警告、
エイリアン接近!


“魂斗羅”とは、
熱い斗魂とゲリラ戦術の素質を
先天的に合わせ持つ、
最強の闘士の呼称である。


西暦2633年12月、
異星人の地球侵略基地破壊に挑む
2人の“魂斗羅”―ビルとランス。
「ランボー」のゲリラ戦術と
「コマンドー」の破壊力で、
「エイリアン」の人類絶滅の野望をくじけ!
バイオレンスSF“魂斗羅”。
キミはいま、興奮のまっただ中!



魂斗羅(コントラ)
機種 アーケード ステージ数 10面
発売元 コナミ ライフ制 なし
開発元 コナミ 残機制 あり
発売日 1987年2月20日 コンティニュー 3回
定価 - パスワード なし
プレイ人数 2人同時プレイ可能 難易度選択 あり
[ オレたちゲーセン族(PS2) | コナミアーケードコレクション(DS) | Xbox LIVE アーケード(Xbox 360) ]
[ コナミネット(携帯アプリ) | アーケードアーカイブス(PS4) ]
ストーリー
遊び方
アイテム
敵キャラクター
STAGE 1〜STAGE 3
STAGE 4〜STAGE 6
STAGE 7〜STAGE 10
エンディング



 1986年末。米国政府が国際法に違反して密かにイランに武器を売却、さらにそこから得た金の一部をニカラグアの反政府ゲリラ「コントラ」に横流ししている、という重大な事実が発覚し、世界を震撼させた。レーガン政権最大のスキャンダル、イラン・コントラ事件である。
 明けて1987年の2月20日。『グラディウス』『ドラキュラ』といったタイトルと並びコナミを代表する人気シリーズ、その記念すべき第1作がアーケードゲームとして発売され、世界は別に震撼しなかったが俺達は震撼した。人類滅亡をたくらむエイリアン軍団に、熱き斗魂を生まれながらに持ったゲリラ戦術の達人2人が立ち向かう、漢の戦場アクションシューティングゲーム。その名も『魂斗羅(コントラ)』である。

ランボー&コマンドーVSエイリアン

 西暦2633年、人類滅亡をたくらむ“レッドファルコン”と名乗る侵入者がガルガ諸島を前線基地にしていることが判明、地球海兵隊司令部は海兵隊所属の2人の“魂斗羅”ビル・ライザー上等兵とランス・ビーン上等兵に基地破壊の命令を下した……というのが、『魂斗羅』のストーリーである。
 “魂斗羅”とは、熱い斗魂とゲリラ戦術の素質を先天的に合わせ持つ、最強の闘士の呼称である。そしてどう見ても、ビルは映画『コマンドー』のアーノルド・シュワルツェネッガー、ランスは映画『ランボー/怒りの脱出』のシルベスター・スタローンそっくりなのである。
 『ランボー/怒りの脱出』の日本公開が1985年8月、『コマンドー』の日本公開が1986年2月。ちょうどこの時期、今日では流行らない「巨大な鉄砲を持った上半身裸の筋肉質男が、たった1人で敵の大軍に戦いを挑む」という暑苦しいアメリカ映画が、流行りに流行りまくっていたのだ。
 このような風潮は当時のゲームにも大きな影響を与えた。有名なSNKの『怒』(1986年)などは、もともと『ランボー/怒りの脱出』のゲーム化として企画された作品だ。そんな時代背景を考えると、『魂斗羅』の企画意図の中に「アクション映画の2大ヒーロー、ランボーとコマンドーがゲームで夢の競演!!」という時流に乗った着想が存在したであろうことは想像に難くない。
 しかしながら本作は、単にランボーとコマンドーが主人公の戦争ゲームにはとどまらなかった。『魂斗羅』制作途中の1986年8月、これまた言わずと知れた、ジェームズ・キャメロン監督、シガニー・ウィーバー主演の大ヒットSF映画『エイリアン2』が日本で劇場公開された。そして、何と言うことだ、『魂斗羅』の制作スタッフはそれを全員揃って観に行ってしまったのだという。
 彼らはそのスリリングな展開、リアルで機能的なモンスターなどのデザインに圧倒されて帰ってきた。そしてリアリティあふれるモンスターを、敵軍団を率いるものの正体として与えることは、これまでのステージとはがらっと雰囲気が変わってストーリー展開に変化が加わって面白いものになる、と考えたのである。
 かくしてランボーとコマンドーは軍隊だけでなく、映画『エイリアン』『エイリアン2』から抜け出してきたような、異形のエイリアンとも戦うはめになってしまった。最終面、敵基地の奥深くに広がるエイリアンの巣は、まさにH.R.ギーガーの世界。エッグから飛び出すフェイスハガーなど、どう見ても『エイリアン』そのものだ。
 ともあれ、数百人の敵兵をたった1人で全滅させてしまう最強軍人コンビと、人類の想像を絶するパワーを持ったエイリアンとの戦い。こんな突拍子もない、そして燃える設定を持った『魂斗羅』は、当時あふれていた「魔王を倒し、お姫様を助け出せ!」といった類のゲームとは明らかに一線を画す、魅力的なものであった。

戦場アクションシューティングのエポック

 『魂斗羅』でまず驚かされるのが、プレイヤーキャラのユニークな動きだ。ジャンプボタンを押すと、ボールのように丸まってクルクルと回転ジャンプする。レバーを下に倒すと、地面にベターッと伏せる。高圧電流に触れると、片手を挙げてビリビリと感電する。敵や弾に当たると、ズッキュウゥゥンと(本当にそういう音がする)後方一回転して死亡する。
 キビキビとした動き、そして過剰なまでにアクロバティックなアクションが、見ていても動かしていても実に小気味良いのである。この軽快な操作感覚こそ、『魂斗羅』の大きな魅力のひとつだ。
 だが、ただそれだけではない。ゲーム性の面でも、『魂斗羅』は当時の他の横スクロールアクション、例えば『スーパーマリオ』とも、『ドラキュラ』とも、『魔界村』とも、全く異なっていた。『魂斗羅』がその流れを汲んでいるゲームを挙げるとすれば、同社の戦争アクション『グリーンベレー』(1985年)ということになるが、それでもやはり大きな違いがある。
 『グリーンベレー』の基本武器はナイフ1本、飛び道具は弾数制限があり、近接戦闘が主体のゲームであった。それに対して『魂斗羅』のプレイヤーは、銃弾無制限のマシンガンを標準装備し、さらにレバーに対応した8方向へ弾を撃ちまくることができたのだ。横スクロールアクションの常識を超えた驚異的な攻撃力、まさにシューティングゲームの攻撃力だ。これで敵の大軍をバリバリ撃ち殺していくのである。
 もちろん、そのぶん敵の攻撃も厳しい。全方位からプレイヤーめがけて一斉に銃撃してくる。止まっている間もザコが無限に突っ込んでくる。そのためプレイヤーは撃ちやめることが許されない。とにかく撃って撃って撃ちまくり、敵が撃つ前、近づく前に片っ端からぶっ殺せ! 弾を撃たれたら、ジャンプして、伏せて、走り抜けて回避しろ!
 『魂斗羅』の世界は、まさに戦場だ。スピーカーから途切れなく鳴り響くマシンガンの銃声、画面中をまるでシューティングゲームのごとく飛び交う弾丸、画面のそこかしこで巻き起こるド派手な爆発。これほどハードで、スリリングで、痛快な横スクロールアクションは、それまでになかった。
 『魂斗羅』は「走る」「跳ぶ」が基本の横スクロールアクションに、「撃ちまくる」「避けまくる」という本格的なシューティング要素を盛り込んだ横スクロール“アクションシューティング”ゲームであり、後の『ガンスターヒーローズ』や『メタルスラッグ』などの先駆けとなった、エポック・メイキング的な作品であると言えるだろう。実際、このタイプのゲームを一言で説明せよと言われたら、ほとんどの人が「『魂斗羅』タイプのゲーム」という表現を用いるはずだ。

多彩なアイデア

 ゲーム性の他にも、『魂斗羅』は個性的な特徴をいくつも備えていた。まず、2人同時プレイ。俺がランボー、お前がコマンドーという燃えるシチュエーションももちろんだが、敵があらゆる方向から次々と襲ってくるこのゲームでは、例えば1人がボスを撃っている間、もう1人はザコを倒してフォローするなど、2人同時プレイに非常に向いていたと言えるだろう。「上から来るぞ、気をつけろ!」などと助け合いながら、友人と「戦友」として共に戦う感覚は何とも言えず楽しいものであった。時にはアイテムの奪い合いになり、男の怒りが爆発する地獄のバトルゲームと化したりもしたが。
 パワーアップアイテムも多彩で、ド派手だ。フワフワと空を飛んでくるカプセルを撃ち落とすと、マシンガン、レーザーガン、ファイア・ボール、スプレッドガン、ラピッド・ビレッツ、バリアと、全6種類のアイテムが飛び出す。フルオート連射のマシンガンはまさにランボー者だし、長くて強いレーザーは『グラディウス』さながらだ。ファイア・ボールも、攻撃力は今ひとつだが、火の玉が回転する見た目はユニークだった。そしてスプレッドは、『魂斗羅』の代名詞とも言える武器だ。カラフルな5方向拡散弾がドバッと飛び出し敵を一掃してしまう、その圧倒的な攻撃力には、かつてない驚きと爽快感があった。
 そして何と言っても、『魂斗羅』の大きな特徴は、ステージによって画面のスクロールが切り替わる点だ。大部分は横スクロールだが、滝ステージでは縦スクロールに、敵基地内では3D迷路に、大型センサーでは固定画面に切り替わるのである。
 3D迷路とはプレイヤーを背中から見た視点で、左右に移動しながら画面奥に向かって攻撃する。ゲーム的にはシンプルなものだが、当時としては擬似3D空間がなかなか上手に表現されておりインパクトは大きかった。後に同社から発売された『餓流禍(ガルカ)』(1988年)や『G.I.ジョー』(1992年)の原型とも言える。それに、横スクロール画面とは見た目も内容も全く違うので、まるで1つのゲームにもう1つ別のゲームが入っているような、新鮮な感覚で楽しむことができたのである。このように、ステージごとに面の雰囲気、スクロールの方向までがらっと変わってしまう先の予想がつかない展開は、さすが『グラディウス』や『沙羅曼蛇』のコナミといった感じで驚かされた。
 『魂斗羅』は、カラフルで美しいグラフィックも魅力的だ。当時としては高水準の技術である背景の多重スクロールも使用されている。本作のデザイナーである中村健吾氏は、『グラディウス』の世界観設定からキャラクターデザインまでを手がけた大人物である。中村氏は続編の『スーパー魂斗羅』を始め、『A-JAX』、『究極戦隊ダダンダーン』など、多くの作品に携わっているが、いずれもグロテスクな生物的キャラクターが登場するのが興味深い。
 重厚なステレオサウンドも素晴らしく、ノリのいいBGMは戦場アクションを大いに盛り上げた。これらの名曲は、後のファミコン版『魂斗羅』、MSX2版『魂斗羅』、ゲームボーイ版『コントラ』といった家庭用移植版にもそのまま使用され、多くの人々の耳に残っている。特に印象的なパターンクリアBGMは、全ての魂斗羅作品で必ず使用される、シリーズの伝統曲となった。サウンドを担当した村岡一樹氏は数多くのコナミサウンドを手がけ、近年では『メタルギアソリッド』シリーズ等で有名だが、当時はまだ1986年入社の新人で、この『魂斗羅』が氏のほぼ最初の仕事だった。

『魂斗羅』は間違いなく、本当の意味で、「映画的なゲーム」だ

 『魂斗羅』は映画を意識して作られた、シネマ感覚あふれるゲームであると言われる。現に本作の企画が、『ランボー』『コマンドー』『エイリアン』といった当時のヒット映画の影響を強く受けていることは一目瞭然だ。だが重要なことは、それが単にキャラクターのユニークさなど、表面的な部分だけにとどまっていない点なのだ。
 熱帯ジャングルから潜入し、激流の滝を登り、極寒のツンドラを越えて敵要塞の奥深くに侵入すると、そこにはグロテスクなエイリアン空間が広がっているという、奇想天外なステージ構成。
 その中でプレイヤーは、爆弾の仕掛けられた橋を強行突破する。水中に潜り敵の銃撃をかわす。迫りくる戦車に真正面から銃弾をぶちこむ。凄まじい勢いで噴きだす炎を間一髪でかわす。謎のUFO、謎のサイボーグ、そして想像を絶する敵軍団の正体を目撃し、驚愕する。
 インパクトのある敵が、罠が、2、3画面スクロールするたびに次々と出現する。状況を説明するセリフや、メッセージの類は一切ない。全てはプレイヤーが見たまま、文章的な意味でのストーリー性は皆無である。だがその多彩なギミックと、プレイヤー自身のレバー&ボタン操作が、まるで映画のようなノンストップ・アクション・ストーリーを展開させていく。
 『魂斗羅』には近年のゲームのように、美麗で長大なムービーデモなど当然存在しない。だが『魂斗羅』の優れた演出はプレイヤーに、ただ観ているだけではない、まるで実際にアクション映画のヒーローになったような興奮を与えてくれる。それこそが、『魂斗羅』のシネマ感覚の真髄なのだ。『魂斗羅』は間違いなく、本当の意味で、「映画的なゲーム」だ。だからこそその輝きは15年以上の年月を経た今日でも、決して色褪せることはないのである。
 数多くのユニークで魅力的なアイデアを備えた『魂斗羅』はアーケードゲーマーの心をとらえ、『グラディウス』や『沙羅曼蛇』のような同社のビッグタイトルには及ばないものの、国内、海外ともに高い人気を博した。
 『魂斗羅』の成功を受けて翌1988年、アーケードで続編『スーパー魂斗羅』が発売される。そしてほぼ同時期にファミコン移植版『魂斗羅』も発売され、家庭用ゲームへと進出。以後魂斗羅シリーズはコナミの大看板として、次々と続編がリリースされていくことになる。



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