神保町 昼食ニュース

2006年5月号

2006年5月4日記

花の命は

(上) 神保町三井ビル前/(中) 八羽(スタバ脇の路地)の前/(下) 交通博物館のライトアップ
(写真をクリックすると大きい写真が出ます)

 神保町も桜の次はツツジの季節となり,4月半ばから見ごろになった。街路樹も葉をつけ始めた。

 春は毎年巡ってくるが,今年最後の春を迎えているのが,神田須田町の交通博物館である。旧万世橋駅の一部に作られた由緒ある博物館だが,5月14日限りで閉館する。夜は川に面した壁面がライトアップされて名残を惜しんでいる。(参照:ブログ別館

◆ 開 店・初訪問

 4月もいろいろ動きがたくさんあった。
 まず,既存の店が昼食を始めたのをひとつ。昼に見慣れない客引きが出ているなと思ったら,すずらん通りの一本南側の小道,パチンコ屋の裏口の前にある「やきとり屋 神保町」(神保町1-25)が,親子丼の昼食を始めたのだった。始めたのは3月23日だそうだ。
 親子丼は大中小とも\800(ただし,小にはミニサラダがつく)で,味噌汁はおかわり自由,あと細切りの海苔も自由にとれるようになっている。塗りの浅い椀に入って出てきた。鶏肉はもちろんしっかりした味で,タレが甘ったるくないのがいい。ちょっと変わっているのは菜の花が入っていたことである。他の季節はどうなるのだろう。いっしょに食べたダイコンとジャコのサラダ(\100)も親子丼の箸休めに良かった。
 ちなみに,この店には「生樽ホッピー」がある。ホッピーを置く店は増えてきたが,生樽ホッピーというのは私は他で見たことがない。

 そのすぐ近く,冨山房ビルの向かいの道を南に少し行った左側の地下,1月に閉店した「叶屋」の場所で「しど」という店が10日ごろ開店した。チラシには“築地「さまよ」が神田「しど」としてオープン”と書いてあり,少し西側にあった「さまよ」と関係があるらしい。中はほとんど叶屋のままだった。
 昼食は,刺身,かれい煮,さば味噌煮,まぐろ照焼(各\1000)の4種。まぐろ照焼を頼んだところ,刺身,小鉢2種(野菜の煮物,ミニ冷や奴),つけもの,味噌汁がついてきて,内容が充実していた。

 これは少し前の開店かもしれないが,「まんてん」の並び(ランチョン脇の通りを北へ250m行った左側の路地;神保町1-54)にある「くま咲」に入った。やや大柄の奥さん(?)が調理をしていた。ランチは¥750で3種あり,そのうち赤イカの刺身は「常任」,あとの2種はほとんど日替わりだそうだ。日替わりは,最初に入った日は,牛肉すき焼き風,サバおろし煮だった。
 ランチは「小鉢,ご飯,味噌汁,つけもの,もう1品」と貼り紙にあり,もう1品というのは和風サラダで,栄養バランスもいい。月末近くなってもう一度行ったときの日替わりは,地鶏天ぷら,豚バラおろしポン酢だった。

 もうひとつは4月26日開店の「つけそば 北かま」,錦華通りを少し行った左側である(神保町1-34あたり)に,開店当日に入った。カウンターのみ10席ほどの店で,中の貼り紙に,横浜の弘明寺(ぐみょうじ)にあるラーメン「北かま」のつけそば店であると書いてあった。
 基本のつけそばが \750,トッピングはメンマ,九条ネギ,ノリ,味付タマゴなどが \100,チャーシューが \250といった具合で,「全部乗せ」が\1000となっている。全部乗せを頼んだところ,麺とつゆが別だから当然だが,トッピングはつゆの中に沈んでいて,「全部沈み」だった。チャーシューのかなり厚いのが 6,7枚,メンマ,煮卵,ノリは 8枚ぐらい入っていて,つゆは和風かつおだしで近ごろ珍しいほど濃厚,麺はうどんのような太麺で,非常にボリュームがある。残ったつゆはスープで割って飲むこともできる。

 上記「しど」の並びの「鴻(オードリー)」の昼食は以前は富士吉田のうどんだったが,今春,うどんをやめてスープカレーになった。野菜,チキン,ハンバーグ(\1050),牛カルビ(肉の量に大小あり)の4種で,スープは黒と赤(スパイシー)の2種がある。さらに辛さの段階を選ぶことができるので,「設定項目」が多い。ご飯はおかわり自由である。

 神保町交差点の北西ブロック,旧三菱銀行の左脇に「湛山」という店ができているが,まだ入る機会がない。

◆その他の動き――開店準備中・閉店もどき・閉店

 白山通りを水道橋方向へ半分ぐらい行った左側,「台南担仔麺」が4月1日からランチをやめてしまった。水餃子の食べ放題などいろいろな「企画」で人気を集めていたように見えたのだが。

 昨年,ビルの建て替えのために閉店したとんかつ「駿河」は,新ビルで5月中旬に開店するという。すでに,前と同様の黄色い看板が出ている。

 神保町1-6のランチョンのビルの地下,「出め魚」が閉店して何か工事をしているなと思ったら,4月21日,「キッチンジロー <神保町店>」となって開店した。昼食は他のジローと同じだが,チラシのキャッチコピーに曰く「夕暮れ時からキッチンジローが変わります!」 つまり,夜は酒とつまみに重点を置くらしい。ジローはもともとオードブルの配達などをしていたが,いよいよ飲み屋業界に進出である。

 4月下旬,神保町交差点の旧三菱銀行裏の薬膳カレー「じねんじょ」の前を通りかかったら,閉店して工事中だった。焼鳥屋の看板が準備されていた。

 「がんこラーメン康雅賢」(五十通り;小川町3-11 インペリアルビルお茶の水2階)が,4月始めごろから「都合により,本日,閉店します」という貼り紙を出したが,その後もずっと「本日」が続いている。去年の9月開店だったから,7か月ほどの命だった。この場所のラーメン屋は3軒目だが,いずれも短命だった(昨年10月号参照)。

 白山通りの右側を水道橋方向へ少し行ったところ(神保町1-42)のカレーの「とんくろ」が,4月10日に通りかかったところ閉まっていたが,その後も閉店のままである。こちらは貼り紙もない。チェーン店のホームページにも何も書いてない。閉店だとすれば,これも8か月の命だった。

 ちゃんと閉店の貼り紙が出ていたのは,駿河台下交差点から少し上がった左側,「エチオピア」の隣,鶏肉料理「ほっと亭」である。2月末に閉店したという。昨年10月20日開店だったから,こちらは4か月である。

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