪かったのは、彼女達は今日、ネルフでの訓練も休みだったことである。
結果、このような事態に陥った。


「あら、シンジじゃない。何やってんのよ、こんなとこで。
相田の買い物に付き合ってんじゃないの?」


下の階が見下ろせる広場の柵に寄りかかっていたシンジは、この世界のアスカに背後から突然声をかけられ、
全身から汗が吹き出るのではないかと思うほどに緊張した。ここに、この世界の自分が現れたら・・
考えただけで、冷や汗ものだ。


「や、やあ、アスカ。ケンスケは、トイレなんだ」


「相田の奴、ここで何を買うつもり?ここ、女物専門の階よ?怪しいわね。
アンタ、ひょっして」


自分の世界と寸分違わず美しいアスカの眉が不信で歪む。
何と誤魔化そうかとキョロキョロして考えるシンジが回りを見ると、確かにここは女物を専門に扱うテナントばかり
が入ったフロアのようだ。
下着売り場で、商品を手にとって真剣に悩むヒカリの姿も確認できる。彼女も、自分の世界と大差は無さそう。


「浮気でもしてんじゃないでしょうね?
浮気相手に下着でも送ろうっての?」


「じょ、冗談はよしてくれよ。
僕は、アスカ一筋なんだからさ」


「冗談よ。アンタが浮気なんて器用なマネ出来ないのは知ってるわ。
買い物はさっさと切り上げて、早く帰って来んのよ。アタシも、ヒカリの買い物が済んだらすぐに帰るわ」


「分かってるよ、アスカ」


離れていくアスカは、第壱中の制服は着ているものの、その後ろ姿には既に女の色が隠せないほど現れている。
この世界でも、ここのシンジと巧くやっているのだろう。
相手がシンジでない可能性もあるが、先程の彼女の台詞からして、シンジ以外は考えにくい。


「やばかったな。すぐに顔を変えないと。
トイレはと・・・
あそこか」


顔を変えるため、トイレに駆け込むシンジは、自分を窺う視線の存在に気付かない。
それは複数存在する。

まずは、アスカをガードする保安部の人間数人。シンジのガードとも連絡を取り合っている彼らは、突然現れた
シンジに戸惑い、反射的に彼を追っていた。シンジのガードに依れば、シンジは今、八階の玩具売り場。ここに
いる筈はないのだ。

そしてもう一つが、アスカ。
シンジと話したときの違和感が、アスカの頭から離れない。断言は出来ないけども、今のシンジは何かが違う。

最後の一つは・・・


「来たか。
ぬるま湯に浸かった、お坊ちゃん」


ショウヘイの目に憎悪の輝きが一瞬光り・・
そして消えた。




つづく



でらさんから『本物は誰?』第五話をいただきました。
ヒカリが女に‥‥驚きましたね。

それにしても、シンジの周囲の人間模様はこれから大混乱になりそうです(^^;;
みんな気づきはじめたし‥‥。

素敵なお話を書いてくださったでらさんに是非感想メールをお願いします。