」
「何よ、もう。
せっかくシンちゃんとの淡い思い出に浸ろうと思ったのに、湿っぽい話、思い出しちゃったわ。
どうなってんのよ、わたしの記憶は」
レイは、大袈裟に頭を振って嘆いた。
現在と未来、二つの意識が融合した結果、今の自分が在る。
マイナスとマイナスをかけてプラスになるような物だろうか。
こうまで性格が激変した理屈は、今でも分からない。
分からないけど、こうなって良かったと思う。
シンジはアスカに取られてしまい、奪還する目処も立たない。
でも・・・
「わたしは生きてる。
こんなにも愉しく!
最高じゃない!」
澄んだ空気、真っ青な空、輝くほどに白い雲が、レイを優しく見下ろす。
そして、道を行く第壱中の生徒達、サラリーマン、OL、その他諸々・・・
そのほとんどが、レイの笑顔に魅入られたように微笑んでいた。
act.6
でらさんから「秘密」のact.5をいただきました。
久しぶりの更新です。レイの変貌にはこういう理由があったのですね。
楽しい時間を過ごさせてくれたでらさんに感想メールを書きましょう。