「げんきDASの使い方」編 第一話。
げんきDASってどんなふうに使うんだろう?
このホームページは、上のような疑問にお答えしています。
「そこだけ先生とえだね先生」の話として、なるべくわかりやすく、患者さんにも、柔道整復師、鍼灸師の先生方にも楽しんで読んでいただけるように工夫しています。
各ページは、4~5分で読める文章量でまとめています(文庫本2ページ分くらいの文量です)。
それぞれの章は読み切りになっていますが、順番に読んでいただくとさらにわかりやすくなると思います。
げんきDASの使い方。
まずは、基本の中の基本から。
「慢性痛には肩こりや腰痛が多いですからね。古里さんの肩こりから始めましょう。」
えだね先生も、おみやげのお饅頭を美味しそうにほおばりながらいいました。
(このお話は「げんきDASで治そう!」001~010の続きです。)
「肩こりと腰痛が治せれば、治療家として食っていけるっス。学校の先生もそういってたっス。」
「古里さんの肩こりは、頸椎(首の骨)のわきと、手首に電極を貼って低周波を流しました。」
「それっス。なんで肩に直接じゃないんスか?」
「わかりやすくいうと、腕や脚は神経が発達しているから、影響を与えやすいんです。」
「たいていの肩こりは、肩だけの問題ではなく、腕の疲れや、眼精疲労と一緒に起きる、広範囲な症状の一面です。だから肩だけでは治りづらい。」
「その広い範囲の疲れを、神経の中でも太い枝を使って効率的に治してるんでしょう。」
「神経の根もとは、頚椎(首の骨)っスよね。神経の枝さきは、なんで手首を選んだんスかね?」
「神経は、筋肉や腱のすき間を通ります。」
「手首や足首は、腱がはっきりわかりやすいから、神経のとおり道もわかりやすいんですよ。」
「げんきDASの図は、そのとおり道なんすね?」
「そうです。この『手足の治療(末梢神経)』の画面で、上側に首や腰の図がありますよね。これが根もと側です。」
「●とか▲、▼とか、いろいろマークがあるっスね?」
「下側に腕や脚の図がありますよね。そちらの枝さきの反応(つぼ)と、組み合わせがわかるようになってます。同じマーク、例えば根もとと枝さきの●どうしを通電するんです。」
「マークがいくつも出てたらどうするんスか?」
「青でも赤(紫)でも、反応が強いと、濃い色で表示されます。色が濃い部位に施術するといいと思います。」
「なんだぁ、画面のまんまだ。簡単じゃないスか。」
そこだけ先生は、もうわかったと、例の、えっへんと、いばった顔をしました。
えだね先生は、単純すぎるそこだけ先生が面白すぎて、お茶を吹きそうになりました。
「時間があれば、マークの場所に圧痛があるか、触診するといいですよ。」
「とくに、根もとにあたる背骨のわきは、左右で比べたり、上下で比べると、わかりやすいですよ。」
「でも、枝さきって、同じマークがいくつか出てるじゃないスか?どう選ぶんスか?」
「基本は、手首や足首でいいと思います。東洋医学でいう『原穴(げんけつ)』という、つぼの中でも多用される部位ですよね。」
「あっ、先輩、オレだって原穴くらいは憶えてるっス。でも、柔道整復師の資格だけの先生や、整形外科の先生には、原穴っていっても通じないっスよね?」
「げんきDASは、マークをマウスでクリックすれば、どの腱とどの腱の間とか、場所を説明してくれるから、鍼灸の資格は必要ないと思いますよ。」
「なんだぁ、先輩、それじゃ、まるっきり簡単じゃないスか。」
「もっと難しいと思ってたっスよ。パソコンって便利っスよね。」」
そこだけ先生は正直なので、ずるいっスよ、という顔をしました。
「それで先輩、治療器はどうするんスか?低周波治療と温熱治療と、どっちがいいんスか?」
「低周波の治療器って、いろんな会社が出してるっスよ。」
「その二種類なら、おいている治療院が多いですよね。最近は、二つ同時にできるのもありますね。」
「青いマークは、血行不良などの代謝停滞が推測できるので、温熱刺激がよいと思います。」
「でも、赤(紫)のマークは、代謝が過剰と推測できるので、低周波で痛みをとるとよいと考えています。」
「代謝って、先輩のマネすると、水分が関わるんスよね?」
「そうです。体内の水分(間質液)は、体内の流通の基本ですからね。」
「やっぱ、お灸も使ったほうがイイっスか?」
「鍼灸の資格があるなら、選択肢が増えるから、使ったほうがイイですよね。台座のついたお灸簡単で、患者さんが自分でできます。」
「でも、低周波の治療器や、温熱の治療器だけでも、広い範囲で対応できると思います。接骨院や整形外科の先生なら、治療器だけでいいと思います。」
(2018年08月08日 公開)
【ワンポイント解説】
腕や脚に伸びる神経は、それぞれの枝に、いくつかの根もとがあり、複雑に影響し合います。
げんきDASは、代表的な根もとの、おおよその位置を表示しています。
治療器の電極は直径が数センチあるので、おおよその位置がわかればよいと考えています。
また、腕や脚には太い体性神経が、その神経の血行を管理する交感神経をともなって伸びていきます。
交感神経は、広い範囲で交いに感応しあう(交感する)ので、太い神経を効率的に刺激することで、広い範囲の多様な症状に効果を期待するのです。
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