そも素人はお呼びでないか? 否、それでも止められぬこの思い、「嗚呼、此の歌詞の意味が分かつたら・・・!」

というわけで、ポ語邦訳DIYプロジェクト、超マイペにて続行中。 (2003.08.23)


口上 (2001.05.27) ご面倒な方は飛ばして下さい。

ブラジル音楽を好きで聴いているものの、ポルトガル語がわからないのは常々大きなネックでありました。国内盤が出ていれば邦訳を参照できますが、そういうのはほんの一部であって、あとは國安真奈氏「邦盤未発売CD対訳」や、なべぞうさん「ポル講」を頼りにしているのが実状。しかも、これらは皆さんボランティアでされてることなので、こちらの身勝手な要望をぶつけてばかりいる訳にもいきません。

で、思い立ったのであります。多少の間違い承知で、とりあえず自力でやってみるか。ポ語に詳しい方はもし気が向けば間違いを指摘して下されば幸いです、てなノリで。

ご注意 ここの対訳があてにならないという注意書きです。必ずお読み下さい。

というわけですので、ここに掲載する邦訳には以下の留保をつけます。ご了承のほど。


目次:

第3回 (2003.08.23) 『あなたの髪の色したヒマワリ』UM GIRASSOL DA COR DE SEU CABELO (a.k.a. "Sunflower") - Lo Borges/Marcio Borges

第2回 (2003.08.04) 『勇者、マヌエル』MANOEL O AUDAZ (a.k.a. "Eternal Youth") - Toninho Horta/Fernando Brant

第1回 (2001.05.27) 『ブラジリアの空』CEU DE BRASILIA - Toninho Horta/Fernando Brant

 

第3回:

『あなたの髪の色したヒマワリ』UM GIRASSOL DA COR DE SEU CABELO (a.k.a. "Sunflower")
ロー・ボルジス/マルシオ・ボルジス Lo Borges/Marcio Borges

収録CD: Milton Nascimento & Lo Borges "Clube da Esquina" (EMI Odeon, 1972), Lo Borges 'Meus Momentos 2CDs' (EMI, 1999: Live)Toninho Horta "Moonstone" (Verve Forecast, 1989: instrumental)

Um Girassol Da Cor De Seu Cabelo

あなたの髪の色したヒマワリ
 

Vento solar e estrelas do mar
a terra azul da cor de seu vestido
vento solar e estrelas do mar
voce ainda quer morar comigo

Se eu cantar nao chore nao
e so poesia
eu so preciso ter voce por mais um dia
ainda gosto de dancar, bom dia,
como vai voce?

Sol, girassol, verde vento solar
voce ainda quer morar comigo
vento solar e estrelas do mar
um girassol da cor de seu cabelo

Se eu morrer nao chore nao
e so a lua
e seu vestido cor de maravilha nua
ainda moro nesta mesma rua,
como vai voce?
voce vem, ou sera que e tarde demais?

O meu pensamento tem a cor de seu vestido
ou um girassol que tem a cor de seu cabelo.

陽差しの風、海に星
あなたの服の色した青い大地
陽差しの風、海に星
今もあなたは、ぼくと一緒にいたいんだね

ぼくが歌っても、どうか泣かないで
これはただの詩だから
あと一日、あなたをぼくのものにしておきたいだけ
まだ踊りたいんだ---「やあ、こんにちわ、
ご機嫌いかが?」

太陽、ヒマワリ、緑色した陽差しの風
今もあなたは、ぼくと一緒にいたいんだね
陽差しの風、海に星
あなたの髪の色したヒマワリ

もしぼくが死んでも、どうか泣かないで
それはただの月
本当に奇蹟のような色したあなたの服
この同じ街にぼくは今も住んでいるよ
やあ、元気?
おいで---それとも、もう遅すぎる?

ぼくの思いはあなたの服の色、
それともあなたの髪の色したヒマワリの色。

[注釈、といより気になることども]

"E so a lua"とか"cor de maravilha nua"とか、ひょっとすると慣用表現ではないかと思うほど、直訳の据わりが悪いです。にもかかわらずそのまま掲載しちゃうわけですが。回を重ねて益々大胆、ええかげんな訳になってきているような気がします。ここらでどなたかから一発お叱りを頂かないとマズイかも知れません。
もう一つ、これは真面目に訳注。estrela-do-marとハイフンでつながると「ヒトデ」のことですが、ここは内容からしてまさかヒトデじゃないでしょう、ということで上記のとおり訳しました。さすがにこれは正解?(2003.08.23)

 

第2回:

『勇者、マヌエル』MANOEL O AUDAZ (a.k.a. "Eternal Youth")
トニーニョ・オルタ/フェルナンド・ブランチ Toninho Horta/Fernando Brant

収録CD: Toninho Horta "Toninho Horta" (EMI Odeon, 1980/2002), "Moonstone" (Verve Forecast, 1989: instrumental), Flavio Venturini e Toninho Horta (Dubas Musica, 1989/1997)

Manoel, O Audaz

勇者、マヌエル
 

Se ja nem sei
O meu nome
Se eu ja nao sei parar
Viajar e mais
Eu vejo mais
A rua, luz, estrada, po
O jipe amarelou
Manoel, o audaz
Manoel, o audaz
Vamos la, viajar
E no ar livre
Corpo livre
Aprender ou mais, tentar
Manoel, o audaz
Manoel, o audaz
Iremos tentar
Vamos aprender, vamos la

もし自分の名さえ
わからないのなら
立ち止まることすらできないのなら
旅するのもいいだろう
通りが、光が、街道が、砂塵が
私の目に映り
ジープは黄色く埃に染まる
マヌエル、勇ましき者
マヌエルよ、勇敢なる者よ
さあ、旅に出よう
自由な空気に
自由な身体に
学ぶこと、いやむしろ試すこと
マヌエルよ、勇ましき者
マヌエルよ、勇者よ
ともに挑もう
ともに学ぼう、いざ行かん!

[注釈、といより気になることども]

徹頭徹尾わからないのが、「勇者マヌエル」とは誰か。マヌエル、という名は元々神の子(イエス)を指すものですし、ブラジルはカトリックの国で、聖書や信仰に由来する慣用表現や常套句で常識となっているものが山ほどあるので、これもその一つかも、と想像はしてみました。してみましたが、調べてもなかなかそれらしき情報には行き当たらず、とりあえずマヌエルを単純に固有名詞として訳しました。もちろん、それでも十分に味わいのある歌詞なのですが。どなたか情報お持ちの方、ご教示いただければ幸いです。(2003.08.04)

 

第1回:

『ブラジリアの空』CEU DE BRASILIA
トニーニョ・オルタ/フェルナンド・ブランチ Toninho Horta/Fernando Brant

収録CD: Toninho Horta "Terra dos Passaros" (Dubas Musica, 1979/1995), "Durango Kid" (Big World, 1993), Flavio Venturini e Toninho Horta (Dubas Musica, 1989/1997)

Ceu de Brasilia

ブラジリアの空
 

A cidade acalmou
logo depois das dez
Nas janelas a fria luz
da televisao divertindo as familias
Saio pela noite andando nas ruas

La vou eu pelo ar
Asas de aviao
me esquecendo da solidao
da cidade grande,
do mundo, dos homems
Num voo maluco
que eu vou inventando
e voo ate ver nascer
o mato, o sol da manha,
as folhos, os rios, o azul
Beleza bonita de ver

Nada existe
como o azul sem manchas
do ceu do planalto central
E o horizonte imenso aberto
sugerindo mil direcoes
E eu nem quero saber
se foi bebedeira louca ou lucidez

街は静まり
10時過ぎ
家々の窓には
家族を楽しませるテレビの冷たい光
僕は夜の中を出かける
通りを歩いて

今すぐ空かけて行くよ
飛行機の翼が
大都市の 世の中の 人間の
孤独を忘れさせてくれる
ぼくの空想するこの
いかれたフライト
森が 朝日が
木々の葉が 川が 空の青が
目に映る最も美しいものが
生まれるのを見届けるフライトの中で 

中央高原の空ほど
一点の曇りもない青はない
そして無限の地平線が広がり
千の方向を指し示す
これがひどい酔いだろうが素面だろうが
構うものか

[注釈、といより気になることども]

一見、孤独を癒すブラジル中央高原の自然、というだけのテーマにも見えるのですが、「夜と朝の明瞭な対比」「『無限の地平線』『千の方向』といった表現から想起される『自由』のイメージ」といった点から、政治的・社会的な閉塞状況において自由を希求する心情の比喩的表現ではないか、といった思い込みが頭から離れません。どなたか正しい読みをご指南頂ければと思います。(2001.05.27)



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