「あ、あすこに居る。あすこに居る。あんな遠くに居るんだよ。」
 大臣の子はそっちを見ました。まっ黒な森の向う側から、虹は空高く大きく夢の橋をかけているのでした。
「森の向うなんだね。行ってみよう。」
「又逃げるでしょう。」
「行ってみようよ。ね。行こう。」 

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