神保町 昼食ニュース

2008年6月号

2008年6月7日記

北の街へ

 竹橋に住友商事と丸紅が輝かしくそびえ立っていた70年代には,昼休みになると,両社のオフィスから北の神保町へ向かって昼食を求めてやってくる人のうねりが見られた。今のパークタワー北側の盛(さかり)寿司(以前は支店が近くにたくさんあった)に丸紅の制服を着た女性がいつも行列し,必ず上寿司を食べていたりした。会社の先輩たちはよく「このごろ昼飯が混んでしょうがないなあ。社員食堂で食ってくれればいいのに」と言っていた。
 神田警察通りから南は今もオフィス人口の割に飲食店は少ないから,昼食時に神保町への人の流れはあるが,神保町の昼食の店の数がかつてとは比較にならないほど増えたこともあり,特定勢力が目立つということはあまりない。

 別館ブログで既報のとおり,会計検査院が昨年末に霞ヶ関に帰っていったのと入れ替わりに,2.5キロほど南の日比谷から旭化成の本社がやってきた。神保町三井ビルの1階から9階と,14階という広大なスペースで,5月19日から業務を開始したが,まだこれから移転してくる部門もあるらしく,移転完了後には2000人以上が働くことになるという。神保町随一の大企業の到来である。当ページ主宰者としては,神保町の昼食界の隆盛につながることを期待したい。
 旭化成が移転してくるというのは知っていたのだが,本社の移転だというのは今回初めて知って驚いた。しかし,同社のホームページを見たところ,本社移転の予定は3年前にすでに公表されているのだった。

◆ 開 店

 まず,4月に書き忘れた店「spice kitchen」から。駿河台下の交差点から明大通りを少し上がった左側のカレーの店である。ランチはカレーセット(\850)が中心で,カレーは4種 (チキン,キーマなど)から選択できる。ほかにタンドリーチキン付,カレー2種のセットなどもある。もちろん,ナンを焼いている。オードリー,エチオピアとこの spice kitchen と,互いにタイプの違うカレーの店が並ぶ新しいカレーストリートになった。

 日本教育会館(一ツ橋)2階の「喜山」があった場所に3月26日に開店した「泰南飯店」に行ってみた。喜山はバイキングだったが,こんどの店はゆったりしたテーブルのちょい高め路線で,ランチA\1260,B\950,C\1050,担々麺セット(マーボ豆腐,ライス付),野菜湯麺セット各\1050,ほかに麺類,チャーハン等もある。
 行った日は暑い日で,担々麺セットは冷やしがデフォルトだった。食べたのはBランチで,メインディッシュは鶏唐揚タマネギソース(レタス付),これに一応ちゃんとしたサラダとスープ,ご飯がつく。コストパフォーマンス良好。

 神保町交差点北西すぐの尾道ラーメンだった場所が,ラーメンの「きなり屋」になった。きなり屋は,靖国通り沿い北側の小川町1丁目に前からあり,しばしば行列ができている。ラーメンは\680からで,ラーメン以外のメニューもけっこうたくさんある。

 五十通り(千代田通りエーパン脇の道)を入って左側の刀削麺酒家(小川町 3-9;その前は「山頭火」だった場所)が改装していると思ったら,5月12日に「まるた小屋離れ」となって開店した。和食みたいな名前だが中華である。ランチは,日替わり(ご飯,スープ,漬け物付)\850,ご飯ものはチャーハン,中華丼,焼きそば,大辛麻婆丼 \850(なぜか焼きそばは「ご飯」に分類されている),麺類はジャージャー麺,担々麺,五目そば,野菜湯麺など \850中心。ほかに,麺類にプラスするセット(\200)として,日替わりランチのおかず(小)と小ライス,ミニ中華丼,ミニ大辛麻婆丼があり,分量を調整できるのがよい。

◆その他の動き

 「蘭奢待」(靖国通りの1本北側,神保町2-12)の昼食は親子丼一筋だったが,5月21日で昼食を中止してしまった。

 「陳麻家」は,5月21日から冷し担々麺を始めた。


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